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クライシュテルスが3度目の現役引退「すべてを出し尽くした」

娘とともに2009年の「全米オープン」優勝を祝うクライシュテルス

2020年に現役復帰を果たした元世界女王のキム・クライシュテルス(ベルギー)が、3度目の引退を発表した。WTA(女子プロテニス協会)公式ウェブサイトなど複数のメディアが報じている。

38歳のクライシュテルスは、杉山愛(日本)とペアを組んで2003年の「全仏オープン」でダブルスを制し、20歳の誕生日にグランドスラム初優勝。二人は同年の「ウィンブルドン」も制覇した。そんなクライシュテルスがシングルスとして初めてグランドスラムタイトルを手にしたのは2005年の「全米オープン」。そして2007年の5月、結婚を機にクライシュテルスは23歳で1回目の引退を決意する。

その後、母となったクライシュテルスは2009年に現役復帰。2年のブランクがあるにもかかわらず、シンシナティとトロントの大会で5勝2敗の戦績を残すと、復帰後3大会目の「全米オープン」で優勝を果たした。セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)というトップ10選手たちを次々と破ったこの時の「全米オープン」はキャリアで最も感動的だったと本人は振り返っている。

ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2010年の「全米オープン」で連覇を達成し、2011年の「全豪オープン」でも優勝。2回の現役生活を通して41個のタイトルを獲得、20週にわたって世界1位の座についていた。

クライシュテルスは2012年に2度目の引退生活を迎えるも、それから7年あまりが経ち、3児の母となった元世界女王の闘志に再び火がつく。だが不運にも、現役復帰した2020年に新型コロナウイルスが大流行し、大会出場のための渡航が困難に。さらに膝の怪我が重なり、3度目の現役復帰でクライシュテルスがプレーしたのはわずか5試合。いずれも勝利を挙げることはできなかった。最後の公式戦となった昨年10月の「WTA1000 インディアンウェルズ」では、1回戦でフルセットの末に当時世界ランキング53位のカテリーナ・シニアコバ(チェコ)に敗れている。

通算523勝132敗(勝率80%)を誇るクライシュテルスは、今回の引退が最後となり、後悔はまったくないと断言した。「私はキャリアで決断を下す時はいつも、長い目で見てキャリアにプラスになるかを考えるのではなく、その時々にどう感じるかを基準にしてきたわ。今はすべてがうまくいってとても満足している」とクライシュテルスは話し、亡き父との約束通り、コート上で「すべてを出し尽くした」という。Instagramに夫と3人の子どもたちとの写真を投稿して引退を報告し、「次の冒険が楽しみ」とコメントしている。

今後については「何をするにしても、テニスへの情熱は決して消えることはないわ。テニスから多くのものを得たから、そのお返しをしたいという気持ちがとても大きいの。だから、次のステップではそれがどこまでできるかね」と語るクライシュテルス。ただ、今はまだ家族を優先したいそうで、コーチになってほしいという現役選手からの申し入れをいくつか断ったという。

2017年にテニスの殿堂入りを果たし、母国のベルギーでテニスアカデミーを運営した経験もあるクライシュテルスは、今後の選択肢に事欠かないだろう。先日には家族とともに暮らすニュージャージー州にある大学の女子テニス部を訪れ、選手たちと一緒にプレーしたり、質問に答えたりしていたという。解説者を務めたり、レジェンドマッチに出場するためにグランドスラムを再び訪れることもあるはずだ。彼女がどんな形でテニスに恩返しをするのか、楽しみだ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は、娘とともに2009年の「全米オープン」優勝を祝うクライシュテルス
(Photo by Al Bello/Getty Images)

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