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ジョコビッチ「オーストラリアに恨みは抱いていない」

今年1月、オーストラリアでの再審のため勾留されているホテルを出たジョコビッチ

世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、今年1月にオーストラリアからの国外退去に至った一連の騒動について、同国に恨みはないとし、来年も「全豪オープン」に出場したい意向を示した。米スポーツメディア ESPNが報じている。

「全豪オープン」に出場するため、1月5日にメルボルン空港に到着したジョコビッチは、新型コロナウイルスのワクチン接種を打っていないことで入国ビザが取り消された。ジョコビッチは弁護団を通して、昨年12月16日に新型コロナに感染したため、6ヶ月以内に感染していればワクチンは打たなくてもいいというオーストラリアテニス協会(TA)から事前に伝えられていた条件に合致していると主張。一方のオーストラリア政府側がコロナ感染はワクチン接種の免除対象にはならないとして、審議は法廷に持ち込まれることに。その間、ジョコビッチは難民用のホテルに収容され、監禁も同然の扱いを受けた。事態が二転三転した結果、「全豪オープン」優勝9回を誇るジョコビッチは、オーストラリアを後にしている。

一連の混乱で想像以上に感情的、精神的なダメージを受けたと、のちになって明かしていたジョコビッチは、それを乗り越え、5月上旬の「ATP1000 ローマ」でシーズン初のタイトルを獲得。現在は第1シードとして「全仏オープン」(フランス・パリ/5月22日~6月5日/クレーコート)に出場している。ジョコビッチは3回戦後にオーストラリアの強制出国について今の心境をこう語った。「オーストラリアに恨みは抱いていない。あれはあれで受け入れるしかないさ。もし、またオーストラリアに行って、グランドスラムの中でもキャリアで最大の成功を収めた場所でプレーする機会があれば、ぜひ戻りたいと思っている。どうなるかはわからないけどね」

当時、ジョコビッチは強制出国となったことで今後3年間はオーストラリアに入国できない可能性があると報じられていた。だが、当時その時に政権を握っていた与党の保守連合を率いるスコット・モリソン首相は5月の総選挙で労働党に敗れ、オーストラリアでは9年ぶりに政権が交代している。そのことと自身のビザについて聞かれたジョコビッチは、「政権が変わったことは聞いているけど、それで僕のビザが復活するのかや、オーストラリアに入国できるのかはわからない」と答えている。

また、ジョコビッチが滞在したホテルに収容されていた20人の難民が4月に解放されたことを初めて知ったジョコビッチは喜びを語った。「それは嬉しい。特に9年間もそこにいた人たちにとっては、とても大変なことだったというのはよくわかるよ。僕は一週間しかいなかったから、彼らが9年間どんな気持ちだったかなんて想像もつかない。彼らは何も悪いことをしていないのに、亡命者として9年間も収容されることになった。その状況はまったく理解できなかったけど、僕が滞在したことで、ポジティブな形で彼らが注目してもらえたなら、それ以上のことはない。彼らは新しい国で再スタートを切るチャンスを得られたんだからね」

ジョコビッチは24歳のメフディ・アリ(イランにいる家族を守るための仮名)がメルボルンで9年間拘留され、世界的に有名になった話に言及した。「そのうちの何人がオーストラリアに残ったかはわからないけど、アリだっけ?彼がアメリカに行ったのは知っている。写真を見たよ。彼が幸せであること、自由に生きることができていることがとても嬉しかった。僕たちは自由を過小評価している。実際にそのような生活をしてみて、どんな状況なのかを知るまでは、誰かに自由を奪われることがどんな感じなのか、本当のところはわからないんだ」

ジョコビッチは「全仏オープン」の準々決勝でラファエル・ナダル(スペイン)と今季初めての対戦を迎える。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は今年1月、オーストラリアでの再審のため勾留されているホテルを出たジョコビッチ
(Photo by Diego Fedele/Getty Images)

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