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シフィオンテク、ウクライナ支援試合に出場「忘れられない一日」

チャリティーマッチでのシフィオンテクとスビトリーナ、ラドバンスカ(左より)

世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、ウクライナを支援するチャリティーマッチでホスト役を務めた。その様子をWTA(女子プロテニス協会)公式ウェブサイトなど複数のメディアが報じている。

元世界ランキング3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)がアンバサダーを務める「UNITED24」後援のもと、今月23日にポーランドのクラクフでチャリティーマッチが行われた。同団体はウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が主導しており、ロシアによるウクライナ侵攻で被害を受けた人々を支援するための寄付活動を行っている。

シフィオンテクは、元世界2位でツアータイトルを20個獲得しているアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)や、元テニス選手で現在はウクライナの予備軍に入っているセルゲイ・スタコウスキー(ウクライナ)、ポーランドの新鋭ジュニア選手のMartyn Pawelskiらとともに混合ダブルスやシングルスの試合でプレーして、1万人以上の地元のファンを沸かせた。「UNITED24」のアンバサダーでもある元サッカー選手のアンドレイ・シェフチェンコもスペシャルゲストとして登場し、今年10月に第一子となる女児を出産する予定のスビトリーナは主審を務めている。

ラドバンスカが引退した2018年にシフィオンテクは「ウィンブルドン」のジュニア大会を優勝しているため、WTAツアーで一緒になることのなかった二人は今回初めて対戦することに。巧みなテクニックを駆使し、シフィオンテクに余裕を与えなかったベテランのラドバンスカが6-4で勝利した。二人はネット際でハグを交わし、観客からスタンディングオベーションを送られると、シフィオンテクは中継カメラのレンズに「アガ、ツアーに戻ってきて!」とメッセージを綴った。

ラドバンスカは今回の参加についてこう話している。「世界で一番強い選手とシングルスの試合をするなんて夢にも思っていなかったわ。しかも、地元のクラクフで。今回参加を決意したのは自分のキャリアのためではなく、素晴らしい目的があったからよ。イガから連絡をもらった時、断ることはできなかったわ。こういうイベントは、すべてを奪われたウクライナの子どもたちを助ける最善の方法だと思うの。彼らが普通の生活に戻るための一助になればと願っているわ」

侵攻が始まって以来、ウクライナを支持する姿勢を示し続けてきたシフィオンテクは、テニス界でこの問題に対する関心が薄れてきていることを懸念。「当初、ウクライナで起きていることに対するテニス界の関心はとても高かったと思う。多くの女子テニス選手がウクライナの国旗の色のリボンをつけていた。でも、時間が経つにつれてその意識は薄れて、2、3試合でリボンを付けている人はほとんどいなくなってしまったわ。戦争についてコメントすることを拒む選手も多いわね。でも、誰もが自分が適切だと思うことをする自由があるから、私はそれを尊重するわ」

このイベントは大成功を収め、ウクライナの子どもたちの救済と支援に取り組んできた3つの団体(UNITED24、ユニセフ・ポーランド、エリナ・スビトリーナ財団)に合計40万ユーロ(約5560万円)を超える寄付が集まった。シフィオンテクは「忘れられない一日になったわ。まだすごく興奮しているけど、今はただ感謝の気持ちでいっぱいよ」とTwitterに綴っている。

※為替レートは2022年7月25日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

写真はチャリティーマッチでのシフィオンテクとスビトリーナ、ラドバンスカ(左より)
(Photo by Krzysztof Porebski/PressFocus/MB Media/Getty Images)

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