今月下旬に開幕する今年3つ目のグランドスラム、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)のワイルドカード(主催者推薦枠)での出場選手が発表となった。「ウィンブルドン」公式ウェブサイトなど複数メディアが報じている。
今回の発表で最も注目を浴びたのは、元世界女王であるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の復帰だろう。昨年の「ウィンブルドン」1回戦でハムストリングを負傷し棄権して以来ツアーから離脱していたセレナは、無事出場を果たせばシングルスで1年ぶりにコートに戻ってくることになる。
また同日に、「ウィンブルドン」の前哨戦といわれる「WTA500 イーストボーン」(イギリス・イーストボーン/6月19日~6月25日/グラスコート)に、世界ランキング4位のオンス・ジャバー(チュニジア)とペアを組みダブルスに出場することも発表。「イーストボーンとグラスコートに戻れることにワクワクしているわ。このサーフェスではキャリアを通して良い成績を収めてきたの」と、「ウィンブルドン」で7度の優勝経験を持つセレナは語った。
そのほか女子では、「全豪オープン」と「全仏オープン」で2回戦進出の経験を持つケイティ・ブルター(イギリス)や、今年3月に国籍登録を日本からイギリスに変更した宮崎百合子(イギリス)らがワイルドカードを得ている。
男子では、グランドスラム3度優勝のスタン・ワウリンカ(スイス)が2019年大会以来に「ウィンブルドン」へ出場する。現在37歳のワウリンカは昨年に左足の手術を受け、長いリハビリ期間を経て今年の3月に復帰したばかり。「全仏オープン」にも出場したが、1回戦で敗れている。「ウィンブルドン」での最高成績は、2014年と2015年に記録したベスト8だが、「全豪オープン」「全仏オープン」「全米オープン」の3大会で優勝しているので、もし「ウィンブルドン」を制したらキャリアグランドスラム達成となる。
一方、グランドスラム本戦に初めて出場する選手も。先週「ATP250 セルトーヘンボス」でツアー初優勝を遂げた世界106位のティム・ファン レイトーフ(オランダ)は「ウィンブルドン」に向けてSNSでこう綴った。「もうすぐ最も権威のある大会“ウィンブルドン”のグラスコートにキスすることになる。お礼を言わなければいけない人はたくさんいるけど、特に“ウィンブルドン”が僕にワイルドカードを与えてくれたことには感謝したい。夢は叶う!」
そのほか男子では、「ウィンブルドン」で2回戦まで進出したことのあるリアム・ブローディ(イギリス)やジェイ・クラーク(イギリス)らが名を連ねている。
車いすの部では、男子シングルスで小田凱人(日本/東海理化)、女子シングルスでは大谷桃子(日本/かんぽ生命)がワイルドカードを獲得した。
ワイルドカードで出場が決まった選手は以下の通り。
(順位は6月13日時点の世界ランキング)
<男子シングルス>
1:リアム・ブローディ(イギリス)28歳、137位
2:ジェイ・クラーク(イギリス)23歳、156位
3:Alastair Gray(イギリス)23歳、284位
4:ポール・ジャブ(イギリス)22歳、227位
5:ライアン・ペニストン(イギリス)26歳、180位
6:ティム・ファン レイトーフ(オランダ)25歳、106位
7:スタン・ワウリンカ(スイス)37歳、290位
8:後日発表
<女子シングルス>
1:ケイティ・ブルター(イギリス)25歳、141位
2:ジョディ・バレージ(イギリス)23歳、216位
3:Sonay Kartal(イギリス)20歳、268位
4:宮崎百合子(イギリス)26歳、206位
5:ケイティ・スワン(イギリス)23歳、217位
6:セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)40歳、1208位
7:後日発表
8:後日発表
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「ウィンブルドン」でのセレナ
(Photo by Visionhaus/Corbis via Getty
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