「ウィンブルドン」の後、2週間ツアーから離れていたカルロス・アルカラス(スペイン)は、その間にじっくりトレーニングを重ね、新たな自信を持って大会に帰ってきた。米テニスメディアTennis World USAが報じた。
「いいプレーができている。クレーコートではいつもそうだけど、ここでも気持ちよくプレーしている。でもグラスコートの後でクレーコートに戻るのはとても難しい。アカデミーで何日か、そしてここでも少し練習して、最高の状態で大会に臨む準備ができたと感じている。優勝を目指して来たよ」とアルカラスは「ATP500 ハンブルク」(ドイツ・ハンブルク/7月18日~7月24日/クレーコート)の会場で語った。
今シーズン学んだことについてはこう話す。「世界のトップ選手たちと戦うことを学んだ。大きなスタジアムで、大事な瞬間を戦うことを。プレッシャーに潰されることなく、大切な試合で緊張し過ぎないことを学んだ。その点ではすごく成長したと思う。それが僕が今いるところにいる理由だと思う」今いるところとは?19歳のアルカラスは世界ランキング6位だ。
世界のトップ3に入りたいかと聞かれたアルカラスはこう答えた。「それはいい目標だと思うけれど、今は順位のことはあまり考えていない。それよりもシーズン末にトリノで開催される最終戦に出場したい」
「今の僕にはランキングが一番大事ではないんだ。試合に勝つことに苦しんだとしても、それが僕を成長させてくれる。今年は思ったより早く結果が出たことには少し驚いているけれど、そのために努力をしてきた。努力は報われる、ちょっと驚くぐらい早かったけどね」
ハンブルク大会への出場については、身近な人々のアドバイスがあった。「去年ここで優勝したパブロ(・カレーニョ ブスタ、スペイン)に話を聞いた。もちろんフアン カルロス(・フェレロ、アルカラスのコーチ)にもね。彼はここで何度も良い結果を出していたから。ハンブルクは素晴らしい大会だから来ようと決めた。いい選手たちが出ているから、最初から良い試合ができる。パブロとフアン カルロスも勧めてくれた」
シーズン末の最終戦、「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月13日~11月20日/室内ハードコート)には、ランキングでトップ8位内の選手だけが出場できる。その出場権を決める今年獲得したポイントだけで争う「レース・トゥ・トリノ」で、アルカラスは現在3位。グランドスラム2大会を制したラファエル・ナダル(スペイン)が5,620ポイントでトップ、3,965ポイントのステファノス・チチパス(ギリシャ)が2位、アルカラスは3,820ポイントとチチパスに肉薄している。今後もいくつものマスターズ1000大会があり、「全米オープン」もあるためレースの行方はまだまだわからないが、現在の好調さを保っていけば最終戦出場はアルカラスにとって十分に現実的な目標と言えるだろう。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 マドリード」でのアルカラス
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)