ニュース News

ナダル、アルカラス…今年のウィンブルドン最長試合トップ5!

「ウィンブルドン」でのフリッツ(左)とナダル

2022年の「ウィンブルドン」が幕を閉じた。男子シングルスではノバク・ジョコビッチ(セルビア)が7度目の優勝を飾り、21個目のグランドスラムトロフィーを獲得。女子シングルスではエレナ・リバキナ(カザフスタン)がカザフスタン人初のグランドスラム優勝を果たした。

車いすテニスの男子シングルスでは世界王者の国枝慎吾(日本/ユニクロ)が生涯ゴールデンスラムを達成。女子シングルスではディーダ・デ グロート(オランダ)、そしてクアードではサム・シュレーダー(オランダ)が優勝を飾った。

今年の「ウィンブルドン」では、史上初めてミドルサンデー(1週目と2週目の間の日曜日)に試合が行われ、ランクの高い選手に対し大会前にセンターコートを練習用に開放するなど、伝統を破る変更点が複数あった。また、最終セットのスコアが6-6で並んだ場合、10ポイント先取のタイブレークに移行するルールが初めて取り入れられた。

芝のコートで行われる試合はラリーが短く、比較的早く終わることが多いが、第135回目の今大会では、25試合で4時間を超える接戦が繰り広げられた。今大会で最も時間がかかった試合を5つ、ランキング形式で紹介しよう。スポーツウェブメディアSportskeedaが伝えている。

5位 ヤン レナード・ストルフ(ドイツ)対カルロス・アルカラス(スペイン)
第5シードの19歳アルカラスは、1回戦で32歳のストルフと対戦。今年のストルフは「ウィンブルドン」の前に14試合に出場し、うち2試合しか勝利できていなかった。一方のアルカラスは「ATP500 リオデジャネイロ」、「ATP1000 マイアミ」、「ATP500 バルセロナ」、「ATP1000 マドリード」と複数のトロフィーを獲得してから自身2度目の「ウィンブルドン」本戦に臨んだ。

2人は昨年「全仏オープン」の3回戦で対戦しており、その時はストルフが勝利を収めた。今回は初の芝での対決となったが、お互いセットを奪い合う展開で勝負は最終セットまでもつれ込んだ。第5セット、2人はサービスキープを続け、4-4で並んだ。アルカラスはこのセット唯一のブレークを果たし、続くサービスゲームをキープして4-6、7-5、4-6、7-6(3)、6-4で勝利を収めた。試合は4時間14分に及んだ。

両選手は共に40のアンフォーストエラーを記録。アルカラスはストルフより11多い73ものウィナーを決めたが、総ポイント数ではストルフとアルカラスの差はたったの4ポイントだった。

「グラスで4時間プレーするのは、他のサーフェスよりずっと辛い。たとえ長いラリーがないとしてもね。比較をすると、ここでの長いラリー1回分は、他のサーフェスでの長いラリー3、4回分に匹敵するよ」とアルカラスはストルフとの試合後にグラスコートの難しさについて語った。

4位 ジャック・ソック(アメリカ)対ジェイソン・クブラー(オーストラリア)
29歳のソックは予選を通過し、6度目の「ウィンブルドン」本戦出場を果たした。1回戦では同じ予選通過者のベルナベ・サパタ ミラージェス(スペイン)をストレートで退け、2回戦ではマキシム・クレッシー(アメリカ)とのアメリカ人対決を制した。3回戦でソックは再び予選通過者のクブラーと対戦することになった。

同じく29歳のクブラーは、これが2度目の「ウィンブルドン」本戦だ。1回戦で第28シードのダニエル・エバンズ(イギリス)に勝利し、番狂わせを演じた。続く2回戦ではデニス・ノバク(オーストリア)を下し、3回戦進出を果たした。

ソックとクブラーは10年ほど前にフューチャーズ大会で対戦したことがあり、その時はソックに軍配が上がった。ソックは世界ランキング103位、クブラーは世界99位と2人は世界ランキングで4つしか離れておらず、実力は拮抗していた。

クブラーは30分で第1セットを6-2で先取。続く第2セットと第3セットはソックが1時間ほどで連取した。第4セットはタイブレークにもつれ込み、7-4でクブラーが奪い返した。最終セットでは第1ゲームをブレークしたクブラーが2本目のマッチポイントをものにして、ゲームセットとなった。4時間19分かかった試合は6-2、4-6、5-7、7-6(4)、6-3でクブラーの勝利となった。

「そうだな、ある程度は人生を変えてくれると思う。遠征中に理学療法士の治療を受ける機会を増やせるし、コーチと練習できる時間も確実に増える。もっと自分にチャンスを与えて、またこういうことができたら良いな」と19万ポンド(約3120万円)の賞金を獲得したことについて、クブラーは試合後に語った。

3位 テイラー・フリッツ(アメリカ)対ラファエル・ナダル(スペイン)
今年の「全豪オープン」、「全仏オープン」とグランドスラム2大会で優勝を飾った36歳のナダルは、3度目の「ウィンブルドン」優勝を視野に第2シードとして大会に出場。3回戦でロレンツォ・ソネゴ(イタリア)、4回戦でボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)とシード選手を2人退けベスト8に進出した。

準々決勝の対戦相手は、第11シードの24歳フリッツだった。ナダルは今年の「ATP1000 インディアンウェルズ」決勝でフリッツに敗れていた。ナダルとは対照的に、フリッツは比較的余裕を持って準々決勝まで進んできた。対戦相手はトップ50位以下の選手ばかりで、すべてストレート勝ちと体力を十分温存していた。

