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1ヶ月弱で3件…増えている選手たちの突発的な途中棄権

「WTA1000 インディアンウェルズ」で涙にくれるアザレンカ

今年3月から4月にかけての1ヶ月弱で選手が試合の途中で突然棄権するケースが3件発生しており、話題となっている。米テニスメディア Tennis.comが報じた。

「ATP1000 モンテカルロ」の2回戦で、第13シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦した世界ランキング36位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)が第3セットの途中で棄権したことは先日お伝えした通り。ブブリクはコートチェンジの前にカレーニョ ブスタへと歩み寄り、握手を交わして突然試合を終了させた。その後ATP(男子プロテニス協会)の広報担当者が棄権は右肩の負傷によるものだったと発表したが、ブブリクは棄権する前にメディカルスタッフを一度も呼ばず、主審へも相談していないなど怪我の兆候が見られなかったため、競った試合がいきなり終わってしまったことに対して観客からは落胆と混乱のどよめきがあがっていた。

このような突然の棄権はここ最近、立て続けに起きており、先月の「WTA1000 インディアンウェルズ」では当時世界43位のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)が第18シードのレイラ・フェルナンデス(カナダ)と対戦した2回戦で、第2セットを落とした直後にブブリクと似たような形で棄権している。その際、アニシモワは気分が悪いとだけ訴え、メディカルスタッフに診てもらうまで待つよう何度も声をかける主審を無視して、泣きながらコートを去ってしまった。アニシモワは棄権する前に4回のマッチポイントを逃しており、SNS上では精神的な弱さが批判されることに。その数時間後、アニシモワは数日前から体調が悪かったとTwitterで明かしている。

さらに、その直後に開催された「WTA1000 マイアミ」では第12シードとして出場していたビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)が、16歳で当時世界279位のリンダ・フルビルトバ(チェコ)と3回戦で対戦した際、第1セットを2-6で取られ、第2セットでも主導権を握られて0-3とリードされている場面で棄権した。試合序盤から苛立ちを露にし、プレーが乱れていたアザレンカはのちに声明でこう説明する。

「今日はコートに出るべきじゃなかった。ここ数週間、私生活でとてもストレスの多い日々を過ごしてきたの。でも、前の試合では観客が後押ししてくれたおかげで乗り切ることができたから、また素晴らしい観客の前でプレーしたかった。コートに出て挑戦してみたかったんだけど、間違った判断だったわ」

アザレンカはその前の「WTA1000 インディアンウェルズ」でも、第17シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)との3回戦で突然コートの上で泣き崩れたが、この時は休憩を挟んでなんとか最後まで戦い抜いた。

これら3つの棄権に共通しているのは、事前にメディカルスタッフの要請がなかったことで、これは試合を棄権するにあたって基本的な手順とされている。WTAとATPのルールブックには「ベストエフォート(最善の努力をする)」という条項があり、これは試合にわざと負けることを抑制し、試合の健全性を守ることを目的としている。しかしながら、選手のメンタルヘルスが叫ばれる中、明らかに身体的、精神的に不調な選手に試合を続行させるかは難しい問題だ。まずは選手、オフィシャル、ツアー運営者、そしてメディアの間で良好なコミュニケーションを取ることによって、少しでも事態が改善されることを期待したい。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「WTA1000 インディアンウェルズ」で涙にくれるアザレンカ
(Photo by John Cordes/Icon Sportswire via Getty Images)

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