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ナブラチロワが全仏に出場する5人の元チャンピオンを分析

2020年「全仏オープン」で優勝したシフィオンテク

今年の「全仏オープン」(フランス・パリ/5月22日~6月5日/クレーコート)に出場する元チャンピオンの女子選手たちについて、自身も同大会で2つのシングルスタイトルを獲得しているマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)が独自の分析を行った。WTA(女子テニス協会)公式ウェブサイトが報じている。

プロテニスの楽しみのひとつは、良くも悪くも急変する選手たちの勢力図と言える。今から1年前、世界ランキング2位のバーボラ・クレイチコバ(チェコ)は「WTA250 ストラスブール」と「全仏オープン」で12連勝をあげ、「全仏オープン」ではシングルスとダブルスの両方で優勝しているが、現在は肘の怪我で3ヶ月近くツアーを離れている。一方、昨年に初めてトップ10入りを果たした世界1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、現在28連勝を記録しており、アシュリー・バーティ(オーストラリア)の引退を受けて手に入れた世界女王の名に恥じない活躍を見せている。

2019年の「全仏オープン」で優勝したバーティが現在ゴルフの腕を磨いており、3度の優勝を誇るセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)もまだツアーに戻って来ていない中、「全仏オープン」優勝経験がある女子の現役選手で今年の大会にも出場するのは5人。中でも元世界女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)とシフィオンテクを優勝候補に挙げたレジェンドのナブラチロワが、各選手に対して自身の見解を示した。

■イガ・シフィオンテク(ポーランド)
世界ランキング:1位
「全仏オープン」優勝:2020年
全仏前のシーズン戦績:37勝3敗、獲得タイトル数:5

通算獲得タイトルは8つだが、ここ3ヶ月で「WTA1000 ドーハ」WTA1000 インディアンウェルズ」「WTA1000 マイアミ」「WTA500 シュトゥットガルト」「WTA1000 ローマ」の5大会を立て続けに制覇。最初の3タイトルはハードコートで獲得したが、クレーコートになってもその強さは変わらず、大会前の時点で28連勝中。今月末にようやく21歳になるほど若い選手であることを忘れてしまいそうな勢いだ。

ナブラチロワのコメント:「今、彼女以上にホットな選手はいないわ。健康を維持しながら素晴らしいプレーを続けている。フレッシュな若さがありながら、タフでもあるわね。彼女はどんなサーフェスでも戦えて、特に今のクレーコートでは無敵に見えるわ。昨年の“全仏オープン”が大混戦だったのに対して、今年は彼女が大本命といったところね。彼女はどう見てもプレッシャーに悩まされているように見えないわ。むしろ、そのプレッシャーを受け入れているような感じがする。自分が優勝候補であるとわかっていながら勝ち続けている姿は、見ていて気持ちがいいわ」

■バーボラ・クレイチコバ(チェコ)
世界ランキング:2位
「全仏オープン」優勝:2021年
全仏前のシーズン戦績:9勝4敗、獲得タイトル数:0

昨年の「全仏オープン」優勝で一気に順位を上げて「WTAファイナルズ」初出場を果たしたのに続き、今年は「WTA500 シドニー」の決勝で当時世界5位のパウラ・バドーサ(スペイン)に最終セットのタイブレークで敗れて準優勝と、順調なスタートを切っていた。「全豪オープン」ではシングルスで準々決勝に進出し、ダブルス世界1位のカテリーナ・シニアコバ(チェコ)と組んだダブルスでは優勝。だが、その後のクレイチコバは「WTA500 ドバイ」と「WTA1000 ドーハ」で合わせて2勝2敗に留まり、肘の負傷により離脱。「全仏オープン」のディフェンディングチャンピオンは今大会で約3ヶ月ぶりのプレーに臨む予定だ。

ナブラチロワのコメント:「昨年後半にいい活躍を見せていたけど、その頃に気になりだした肘の痛みが悪化してしまったようね。彼女にとっては本当に悔しいことだと思うわ。きっと今の彼女はタイトルを守るよりもただプレーしたいだけよ」

■ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)
世界ランキング:10位
「全仏オープン」優勝:2016年
全仏前のシーズン戦績:7勝8敗、獲得タイトル数:0

昨年11月の「WTAファイナルズ」で優勝したムグルッサの勢いは、今年に入ってから失速しているように見える。今シーズンの連勝は一度だけで、「WTA1000 マイアミ」「WTA500チャールストン」「ビリー・ジーン・キング・カップ」は左肩の負傷で欠場。クレーコートでの実戦が少なかった28歳のムグルッサは、全仏元女王の中で唯一、直前の「WTA250ラバト」に出場したものの、2回戦で敗退している。

ナブラチロワのコメント:「彼女はプレー中、時々リラックスしているように見えるけど、たいていの場合はそうじゃないわ。(コーチの)コンチータ・マルティネスはかつて彼女をリラックスさせることができていた。(2017年の)“ウィンブルドン”で優勝した時のガルビネは歩き方さえ違っていたわ。自分は優勝にふさわしい選手だという自信のあるオーラを放っていた。でも今は攻撃的なプレーをしている時でさえ、守りに入っているように見えるの。彼女は明らかにこの状況に満足していないわ。“WTAファイナルズ”で優勝した後、私はこれで彼女が奮起できると思っていたのだけど」

■エレナ・オスタペンコ(ラトビア)
世界ランキング:13位
「全仏オープン」優勝:2017年
全仏前のシーズン戦績:14勝8敗、獲得タイトル数:1

オスタペンコは2月に「WTA500 ドバイ」で優勝し、「WTA1000 ドーハ」では準決勝に進んだが、そこで当時世界4位のアネット・コンタベイト(エストニア)に敗れている。以降は「WTA1000 インディアンウェルズ」「WTA1000 マイアミ」「WTA1000 マドリード」「WTA1000 ローマ」で初戦敗退を繰り返した。4月に2018年以降では最も高い世界11位にまでランキングを上げた24歳のオスタペンコは、シフィオンテクに次ぐ現役最年少の元チャンピオンとなる。

ナブラチロワのコメント:「個人的には、サーブが足を引っ張っていると思うわ。彼女がサーブに取り組んでいることは知っているけど、それでもまだ強みというよりは弱みね。サーブでポイントを稼げない分、ポイントを取るのに苦労することが増えるわ。彼女はまだ不安定だけど、今年は良くなってきているから、甘く見ることはできない。彼女はローランギャロスのレッドクレーが大好きだから、ショットの成功率も高くなるはずよ」

■シモナ・ハレプ(ルーマニア)
世界ランキング:19位
「全仏オープン」優勝:2018年
全仏前のシーズン戦績:19勝6敗、獲得タイトル数:1

2021年は怪我に悩まされ続けたシーズンとなったが、30歳のハレプは見事に復活を遂げた。「WTA250 メルボルン1」で優勝し、「全豪オープン」では4回戦に進出。「WTA500 ドバイ」と「WTA1000 インディアンウェルズ」でベスト4入りしている。4月にセレナの長年のコーチであるパトリック・ムラトグルーをチームに迎え入れたことで活力を得たのかもしれない。

ナブラチロワのコメント:「彼女はコート上で以前よりも楽しそうに見えるし、いいテニスをしていると思うわ。パリでの優勝経験があるから自信もあるだろうし、クレーは彼女の得意とするサーフェスでもある。ムラトグルーが指導することで、彼女は新鮮な見方を得ることができたみたいね。コーチを新しくした時の選手は大抵、相手に自分の実力を見てもらいたいと思う分、プレーも良くなるものよ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2020年「全仏オープン」で優勝したシフィオンテク
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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