試合開始から約2時間、怪我のため明らかに不調な様子のナダルに対し、フリッツがセットカウント2-1でリード。しかしナダルはそこから試合をひっくり返し、最終セットのタイブレークまで競った試合を制した。ナダルが「ウィンブルドン」で1-2から逆転勝利するのはこれで6度目。試合は4時間20分にも及んだ。

3-6、7-5、3-6、7-5、7-6[10-4]でフリッツに勝利したナダルにとって、グランドスラムで最終セットまでもつれた試合はこれが26度目だ。その後、ナダルが準決勝を前に腹部の怪我を理由に棄権したことにより、ニック・キリオス(オーストラリア)は自身初のグランドスラム決勝進出を果たした。

「彼が怪我をしたふりをしていたとは思わない。彼のサーブは、そうだな、時速で15〜25キロくらい落ちていた。彼は理由なしにそんなことはしないだろう。彼はすごく良く動き、素晴らしいディフェンスをしていた。ボールをコーナーにこれでもかと打ち込んだけれど、彼は走ってウィナーを打ち返してきた。かなりの痛みを感じながらプレーしていたと思うよ」とフリッツは試合後に語った。

2位 クリスチャン・ガリン(チリ)対アレックス・デミノー(オーストラリア)
前哨戦のグラスコート大会「ATP250 イーストボーン」で準決勝に進出したデミノーは、第19シードとして「ウィンブルドン」に出場。1セットを落としただけで4回戦まで進出した。

ガリンは前哨戦として臨んだ「ATP500 ハレ」、「ATP250 イーストボーン」いずれも初戦敗退と調子を上げられないまま「ウィンブルドン」本戦を迎えた。イーストボーン大会の1回戦でガリンをストレートで下したのはデミノーだった。しかしガリンは「ウィンブルドン」でうまくギアを切り替え、ミカエル・イーメル(スウェーデン)、ユーゴ・グルニエ(フランス)、第29シードのジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)相手に勝利を重ねた。

ガリンはデミノーとこれまで3度対決していたが、1セットも取れずに敗れていた。「ウィンブルドン」の4回戦では、まずデミノーが最初の2セットを取り、ガリンから9セットを連続で奪った。しかし、ここでガリンが反撃に出る。第3セットをタイブレークの末ものにしたガリンは、続く第4セットも取り、試合は最終セットでの決着となった。

ガリンが素晴らしいフットワークでデミノーのマッチポイントを2回しのぎ、試合がタイブレークに突入すると観客は大いに盛り上がった。デミノーが5-3でリードしたものの、その後ガリンが6ポイント連取して2-6、5-7、7-3(3)、6-4、7-6[10-6]で勝利を掴んだ。

4時間34分の接戦の末、ガリンは準々決勝進出を決めた。チリ人選手がグランドスラムの準々決勝に進出するのは、2009年「全米オープン」のフェルナンド・ゴンサレス(チリ)以来となった。

「彼は、明らかに一段ギアを上げてきた。重要な場面でいいショットを決めてきた。幸運は勇敢な者に微笑む。今日はそれが彼だったんだと思うよ」とガリンとの一戦を終えたデミノーは語った。

1位 ダビド・ゴファン(ベルギー)対フランシス・ティアフォー(アメリカ)
ティアフォーとゴファンが前回対戦したのは今年の「全仏オープン」でのこと。その時はゴファンが4セットで勝利した。2人の対戦成績は4勝1敗でゴファンがリードしていた。

ティアフォーは「ATP500 ロンドン」、「ATP250 イーストボーン」共に初戦敗退と、グラスコートシーズンに入ってから良い成績を残せていなかった。ただロンドンのハーリンガムクラブで行われたエキシビションマッチでアルカラスに勝利したことは、ティアフォーに大きな自信を与えたようだ。第23シードのティアフォーは、1セットを落としただけで4回戦に進出した。

一方のゴファンは、「ウィンブルドン」前は1大会のみに出場。「ATP500 ハレ」の1回戦で世界王者ダニール・メドベージェフ(ロシア)に敗れて終わっている。今大会は3年ぶりの「ウィンブルドン」出場で、前回出場時は準々決勝に進出。ゴファンも3回戦で1セットを取られただけでティアフォーの待つ4回戦へと進んだ。

試合開始後3時間ほどの時点で、2-1とティアフォーがリードしていた。ティアフォーはこれまで2-1でリードしたグランドスラムの試合で、14勝3敗という成績を残している。一方ゴファンは、1-2でリードされた5セットマッチがこれまで19回あったが、うち7試合しか勝利できていない。

しかし、この不利な状況でゴファンが素晴らしい粘りを見せ、第4セットを6-4で奪い返す。最終セットは6-5で迎えたティアフォーのサービスゲームをゴファンがブレークし、7-6(3)、5-7、5-7、6-4、7-5で試合を制した。合計403ポイントをプレーし、4時間36分という長丁場の試合となった。

「そうだな、数日経ってもう一度試合を見直したら、クレイジーな試合だったなと思うのかもしれない。でもこの場で言える正直な気持ちは、畜生ダビドの奴、かな。グランドスラム2大会連続で彼に敗れた。クソくらえだ。いや、彼は素晴らしい選手だよ。また返り咲こうとしてすごくいいプレーをしている。この大会ではポイントが貰えないけれど、彼はとてもいいプレーをしている。僕は彼がすごく好きだ、良いやつさ。彼の活躍が続くことを願っているよ」とティアフォーは試合後に冗談を交えて話した。

※為替レートは2022年7月15日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのフリッツ(左)とナダル
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. ナダル、アルカラス…今年のウィンブルドン最長試合トップ5!