「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)からロシアとベラルーシの選手を締め出した運営団体に対して、WTA(女子テニス協会)が罰金を科したことがわかった。英BBCなど複数のメディアが報じている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、「ウィンブルドン」を運営するAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)とLTA(イギリステニス協会)は「ウィンブルドン」をはじめとするイギリスで開催されるすべての大会にロシアと同盟国のベラルーシの選手を出場させないことを決めた。そのため、現在佳境を迎えている「ウィンブルドン」にダニール・メドベージェフ(ロシア)やアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)、ダリア・カサキナ(ロシア)らの姿はない。
この措置を「国籍による差別」だとして強く非難したATP(男子プロテニス協会)とWTAは、「ウィンブルドン」でランキングポイントを付与しないという制裁を講じた。その結果、昨年の大会でシングルスの決勝に進出したノバク・ジョコビッチ(セルビア)やマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)、カロリーナ・プリスコバ(チェコ)をはじめ、好成績を残した選手たちは「ウィンブルドン」明けのランキング更新で一気に順位を落とすことになる。
両団体は5月の半ばにランキングポイントを付与しないことを発表した際、ほかにも制裁を検討していると述べていたが、この度、WTAがAELTCに75万ドル(約1億円)、LTAに25万ドル(約3400万円)の罰金を科したことが、英Daily Mail紙や米スポーツメディアESPNによって確認された。これまでのところWTAからの正式な発表はない。
AELTCのCEOを務めるサリー・ボルトン氏はWTAから罰金を科せられたことを認めており、罰金を不服として訴えているという。「私たちは自分たちが下した決断を支持しており、その決断に対するツアーの反応に深く失望しています。法的手続きの対象なので、具体的にはコメントできません」とボルトン氏は述べ、ATPによる罰金については「まだ連絡を待っている状態」だと明かした。
ATPの対応や運営側の不服が認められるかなど、今後の動向が注目される。
※為替レートは2022年7月6日時点
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「ウィンブルドン」でのメドベージェフ
(Photo by Julian Finney/Getty Images)
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