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全仏で選手を困らせる鳩の存在。大会側の対策は?

2017年の「全仏オープン」でジョコビッチの試合中に飛来した鳩

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月22日~6月5日/クレーコート)で選手たちが攻略しなければならないのは対戦相手だけではない。晴天から雨に突然変わる天候や、相手を応援する熱狂的な観客、そして鳩だ。毎年選手を困らせる鳩たちは今年もコートに姿を現している。米スポーツメディア ESPNなど複数のメディアが報じた。

「全仏オープン」で試合を妨害する鳩の存在は幾度となく話題にのぼっている。今年の大会で早くもその被害を受けたのは世界ランキング46位のユーゴ・アンベール(フランス)だ。1回戦で世界61位のエミル・ルースブオリ(フィンランド)と対戦したアンベールは2-6、6-2、7-6(4)、4-6、2-6でこの試合を落としている。最終セットの第3ゲーム、デュースの場面でアンベールがフォアハンドを打とうとした瞬間に、鳩がアンベール側のコートに降りてきた。最終的にこのポイントを失ったアンベールは、鳩が邪魔をしたと主審に訴えるも、ポイントのやり直しは行われなかった。その直後にアンベールは主審に対して「ルールがどうなっているのか知りたい。コートに鳩がいる場合、プレーを続けてもいいのか?そのことについて詳しく説明してほしい」と食い下がっている。

ITF(国際テニス連盟)が定めた審判向けの手順書の中には「外的障害」という項目があり、「選手がプレー中またはサーブの体勢に入った際に、自分ではコントロールできないもの(ボールがコートに転がる、飛ばされた紙がコートに入ってくるなど)によって妨げられた場合、そのポイントはやり直しとするべき」と記載されており、鳩もこれに該当してもおかしくない。試合後にアンベールは第4セットの初めにも鳩に妨害されたことについて語った。「サーブ中にも目の前に鳩がいたから、試合を止めてくれるかと思って主審の方を見たんだ。こちらから試合を止めてくれとわざわざ言うつもりはなかった。なんで止めてくれなかったのか腑に落ちない」

大会関係者は鳩が試合中にもたらす脅威を十分に承知しているはずだ。「全仏オープン」ではこの10年間、観客が入場する前に鷹匠がハヤブサや鷹を連れてきて、敷地内の上空を飛行させて鳩を追い払っている。鷹匠の一人は以前に「私たちは鳩を殺さずに追い払いたい。だけど、鳩は頭が悪くて、何度追い払ってもまた戻ってくるから、私たちは大会が終わるまで残っていないといけない」と説明していた。

アンベールの時ほど試合に影響はなかったものの、第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)と世界82位のジョーダン・トンプソン(オーストラリア)が対戦した別の1回戦でも、サーブの前に鳩がネットの上に止まるということがあった。

鳩たちはこれまでにも「全仏オープン」で数々のエピソードを残している。2015年の大会では試合中に鳩が自動判定機「ホークアイ」のカメラに突っ込み、そのまま死んでしまうという事件があった。その試合で勝利を挙げたリシャール・ガスケ(フランス)は当時、「羽がそこら中に散らばっていて酷かった。気の毒な死に方だったよ」と話している。

2015年の女子の試合でも、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)のサーブに向けて構えていたスローン・スティーブンス(アメリカ)の目の前に鳩が突然降り立ち、スティーブンスが悲鳴を上げる場面があった。試合後にスティーブンスは「最初はなんだかわからなかったわ。実際よりももっと近くにいたような気がしたから、あんなに大きな声を出してしまったの」と説明している。さらに2019年には、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)と対戦していたマリー・ブーズコバ(チェコ)がフォアハンドを打とうとしたところ、突然2羽の鳩に襲われてペースを乱している。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2017年の「全仏オープン」でジョコビッチの試合中に飛来した鳩
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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