アイオワの広大な農場の中に「ウィンブルドン」のセンターコートを模して造られた「コート・オブ・ドリームス」とも呼ばれるテニスコートで、チャリティーイベントが開催された。米テニスメディアBaselineが報じた。
2017年「全米オープン」の準優勝者で元世界ランキング7位のマディソン・キーズ(アメリカ)がこのイベントを主催。アメリカのアイオワ州チャールズシティにあるマーク・クーン氏がつくったテニスクラブを訪れた。
農場でトウモロコシと大豆を生産しているクーン氏は、広大な農地の真ん中に世界で最も有名なテニスコートのレプリカをつくることは不可能ではないと考えた。農場でものをつくることは彼の専門なのだから。そしてクーン氏は、「オールイングランド・ローンテニスクラブ」にそっくりな「オール・アイオワ・テニスクラブ」を創設。「ウィンブルドン」からは6600kmも離れたトウモロコシ畑の真ん中ではあるが、コートだけ見ていればロンドンにいるかのようだ。もちろん「コート・オブ・ドリームス」という愛称は、ケビン・コスナーの主演で映画化された、アイオワの農場主がトウモロコシ畑の真ん中に野球場をつくる「フィールド・オブ・ドリームス」の話からきている。
祖父の短波ラジオでテニスの放送を聞いていた頃から「ウィンブルドン」に魅了されていたというクーン氏は、「うまくいくかどうかはわからなかったけど、とにかくやってみたかった」とテニスクラブをつくった理由を話した。クーン氏は実際、「ウィンブルドン」の芝生を管理するグラウンドキーパーのインターンまで勤めたのだ。
クーン氏と同じくアメリカ中西部出身のキーズは、このコートで自らの慈善団体が主催するチャリティーイベントを行いたいと考えた。キーズはやはり中西部出身のキャサリン・マクナリー(アメリカ)を招いて、シングルスとダブルスのエキシビションマッチをプレーした。
さらにキーズはメンタルヘルスに関するパネルディスカッションや、ハードコートでの子供たちのためのテニスクリニックも開催。チャリティーのための基金を集めるとともに、素晴らしい一日を過ごした。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのキーズ
(Photo by Robert Prange/Getty Images)