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グランドスラムの5セット試合での勝率現役トップ5…錦織は何位?

2018年「全米オープン」での錦織

5セットマッチを戦い抜くことは、テニスにおいて選手が直面する最も大きな困難の1つだ。5セット目までもつれる試合は3時間を超えることも多く、選手のスタミナと安定性を試す。

オープン化以降、グランドスラムの第5セットのルールは何度も変更されてきた。1970年に「全米オープン」が、最終セットで6-6で並んだ際にタイブレークへ移行するルールをグランドスラムで初めて採用した。2018年、「ウィンブルドン」は最終セット12-12で並んだらタイブレークとするルールを導入。同じ年、「全豪オープン」は6-6で並んだ後は10ポイント先取のタイブレークを採用することにした。

昨年まで、「全仏オープン」は最終セットにタイブレークを採用していない唯一のグランドスラムだった。しかし2022年初めにグランドスラム4大会が同じルールとすることを発表。最終セットが6-6で並んだ場合、10ポイント先取のタイブレークで決着をつけることになった。「全仏オープン」では、2022年に初めてこの統一ルールが適用された。

最終セットのルールが何度も変更された理由の一つは、試合があまりの長時間に及ぶと、選手にとって苛酷すぎるからだ。例えば、2020年のジョン・イズナー(アメリカ)対ニコラ・マウ(フランス)の試合時間は11時間5分に及んだ。もう一つの理由は、長時間の試合が大会スケジュールの進行を遅らせてしまうことだ。それに加えて、テニスのシーズンは以前よりずっと忙しくなっており、最終セットの扱いについては選手の体力を考慮して何らかの変更が必要となっていた。

今回は、グランドスラムの5セットマッチで最も高い勝率を誇る現役男子選手5人をランキング形式で紹介する。ランキングは、第5セットまでもつれ込んだ試合を少なくとも30試合行った選手から選出している。スポーツウェブメディアSportskeedaがまとめている。

4位タイ アンディ・マレー(イギリス) 65.7%
マレーは最終セットまでもつれたグランドスラムの35試合中、23試合で勝利を掴んでいる。元世界王者マレーの最も記憶に残る5セットマッチは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦した2012年「全米オープン」の決勝だろう。4時間54分にも及んだ試合は、7-6(10)、7-5、2-6、3-6、6-2でマレーが勝利した。

マレーは、1回戦でフルセットまでもつれたことが9回ある。そのうち6試合で勝利しており、最近では2022年「全豪オープン」の1回戦でニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を破った。(その後、2回戦でダニエル太郎(日本/エイブル)にストレートで敗退した。)また2020年の「全米オープン」1回戦では西岡良仁(日本/ミキハウス)をフルセットで退けている。

2014年「全仏オープン」3回戦、マレー対フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)も記憶に残る一戦だった。2人は第5セットだけで22ゲームもプレーすることになった。試合時間が4時間を少し超えたところで、マレーが3-6、6-3、6-3、4-6、12-10で決着をつけた。

マレーがこれまで勝利したグランドスラムのフルセットマッチ、23試合の中で、0-2からの逆転勝利は9試合あった。

4位タイ ラファエル・ナダル(スペイン) 65.7%
マレーと同じように、第5セットまでもつれた35試合中23試合で勝利しているのがナダルだ。グランドスラム決勝では、9つのフルセットマッチをプレーしている。そのうち4試合がロジャー・フェデラー(スイス)との試合で、お互い2勝2敗で並んでいる。

これら“フェダル”のフルセットマッチの中で最も印象深いのは、間違いなく2008年の「ウィンブルドン」決勝だろう。ナダルが6-4、6-4、6-7(5)、6-7(8)、9-7で勝利し、4時間48分という試合時間は当時の「ウィンブルドン」決勝戦最長記録を更新した。

2012年の「全豪オープン」決勝も印象に残る一戦だった。5-7、6-4、6-2、6-7(5)、7-5の接戦の末ジョコビッチが勝利。試合時間は5時間53分、これは今でも史上最長のグランドスラム決勝戦だ。

その10年後、同じ大会でナダルはダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦、セットカウント0-2で押されていたが、ナダルは持ち前の不屈の精神を見せ、5時間24分にも及んだ試合を制した。この勝利で自身21回目のグランドスラム優勝を飾り、男子のグランドスラム優勝回数でトップに立った。

