夢のような一週間が終わり、テニスの世界ランキング205位、25歳のティム・ファン ライトホフェン (オランダ)は、「ATP250 セルトーヘンボス」(オランダ・セルトーヘンボス/6月6日~6月12日/グラスコート)決勝で第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)をストレートで下してツアー初優勝を遂げた。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなど複数メディアが報じている。
ファン ライトホフェンはワイルドカード(主催者推薦枠)で大会に出場。ツアーレベルの本戦出場はわずか2大会目、1回戦で勝ったのがツアー初勝利で、決勝進出はもちろん初めてのことだった。だが自国の観客たちの声援を受けたファン ライトホフェンはプレッシャーに潰されることもなく、6-4、6-1で圧勝した。
「新しい経験だから、まだ慣れない。夢のような一週間だった。でも変わらず謙虚で、いつものようにふるまい続け、大げさに騒ぐことがなかったチームのみんなに感謝したい。そして皆さんに感謝したい」とファン ライトホフェンは試合後に観客に向かって言った。「みなさんの応援は素晴らしかった」
ファン ライトホフェンはこの大会で元世界39位のマシュー・エブデン(オーストラリア)、第3シードの世界14位テイラー・フリッツ(アメリカ)、世界66位ユーゴ・ガストン(フランス)、第2シードの世界9位フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、そしてメドベージェフに勝利。この大会でオランダ人選手が優勝したのは2003年のシェン・シャルケン(オランダ)以来19年ぶりだった。
決勝でファン ライトホフェンはメドベージェフのサーブにプレッシャーをかけ続け、第1セットの第10ゲームをブレークしてセットを先取すると、第2セットでは波に乗って2ゲームをブレークし5-0とリード。最後はラブゲームでキープして勝負を決め、今季ツアーレベルで最もランキングの低いチャンピオンとなった。
完敗のメドベージェフは「世界2位の選手に決勝でストレート勝ちしたんだから、想像もつかないくらい気持ちいいだろう。今日は素晴らしい試合だった、これからも頑張って。ジュニアの頃に対戦したけど、君は才能のある選手だった。だからあとは今日のような試合や大会を続けていけばいいだけだ」と1歳年下の相手を讃えた。
準優勝となったメドベージェフは、今シーズンまだ優勝はないが、1月の「全豪オープン」以来の決勝進出を果たした。ランキングでは世界1位だったノバク・ジョコビッチ(セルビア)が昨年の「全仏オープン」優勝で得た2000ポイントの失効により世界3位まで下がり、3位だったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が2位に、そしてメドベージェフは約3ヶ月ぶりに世界2位から1位に返り咲き。一方のファン ライトホフェンは一挙に99ランクアップし、世界106位となっている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP250 セルトーヘンボス」でツアー初優勝を遂げたファン ライトホフェン(左)と準優勝し世界王者に返り咲くメドベージェフ
(Photo by Joris Verwijst/BSR Agency/Getty Images)