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難病乗り越えた世界180位選手がルードに勝利[ATP500 ロンドン]

「ATP500 ロンドン」でのペニストン

初日に3人のシード選手が敗退した「ATP500 ロンドン」(イギリス・ロンドン/6月13日~6月19日/グラスコート)で、大会2日目にもサプライズが起きた。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。

「全仏オープン」での準優勝が記憶に新しい第1シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)が1回戦敗退に。彼を破ったのは、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場する世界ランキング180位のライアン・ペニストン(イギリス)。ペニストンは第1セットで開始早々から何度もブレークチャンスを作りながらも、モノにできないままタイブレークの末にセットを先取。第2セットでは第7ゲームでルードにブレークされたがすぐさま追いついて再びタイブレークに持ち込むと、ルードに2ポイントしか与えずに7-6(4)、7-6(2)で勝利を収めた。

26歳のペニストンはこれまでツアーでは前回大会で予選に出場したのみで、これが初の本戦出場だった。そこで世界5位の選手を下したことについて、以下のように語っている。「信じられない。夢を見ているみたいだ。昨日はあまりよく眠れなかったから、現実とは思えないよ。キャスパーはローランギャロスで素晴らしい結果を残したから、難しい試合になることはわかっていたんだ。それでもコートに立つ時には勝つチャンスはあると考えるようにしたけど、実現するとは思わなかったよ」

自国大会に出場したペニストンには序盤に緊張が見られたものの、左打ちから繰り出すワイドへのサーブやフォアハンドがルードを苦しめることになった。ペニストンはベースラインから強烈なショットを放ち、ネット前へも効果的に出ることでルードにリズムを作らせなかった。

ペニストンは実は1歳の時に悪性腫瘍が見つかり、手術で取り除いたという。「僕自身は幼かったから何も覚えていないんだけど、10年前くらいに興味を持って両親にその時のことを話してもらった。両親にとってはつらい経験だったはずだけど、僕はそのことを考えるとすごく力が湧いてくるんだ。同じようなつらい経験をしている子どもやその両親が僕の体験を聞くことで希望を見出してくれたら嬉しいね」

術後に化学療法を受けることで難病を乗り越えたペニストンだが、化学療法の影響で「14歳、15歳くらいの頃は背が低かった。友達に比べてかなり小さかったんだ」という。しかしそのことを冷静に受け止め、体格に頼らない形でテニスの腕を磨いたと説明する。「おかげでほかの選手はやっていなかったであろう技術を磨くことができたよ。コートでの動き方や手の使い方、戦術といった面でね」

記念すべき初勝利を手にしたペニストンは、「今夜はよく眠れると思うよ」と語っている。先日発表された「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)のワイルドカードにも名を連ねるペニストンの今後が楽しみだ。

同大会では、先週「ATP250 シュトゥットガルト」で優勝した第2シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)、元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス)らが2回戦進出。ルードのほかには、第5シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が予選勝者の世界121位サム・クエリー(アメリカ)に敗れている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ATP500 ロンドン」でのペニストン
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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