「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)では現地3日、センターコートの100周年を記念したセレモニーが行われ、多くの元チャンピオンたちが参加した。詳しい様子をATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。
センターコートはロンドンの同じ区内で移転した1922年以来、大会のメインコートとして数々のドラマを生んできた。この度、観客席とロイヤルボックスが埋め尽くされる中、100周年を祝したセレモニーがセンターコートで行われ、同大会3度の優勝を誇る元世界王者のジョン・マッケンロー(アメリカ)と元世界ランキング3位のスー・ベーカー(イギリス)が司会進行を務めた。
二人の紹介によって、レジェンドのビヨン・ボルグ(スウェーデン)やロッド・レーバー(オーストラリア)、ビリー・ジーン・キング(アメリカ)、クリス・エバート(アメリカ)、マルチナ・ヒンギス(スイス)といった歴代の優勝者たちが続々と登場した。現役選手の中からはシモナ・ハレプ(ルーマニア)やビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、アンディ・マレー(イギリス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)らが出席し、最後にひときわ大きな歓声で迎えられたのがロジャー・フェデラー(スイス)だった。
2003年大会の決勝で当時世界5位だったフェデラーはマーク・フィリポーシス(オーストラリア)を破り、今では8個手にしている「ウィンブルドン」の一つ目のタイトルを獲得した。フェデラーは男子選手として「ウィンブルドン」の歴代最多優勝を記録しているが、今年の大会は1999年のデビュー以来、初めて欠場することになった。今回のセレモニーでフェデラーはこう語っている。「このコートでたくさんの試合をすることができた僕はとても幸運です。今日、選手とは違う立場でここにいるのはすごく違和感があります。それでも、ほかのチャンピオンたちと一緒にここにいられるのは素晴らしいこと。このコートは僕に最大の勝利と最大の敗北をもたらしてくれました」
フェデラーは世界15位として臨んだ2001年大会の4回戦で、7度の「ウィンブルドン」優勝を誇るピート・サンプラス(アメリカ)とフルセットを戦い、自身初のセンターコートでの勝利を収めた時のことを思い出の一つとして語り、サンプラスについてこう述べた。「彼は、今日ここにいる人たちの多くに、“ウィンブルドン”で成功し、このスポーツを代表するような存在になろうという勇気をくれました。僕も同じことができていればと思っています」
「もちろん、(選手として今年)ここに来られなかったのは残念です。出場したかったです。昨年、センターコートでプレーした時にはこの先に大変な一年が待っていることはわかっていました。でも、戻ってくるのにこんなに時間がかかるとは思っていなくて、膝の怪我には苦労させられています。それでも僕は家で幸せな時間を過ごしていますし、テニス以外の面では良い一年だったと思っています。このセレモニーに出るべきか迷ったのですが、今こうしてここに立つことができて幸せです。もう一度戻ってこられることを祈っています」
昨年の「ウィンブルドン」の準々決勝を最後にツアーから離脱しているフェデラーは現在、3回目となる膝の手術からのリハビリに励んでいる。「レーバー・カップ」(イギリス・ロンドン/9月23日~9月25日/室内ハードコート)と「ATP500 バーゼル」(スイス・バーゼル/10月24日~10月30日/室内ハードコート)出場を目標に準備を進めているという。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ウィンブルドン」センターコート100周年セレモニーでのフェデラー
(Photo by Shi Tang/Getty Images)
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