2022年「全豪オープン」決勝を含め、ナダルは3試合で0-2から逆転勝利を掴んでいる。

3位 マリン・チリッチ(クロアチア) 66.7%
2014年の全米王者チリッチは、これまでグランドスラムで42試合ものフルセットマッチをプレーし、うち28試合で勝利している。

世界ランキング3位まで到達した経験を持つビッグサーバーのチリッチがプレーした最も長い5セットマッチは、2012年「ウィンブルドン」3回戦のサム・クエリー(アメリカ)戦だった。5時間31分後、7-6(6)、6-4、6-7(2)、6-7(3)、17-15でチリッチが勝利を収めた。この試合は、当時「ウィンブルドン」史上2番目に長い試合だった。

ビッグサーバー同士が「ウィンブルドン」で競い合ったもう1つの試合が、2015年「ウィンブルドン」の3回戦だった。4時間31分をかけてチリッチとイズナーがしのぎを削り、7-6(4)、6-7(6)、6-4、6-7(4)、12-10でチリッチが接戦を制した。

チリッチが決勝で5セットをプレーしたのは1度だけ、2018年「全豪オープン」でのことだった。試合は3時間ほどで決着がつき、6-2、6-7(5)、6-3、3-6、6-1で前年優勝者のフェデラーが勝利した。

2位 ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 79%
ジョコビッチは5セットマッチで素晴らしい戦績を残しており、グランドスラムでの5セットマッチ43試合中、34試合で勝利している。

これまで5時間を超える試合は4回あった。ナダルとの2012年「全豪オープン」決勝と2018年「ウィンブルドン」準決勝、スタン・ワウリンカ(スイス)との2013年「全豪オープン」4回戦、そしてマルコス・バグダティス(キプロス)との2007年「ウィンブルドン」準々決勝だ。なんとジョコビッチはこれらの試合全てで勝利を収めている。

さらにジョコビッチは、最終セットまでもつれたグランドスラム決勝6試合のうち、5試合で勝利している。唯一の例外は、マレーに敗れた2012年「全米オープン」決勝だった。

ナダルのところで触れた2012年「全豪オープン」決勝以外で、ジョコビッチがプレーした印象深い5セットマッチは、2019年「ウィンブルドン」決勝のフェデラー戦と2021年「全仏オープン」決勝のステファノス・チチパス(ギリシャ)戦の2つだろう。2019年のフェデラー戦は、「ウィンブルドン」決勝としては史上最長の4時間57分にも及んだ。最終セットのタイブレークではマッチポイントを何度も凌ぎ、ジョコビッチが7-6(5)、1-6、7-6(4)、4-6、13-12(3)のスコアで勝利を掴んだ。

2021年「全仏オープン」の決勝では0-2の窮地からジョコビッチが逆転し、6-7(6)、2-6、6-3、6-2、6-4でチチパスを下した。この優勝でジョコビッチは2度目のキャリアグランドスラムを達成している。

ジョコビッチがプレーしたグランドスラムでの5セットマッチの中で、0-2の苦境に追い込まれたことが7回あった。うち6試合でジョコビッチは逆転勝利に成功している。

1位 錦織圭(日本/ユニクロ) 83.3%
元世界4位の錦織は、現役選手の中で最も高い5セットマッチ勝率を持つ。これまで第5セットまでいった30試合のうち、25試合で勝利している。

2016年、錦織は「全米オープン」の準々決勝でマレーと対戦。4時間近くかかった試合は1-6、6-4、4-6、6-1、7-5で錦織に軍配が上がった。

パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦した2019年「全豪オープン」の4回戦は、自身最長の5セットマッチとなった。0-2で窮地に追い込まれた錦織は驚くべき逆転劇を演じ、6-7(8)、4-6、7-6(4)、6-4、7-6(10-8)のスコアで勝利。試合は5時間5分に及んだ。

各グランドスラムでの錦織の5セットマッチの勝敗記録を見ると、「全豪オープン」では7勝1敗、「全仏オープン」9勝2敗、「ウィンブルドン」2勝1敗、「全米オープン」7勝1敗となっている。25勝のうち、3度はセットカウント0-2からの逆転勝利だった。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2018年「全米オープン」での錦織
(Photo by TPN/Getty Images)

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