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コーチングのルール変更をめぐりキリオスがセレナの元コーチに反発

「ATP1000 マイアミ」でのキリオス

今シーズン後半から男子の試合でコーチングが試験的に可能になるとATP(男子プロテニス協会)が発表したことに対して、元世界ランキング13位のニック・キリオス(ギリシャ)が強く反発している。米スポーツメディア ESPNなど複数のメディアが報じた。

ATPは今月21日、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)が終了した直後の7月11日からコーチングのトライアルを導入すると発表した。選手は指定されたコーチ席に座っているコーチから、同じコートの側でプレーしている時にのみ、短いフレーズでの指導を受けることができるほか、ハンドシグナルなどの非言語によるコーチングはいつでも可能となる。今回のトライアルは2022年シーズンが終了した後で総合的に評価され、来年以降もコーチングを許可し続けるかを判断するとのことだ。

発表の直後に反応を示した元世界ランキング4位で現在はESPNのアナリストを務めるブラッド・ギルバート(アメリカ)は今回の決定を歓迎。彼は同じようにコーチングのトライアルが導入されていた1999年、コーチとしてアンドレ・アガシ(アメリカ)を3つのタイトルに導いた経験を持つ。一方で、23個のツアータイトルを誇るジム・クーリエ(アメリカ)は反対の姿勢を示しており、元世界王者のアンディ・ロディック(アメリカ)は「コーチを共有している選手もいるから、互いのスケジュールを調整するのが大変になるだろう」と指摘している。

こうした反響の中で物議を醸したのが、長年セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチを務め、現在は元世界女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)をフルタイムで指導するパトリック・ムラトグルー氏の発言。彼は「何十年にもわたってほとんどすべての試合で行われてきた慣習をATPが合法化したことを祝福する。これで偽善的な行為がなくなる」とTwitterに綴っている。

ムラトグルー氏といえば、2018年の「全米オープン」で世界19位だった大坂なおみ(日本/フリー)が初のグランドスラムタイトルを獲得した際の騒動を引き起こしたことで知られる。グランドスラムでのコーチングが認められていなかった当時、女子シングルス決勝で大坂と対戦したセレナはムラトグルーからコーチングを受けたとして警告され、主審と激しい口論に。セレナは最終的に暴言やラケット破壊によるペナルティを科された。コーチングを受けていないというセレナの主張とは裏腹に、ムラトグルー氏は意図的にハンドシグナルをセレナへ送っていたことを試合後にあっさりと認めた。さらに、コーチングはほかの多くのコーチもやっているにもかかわらず、誰も罰せられないことから、コーチング違反は「最も愚かなルール」だと表現。自分はいずれまた同じことをするだろうと開き直った。

今回のムラトグルー氏の発言に直接Twitterでコメントを返したキリオスはこう述べている。「まったくもって同意できない。ほかのスポーツにはないテニスの唯一の特徴を失うことになる。選手は自分で考えなければならなかった。それが美点だった。(常にコーチが帯同している)知名度の高い選手と、コーチを持たない、あるいはコーチを雇う余裕のない低いランキングの選手が対戦した場合はどうなるんだ?」

なお、27歳のキリオスはキャリアのほとんどをコーチなしで過ごしており、最後にコーチがいたのは4、5年前のことだという。コーチがいない分、キリオスは対戦相手の分析も自ら行っており、「戦術的にはツアーで最も優れた選手の一人」と自負している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ATP1000 マイアミ」でのキリオス
(Photo by Mark Brown/Getty Images)

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