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オーストラリアの入国ビザを取り消された選手が訴訟に勝利

2015年「ウィンブルドン」でのボラコバ

今年1月にオーストラリアの入国ビザを取り消されて「全豪オープン」に出場できなかったダブルス世界ランキング102位のレナタ・ボラコバ(チェコ)が、ビザ取り消しをめぐる訴訟に勝利していたことがわかった。伊ニュースサイト UBI Tennisが報じている。

当時、オーストラリアに入国するには新型コロナワクチンを2回打っていることが必須条件だった。だが、ボラコバはその少し前に新型コロナに感染し、回復したことで前述の条件を免除されて入国。メルボルンの税関をスムーズに通過できたという。ところが、1月4日から開催された「WTA250 メルボルン2」のダブルスで初戦敗退を喫した後、「全豪オープン」に向けて滞在を続けていたところ、7日に突然ビザを取り消された上、何時間にもわたって尋問されることになった。

ボラコバにとって事態が急変したのは、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がボラコバと同じ理由でワクチン未接種のまま、5日にオーストラリアに入国しようとしたところ、メルボルンの空港でビザを取り消され、難民や亡命者が収容されている劣悪なホテルに収容されることになったからだ。ボラコバもジョコビッチと同じホテルに収容された後、9日にチェコへ帰国している。ボラコバが自主的に去ったのに対して、ジョコビッチは弁護団を呼んで当局との間でビザ取り消しの正当性をめぐる訴訟を起こすも、滞在は認められず、「全豪オープン」に出場することなくオーストラリアを後にした。オーストラリアのビザを一度取り消された場合、その後3年間は新たに取得するのが難しいとされている。

それから半年以上経った今、ボラコバがビザ取り消しをめぐる訴訟に勝利していたことがわかった。豪The Age紙によると、オーストラリアの行政不服審判所は、ジョコビッチとは当時の状況が異なるとしてボラコバに有利な裁定を下したという。審理の結果、ボラコバがビザの条件に違反した証拠はなかったと結論づけられ、彼女の弁護団とオーストラリア国境警備隊の交渉によりブリッジングビザが交付されたとのことだ。このビザは、特定の状況にある個人に対して発行されるもので、新しいビザが発給されるまでの間、オーストラリアに滞在することを許可するものとなる。

審判所が公表した書類にはこう記載されている。「ボラコバ氏がビザの条件を遵守しなかったという証拠はなく、彼女はすべての関連する規則に従っており、オーストラリアテニス協会(TA)とビクトリア州の保健省から受けた、医学的な免除条件に関する説明を信頼していた証拠がある。また、ボラコバ氏がワクチン未接種であってもオーストラリアへの入国を禁ずる法律が当時はなかったという指摘も認める。彼女は入国書類に正直に答え、血栓症に対する脆弱性についてかかりつけの医者が提供した証拠があり、これは免除を裏づける説得力のある医学的証拠となる。特筆すべきは、ボラコバ氏がワクチン免除の理由として新型コロナにかかったことに頼る必要はなく、それ以前に彼女には接種を遅らせる医学的根拠がある点だ」

同審判所の移民・難民部門の責任者によれば、ボラコバとジョコビッチの状況を大きく分ける点が二つあるという。一つは、ボラコバはワクチン接種に反対する姿勢を示していないのに対して、オーストラリア政府はジョコビッチが自己隔離プロトコルを無視した証拠を何かしら掴んでいるとのことだ。ボラコバに有利に働いたもう一つの決め手は、現在38歳の彼女に3年間の禁止令が出たままだと「キャリアに害を及ぼす」と判断されたからだ。ボラコバのビザを復活させるという決定は2月8日になされたようだが、今になってその事実が明るみに出ることになった。

ボラコバはダブルスでこれまでに11個のツアータイトルを獲得。2017年には「ウィンブルドン」の準決勝に進出した後、キャリアハイとなる世界29位を記録している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2015年「ウィンブルドン」でのボラコバ
(Photo by Shaun Botterill/Getty Images)

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