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ジョコビッチ、収監された元コーチのベッカーについて語る

2019年ローレウス賞授賞式会場でのジョコビッチとベッカー(左より)

破産宣告されながらも、金融資産や不動産を隠し持っていたとして、2年6ヶ月の懲役刑を言い渡された元世界王者のボリス・ベッカー(ドイツ)。彼について、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やアンディ・マレー(イギリス)がコメントした。英スポーツメディア Sky Sportsなど複数のメディアが報じている。

拠点を置くイギリスの法廷から2017年に破産宣告を受けたベッカーは、借金の支払いを免れるために250万ポンド(約4億500万円)相当の資産と負債を故意に隠したとして、先日、陪審員裁判により有罪となった。現在54歳のベッカーは、1985年に17歳の若さで「ウィンブルドン」を制覇して一躍スター選手となり、16年間にわたる現役生活の中でグランドスラム優勝6回を含む49回のツアー優勝を果たした。引退後は英BBCのコメンテーターとして活躍したほか、2014年から2016年にかけてジョコビッチのコーチを務めており、その間にジョコビッチは初となる「全仏オープン」を含む6つのグランドスラムと14のマスターズ1000大会のタイトルを獲得した。第1シードとして出場する「ATP1000 マドリード」(スペイン・マドリード/5月1日~5月8日/クレーコート)を前に、ジョコビッチは恩師の実刑についてコメントしている。

「僕はそのような立場にないから判決の詳細については触れないけど、友人として彼のことを思うと胸が痛む。それ以上に言えることは何もない。彼は僕にとって長年の友人であり、3、4年の間はコーチとしてもお世話になった。僕の人生の中では親しいと思える人で、キャリアにおける成功に大いに貢献してくれた」

「彼が刑期を乗り切り、出てきた時には自分の人生を送れるようになることを願っている。普通の人生という言葉が合っているかはわからない。刑務所に入る人、特にこれほど長い期間入る人の人生が変わってしまうのは間違いないから。彼の人生がこれからどうなるかわからないけど、彼のために祈っている。健康面、特に最も難しい部分とも言えるメンタルヘルスの部分で乗り越えられるよう願っているよ」

対するマレーは、ベッカーは当然の報いを受けたと冷静に述べた。「(懲役刑のことを知って)特に感情的になることはなかった。彼は法律を破ったわけで、そんなことをすれば誰であろうと、何を成し遂げていようと、特別扱いされるべきではない。彼がこういう状況にあることはすごく残念に思うし、彼の決断によって影響を受けた人々や、その人たちに起きたことも気の毒だと思う。彼が無事であること、そして自分の過ちから学ぶことを願っているよ。とにかく僕は今回のことについて特別な感情を抱いてはいない」

かつて国民的英雄と称されたベッカーの母国ドイツでは、衝撃と失望が広がっている。独Die Welt紙のロンドン特派員によれば、ウィンブルドンカラーの紫と緑のネクタイをしたベッカーは刑務所に到着すると、「最後に抱擁を交わしたり慰められたりする機会もないまま、建物の中に連れ込まれた」という。各紙は、週に一度しか面会が許されていないことや、食事のまずさなど、これからベッカーが2年半を過ごすワンズワース刑務所の劣悪な環境をこぞって報じている。だが、ドイツ国内では自業自得だとするベッカーに同情する声はほとんどないとのことだ。

一方、ドイツのテニス連盟は「私たちはこの判決を尊重し、遺憾に思うと同時に、彼の幸運を願っている」と述べている。また、別居中の妻リリー・ベッカーは、「2002年にドイツで脱税の罪に問われた時は執行猶予付きの判決だったから、今回の判決の厳しさに驚いている」とコメント。リリーは自分や彼の子どもたち、最初の妻バーバラ、そして現在の恋人が「みんなボリスを応援している」ことを強調した。先日の「ATP250 ミュンヘン」でベスト4入りを果たした世界ランキング53位のオスカー・オッテ(ドイツ)は、ベッカーの有罪判決を悲しむとともに、「彼はドイツにおけるテニス界のレジェンドで、今のドイツのテニスは彼の功績によって生まれた」と語っている。

※為替レートは2022年5月5日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は、2019年ローレウス賞授賞式会場でのジョコビッチとベッカー(左より)
(Photo by Alexander Hassenstein/Getty Images for Laureus)

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