2017年に破産宣告されながらも、金融資産や不動産を隠し持っていたとして、陪審員裁判により有罪となった元世界王者のボリス・ベッカー(ドイツ)。彼が2年6ヶ月の懲役刑を言い渡された。英BBCなど複数のメディアが報じている。
現在54歳のベッカーは、1985年に17歳の若さで「ウィンブルドン」を制覇して一躍スター選手に。16年間にわたる現役生活の中でグランドスラム優勝6回を含む49回のツアー優勝を果たした。しかし贅沢な暮らしを送り、事業や結婚に失敗したことで膨大な借金を抱えるように。不動産購入のために5億円以上を借り入れようとしたところ、2017年にイギリスの法廷から破産宣告を受けたが、ドイツにある不動産の申告を怠ったといった4つの罪状で有罪判決を下されていた。
金銭の管理を含め、現役時代からコート外のことはすべて人任せにしていたため、自分の名義で作られた口座がどれだけあるかも把握していないとして無実を訴えていたベッカー。彼の弁護士は、ベッカーはすでにこの裁判により大きなイメージダウンを被っているのだから、さらなる処分は酷だと主張していた。
しかし判事は、ベッカーが罪を犯したという意識もなければ反省もしていないと批判。最大で7年の実刑判決が言い渡される可能性があるとされる中、2年6ヶ月の懲役刑を下された。
ベッカーは4月上旬に有罪判決を言い渡された後、条件付きで保釈となっていた。その2週間あまりの間にベッカーは恋人と時間を過ごすほか、元妻や12歳の息子と会っていたことなどが報じられている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は4月29日、裁判所に向かうベッカー
(Photo by Wiktor Szymanowicz/Anadolu Agency via Getty Images)