現地10日に閉幕した「ウィンブルドン」をもってグラスコートのシーズンがほぼ終わり、2022年シーズンが始まってすでに6ヶ月が経過した。女子テニス界の2022年シーズンここまでの中間報告を、WTA(女子テニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。
<最多勝利>
1.イガ・シフィオンテク(ポーランド)…44勝4敗(タイトル数:6)
2.オンス・ジャバー(チュニジア)…36勝10敗(タイトル数:3)
3.シモナ・ハレプ(ルーマニア)…31勝9敗(タイトル数:1)
シーズン最多勝利、最多優勝は世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)。「ウィンブルドン」3回戦で敗れるまで135日間にわたって負けることなく、2000年以降では最高記録となる37連勝を記録、「全仏オープン」を含む6つのタイトルを手にしている。シーズン44勝で、「ウィンブルドン」準優勝を飾ったオンス・ジャバー(チュニジア)をはじめとした2位以下に大差をつけている。シフィオンテクの圧倒的な強さはほかのスタッツを見ても明らかで、トップ10選手に対する勝利数はその他の選手が3勝以下なのに対して7勝、ベーグル(6-0)は17回に上る。
<最多サービスエース>
1.エレナ・リバキナ(カザフスタン)…221本(一試合平均:5.8本)
2.カロリーヌ・ガルシア(フランス)…186本(一試合平均:6.4本)
3.マリア・サカーリ(ギリシャ)…165本(一試合平均:4.0本)
サービスエースのトップ3は、エレナ・リバキナ(カザフスタン)の221本、カロリーナ・ガルシア(フランス)の186本、マリア・サカーリ(ギリシャ)の165本。リバキナはグランドスラム初優勝を飾った「ウィンブルドン」でもサーブの強さが光ったが、同大会前からツアートップを走っている。ただ、一試合平均で見ると1位はカロリーナ・プリスコバ(チェコ)。プリスコバはシーズン開幕直前に手を痛めたことから出遅れたが、ここまでの20試合で一試合平均7.1本のサービスエースを決めている。一試合平均だとリバキナは5.8本だ。また、ガルシアは10勝を挙げたグラスコートシーズンに109本ものサービスエースを決めたことで一気にランキング上位に浮上してきた。
<サービスゲーム取得率>
1.大坂なおみ(日本/フリー)…80.4%
2.エレナ・リバキナ(カザフスタン)…78.4%
3.リュドミラ・サムソノワ(ロシア)…77.1%
4.マディソン・キーズ(アメリカ)…77.0%
5.ベリンダ・ベンチッチ(スイス)…76.6%
前項のプリスコバと同じく、大坂なおみ(日本/フリー)も試合数が少ないものの好成績を収めている。ここまで17試合(12勝5敗)を戦い、サービスゲームのキープ率でトップに立っている。その数値は80.4%と、ツアーで唯一の80%超え。2位以下は、リバキナの78.4%、リュドミラ・サムソノワ(ロシア)の77.1%、マディソン・キーズ(アメリカ)の77.0%、ベリンダ・ベンチッチ(スイス)の76.6%。
<リターンゲーム取得率>
1.イガ・シフィオンテク(ポーランド)…54.1%
2.サラ・ソリベス トルモ(スペイン)…49.8%
3.シモナ・ハレプ(ルーマニア)…48.5%
4.ダリア・カサキナ(ロシア)…44.7%
5.オンス・ジャバー(チュニジア)…41.8%
一方、リターンゲームに強いのがシフィオンテク。前述したようにベーグルの多さもあり、ブレークに成功した確率が54.1%と、過半数なのは彼女だけだ。ツアーの最高成績は2013年に54.8%ものブレーク成功率を記録したビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)だが、シフィオンテクはそれに追いつくことができるだろうか。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「WTA1000 インディアンウェルズ」での大坂
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)