「全仏オープン」(フランス・パリ/5月22日~6月5日/クレーコート)の大会ディレクターを務める元世界女王のアメリー・モレスモー(フランス)が、ロシアとベラルーシの選手の出場について語った。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、「ウィンブルドン」を運営するAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)とLTA(イギリステニス協会)が、ロシアと同盟国のベラルーシの選手を出場させないことを発表し、両国の選手だけでなく、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やアンディ・マレー(イギリス)をはじめとする他国の選手やATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)から反発の声があがっている。これに対して「全仏オープン」の運営団体は、国籍を表に出さないことを条件に両国の選手の出場を認めており、侵攻が始まった当初にテニス界が導入した措置を継続するに留まる。
「全仏オープン」初の女性ディレクターとして初めての大会を迎えるモレスモーはこの問題に触れ、大会中にロシアのウラジーミル・プーチン大統領を支持するような発言をした選手には処分が下される可能性があると発言している。ただし、具体的にどのような対応がなされるのかは説明していない。
「私たちは熟考を重ねてきましたが、状況はとても複雑で、どのような選択をしても全員にとって公正な判断にはならないと考えています。私たちはヨーロッパのスポーツ大臣が決めたことに沿って、チームとしてではなく、個人としてロシアとベラルーシの選手を歓迎することにしました。もし、選手が記者会見などでプーチン大統領を支持するような発言をすれば、間違いなく制裁を受けることになるでしょう」
就任当初から大会の運営を改善することに意欲を示していたモレスモーは、チケットは既に定員の90%から95%が販売済みで、満席になることを確信していると述べた。昨年は新型コロナウイルスの影響で収容人数やナイトセッションの時間が制限されていたのに対して、今年はチケットの売れ行きだけでも「大成功」だと自信を見せている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全仏オープン」のセンターコート
(Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency/Getty Images)