元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が約1年ぶりにツアーに復帰することについて、女子選手たちが示した反応をWTA(女子プロテニス協会)公式ウェブサイトなど複数のメディアが紹介している。
昨年の「ウィンブルドン」1回戦でハムストリングを痛めて棄権して以来、ツアーから離脱していたセレナは、今年の「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場することが決まっている。その前にセレナは、世界ランキング3位のオンス・ジャバー(チュニジア)と組んで「WTA500 イーストボーン」(イギリス・イーストボーン/6月19日~6月25日/グラスコート)のダブルスにだけ出場する。
まだドローが発表されていない「ウィンブルドン」でセレナと対戦する可能性のある女子選手たちが、「ウィンブルドン」で7回の優勝、グランドスラム通算で23個のタイトルを誇る40歳のセレナが帰ってくることについて、それぞれの思いを語った。
「みんな驚いたと思うわ」と話すのは、2019年の「全豪オープン」でセレナに勝っている世界4位のパウラ・バドーサ(スペイン)。「でも、彼女が復帰してくれて嬉しい。今でも闘志があるところが本当に凄いと思うわ。彼女はテニス界にとって重要な存在だから、これからも長くプレーしてほしい」とコメントした一方で、「もちろん、私自身は彼女とは当たりたくないわ。別の選手が対戦することを願っている。誰だってセレナと、ましてやグラスコートで対戦したくないわよ。だから、(当たらないように)祈っていてね」と話している。
2021年の「ウィンブルドン」で準優勝を飾った30歳の世界7位カロリーナ・プリスコバ(チェコ)は、自身もこのオフシーズンに腕を骨折した経験から、セレナの復帰を楽観的に見ることはできないようだ。「プレーしていない期間としてはかなり長いわね。彼女ももう若くないし、大会や試合で戦えるレベルまで身体のコンディションを持っていくのには時間がかかるはず。練習とはかなり違うわ。もちろん彼女は素晴らしい選手で、たくさんの成功を収めてきた。選手の何人かは対戦することを恐れているでしょうね。それが彼女にとってアドバンテージだと思うけど、今のレベルがどれくらいかはわからないわね」
世界5位のマリア・サカーリ(ギリシャ)はセレナの復帰を素直に喜んでいる。「テニスが大好きな祖母の影響で、私はセレナやビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を見て育ったの。彼女が戻ってくることはテニス界にとってすごく良いことだし、大会が一段と面白くなりそうね。でも、誰も彼女とは対戦したくないはずよ。特に何試合か勝った後の彼女とはね。何といっても彼女はセレナ・ウイリアムズ。史上最強の女子アスリートよ」
「誰かが少しはイガを止めないとね」と話すジャバーは、セレナと世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が対戦するところが見たいそう。セレナからダブルスのペアに指名されたジャバーは「私がセレナと組むことになって、たくさんの選手に嫉妬されたわ。セレナは何があってもセレナで、これからもずっとレジェンドよ。彼女が復帰することになって、私がそこに関われるなんて信じられない。彼女はテニスに大きく貢献してきた人だから、私は彼女のすべてを尊敬しているわ。彼女から2%でもいいから学びたいと思っている」と述べた。
「今ではほかのダブルスの選手に、“グランドスラムタイトルを20個以上持ってないなら、もう一緒にダブルスをやろうなんて声をかけないでね”って冗談を言っているの」とも話すジャバーは、当初の予定を変更して「WTA500 イーストボーン」のシングルスを辞退し、セレナとのダブルスだけに専念するという。二人は初戦でダブルス世界48位のサラ・ソリベス トルモ(スペイン)と同32位のマリー・ブーズコバ(チェコ)のペアと対戦する。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2017年「全豪オープン」でのセレナ
(Photo by Scott Barbour/Getty Images)
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