現地17日に「ATP1000 モンテカルロ」(モナコ・モンテカルロ/4月10日~4月17日/クレーコート)シングルス決勝が行われ、前回王者で第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)と世界ランキング46位のアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)が対戦。チチパスが6-3、7-6(3)のストレート勝利で連覇を果たした。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。
第1セット第3ゲームで先にブレークしたのはダビドビッチ フォキナだったが、直後にチチパスが相手のダブルフォールトなどからチャンスを作り、最後はパッシングショットを決めてブレークバック。チチパスは第8ゲームでもラリーを制して5-3とし、続くサービング・フォー・ザ・セットをラブゲームでキープした。第2セットでも、ドロップショットがネットを越えないなどアンフォーストエラーの続くダビドビッチ フォキナが最初のサービスゲームを落とす。それでも、ツアー初優勝が懸かる22歳のダビドビッチ フォキナは第4ゲームで打ち合いを制してブレークバック。しかし4-4で迎えた第9ゲーム、3本ショットミスの続いたダビドビッチ フォキナが15-40のピンチ。一旦はデュースとしたものの、最終的にこのゲームを失った。チチパスのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲーム、粘るダビドビッチ フォキナはブレークポイントをスマッシュで決めて5-5。そのままタイブレークに突入する。だがダビドビッチ フォキナはここでも1-2からミスショットが重なり、チチパスが1-5とリード。最後はチチパスがラリーを制し、連覇を達成した。
オープン化以降にモンテカルロ大会で連覇を果たしたのはチチパスで6人目。過去にはイリー・ナスターゼ(ルーマニア)、ビヨン・ボルグ(スウェーデン)、トーマス・ムスター(ドイツ)、フアン カルロス・フェレロ(スペイン)、ラファエル・ナダル(スペイン)がその偉業を達成している。
「自分を誇りに思うよ。うまくいかない時もあったけど、自分を信じ続けて、冷静さを失わずに試合を終わらせることができた」と試合後に語ったチチパスは、この優勝で一皮むけたようだ。もともと完璧主義者のチチパスは美しく勝つことにこだわり過ぎていると識者などから言われていたが、この大会中は何度もボールに飛びついてはコートの赤土にまみれ、泥臭いプレーを披露した。「綺麗なウィナーをあまり決められず、美しいテニスにはほど遠かったけど、すべてのポイントでハードワークして限界を越えようとした」と本人は振り返る。
これでチチパスは8度目の優勝。そのうち半分の4タイトルがクレーで得たものだ。「僕にはほかのサーフェスよりもやりやすいサーフェスがあるのはみんなも知っての通りだよ。目標は、ほかのサーフェスでももう少し集中できるようになりポイントを積み重ねること。そうすれば、シーズンの終わりにはトップ2で終えられるかもしれない」と、キャリアハイ(世界3位)を更新する意欲も見せている。
一方のダブルス決勝では、第1シードのラジーブ・ラム(アメリカ)/ジョー・ソールズベリー(イギリス)ペアと第6シードのフアン セバスチャン・カバル(コロンビア)/ロベルト・ファラ(コロンビア)ペアが対戦。ラム/ソールズベリー組が6-4、3-6、[10-7]で勝利し、世界1位と2位のペアとなって初めて出場した大会で6つ目のタイトルを手にした。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 モンテカルロ」トロフィーを嬉しそうに抱えるチチパス
(Photo by Julian Finney/Getty Images)