テニスの上達を目指そうと、ストロークの技術やサーブのモーションを完璧にすることにばかり囚われてしまうことがある。しかし、技術だけでは試合に勝つことはできない。試合が長引けば、最終的にどちらがより多くの燃料をタンクに残しているかが勝利の鍵となることは少なくない。地味で面白味がないと感じるかもしれないが、身体能力の向上に気を配り、持久力を高めることは必ず試合の結果に現れる。テニスにおける身体能力の重要性は、ラファエル・ナダル(スペイン)を見れば分かるはずだ。しかし、勝つためにはナダルのようにプレーしなければならない、というわけではない。今回は持久力を高め、テニスのパフォーマンスを向上させる方法を3つ紹介する。米テニスメディアBaselineが伝えている。
1. プールトレーニング
テニスをしていると、足首や膝、そして脚全体に大きな負担がかかる。衝撃の大きいハードコートでは特にそうだ。この負荷を相殺する一つの方法は、プールでのトレーニングだ。水泳は、脚に連続的な動きを強いるだけではなく、関節に無理をかけずにトレーニングできる。好きな泳法で20分〜30分続けて泳いでみよう。バタフライ、平泳ぎ、背泳ぎ、左右を入れ替えながらのサイドストロークでも構わない。終了後は、水深の浅い場所で腿上げとランジを15回ずつ2セット行い、筋力強化も行うことをお勧めする。
2. 100球ラリー
次は、コートに戻っての練習を紹介する。このトレーニングでは、持久力と安定性を高めることができる。試合中、早くポイントを決めたいがために焦ってしまうと、結局アンフォーストエラーを犯してしまうことがある。100球ラリーをすれば、安定してショットを打つことが可能になる。100球ラリーとは、ただ100球を打ち返すことではない。シングルスコートの範囲内に、100球連続で入れ続けるという意味だ。もしミスをすれば、カウントをゼロに戻してやり直す。こうすることで、練習中の集中力を高められるし、試合の時に相手に大きな脅威を与える存在となることができる。
3. インターバルダッシュ
ダッシュトレーニングはどこでもできるが、コートで行うのが一番効率が良い。ラインを使って細かいダッシュを組み合わせることができるからだ。ダブルスのサイドラインから始めて、シングルスのサイドラインまで走って戻る。次にセンターサービスラインまで走って戻る。この要領で全てのラインを使ったら1セット終了。セット毎に少なくとも1分、または上がった呼吸が落ち着くまでクールダウンする。このトレーニングでは、初動の踏み出しや持久力、スピード、アジリティ全てを一度に向上することができる。練習終了間際に、これを5セットもやれば次の日は間違いなく筋肉痛だ。しかし、痛みを恐れずこのトレーニングを続けてほしい。やがて体がダッシュに慣れ、筋肉痛は和らいでくる。その頃には、プレーの質も向上しているはずだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
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