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シフィオンテク、グラフら「サンシャイン・ダブル」を達成した4人の女子選手たち

1988年「ソウルオリンピック」でのグラフ

イガ・シフィオンテク(ポーランド)は先日の「WTA1000 マイアミ」の決勝で、グランドスラムで4度の優勝経験のある大坂なおみ(日本/フリー)を6-4、6-0で下した。この勝利により、シフィオンテクは「WTA1000 インディアンウェルズ」と「WTA1000 マイアミ」で連続優勝を果たしたWTA史上4人目の女子選手となった。この2大会で連続優勝することは、一般に「サンシャイン・ダブル」と呼ばれている。

この2大会の全く異なる天候とコートのコンディションは、サンシャイン・ダブルの達成を困難にしている。このため、これを成し遂げた選手はテニス史上11人しかいない。この希少な偉業を達成した4人の女子選手を、スポーツウェブメディアSportskeedaが紹介している。

1. シュテフィ・グラフ
シュテフィ・グラフ(ドイツ)は1994年にサンシャイン・ダブルを達成し、女子で初めてこの偉業を完遂した選手となった。グラフは2年後の1996年にも再びこれを成し遂げ、女子で唯一、サンシャイン・ダブルを2度達成した選手となっている。

1994年のインディアンウェルズ大会に第1シードで出場したグラフは、圧倒的な強さを見せた。決勝に至るまでにわずか12ゲームしか落とさず、決勝ではアマンダ・クッツァー(南アフリカ)を6-0、6-4で打ち負かした。グラフはこの勢いのままマイアミに乗り込み、伊達公子(日本)やリンゼイ・ダベンポート(アメリカ)らを退けた末に、決勝ではお馴染みのライバルであったナターシャ・ズべレワ(ベラルーシ)と対戦した。

決勝では、ズベレワがグラフの20セット連取の記録を止めたものの、最終的に4-6、6-1、6-2でグラフに屈した。こうして、当時24歳であったグラフはキャリア95個目のタイトルを獲得した。

1996年のグラフのインディアンウェルズでのタイトルは、10代の天才ダベンポートや第2シードのコンチタ・マルチネス(スペイン)らとの激戦を経て手にしたものだ。グラフはその後マイアミでも優勝トロフィーを手にしたが、この大会では1セットも失わなかった。決勝では、第6シードのチャンダ・ルビン(アメリカ)を6-1、6-3で破った。

2.キム・クライシュテルス
2005年にキム・クライシュテルス(ベルギー)がサンシャイン・ダブルを達成し、グラフの後に続いた。クライシュテルスは、手首の怪我に起因する1年におよぶ離脱の後、ツアーに復帰していた。クライシュテルスはインディアンウェルズ大会にノーシードで出場したが、4人のシード選手を次々に倒し、決勝に至るまでにわずか1セットしか落とさなかった。

世界ランキング1位のダベンポートとの16度目の対戦となった決勝で、クライシュテルスは6-4、4-6、6-2で勝利し、キャリアを通してインディアンウェルズで獲得した2つのタイトルの1つ目を手にした。

マイアミ大会で、当時22歳であったクライシュテルスは決勝までに5人のシード選手に圧勝。クライシュテルスが破った相手には、準決勝で対戦した第1シードのアメリー・モレスモー(フランス)も含まれる。

クライシュテルスは決勝でも素晴らしい好調を維持し、第2シードのマリア・シャラポワ(ロシア)を6-3、7-5で破った。グランドスラムで4度の優勝を果たしたクライシュテルスは、マイアミでキャリア23個目のタイトルを獲得し、これによって世界ランキング20位内に返り咲くこととなった。

3.ビクトリア・アザレンカ
2016年のインディアンウェルズ大会に、優勝経験者のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は第13シードで出場した。決勝に至るまでの過程で、アザレンカは自身と同じくグランドスラムで優勝経験のあるサマンサ・ストーサー(オーストラリア)や、後に世界ランキング1位となるカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を破った。

決勝は、長年のライバルであるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)との21度目の対戦となった。直前の5試合ではセレナが勝利していたが、この時は6-4、6-4でアザレンカが勝利。アザレンカがセレナに勝ったのは、それが4度目であった。

マイアミでは、アザレンカはガルビネ・ムグルッサ(スペイン)や2016年の「全豪オープン」覇者であるアンジェリック・ケルバー(ドイツ)らを下して決勝に勝ち進んだ。タイトルをかけた決勝で、アザレンカはスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)を6-3、6-2で撃破し、セット連取記録を15に伸ばした。これによりアザレンカはキャリア20個目のタイトルを勝ち取り、世界ランキング5位に浮上した。

4.イガ・シフィオンテク
この錚々たる選手たちに新たに仲間入りを果たしたシフィオンテクは2月の「WTA1000 ドーハ」でも優勝しており、シーズン開幕からの3つのWTA1000大会を総なめにした初めての選手となった。

第3シードで出場した「WTA1000 インディアンウェルズ」では、自身と同じくグランドスラム優勝経験のあるケルバーやシモナ・ハレプ(ルーマニア)を破り、決勝では第6シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)を6-4、6-1で下した。

そして世界女王だったアシュリー・バーティ(オーストラリア)が突然に現役引退を表明。これによってシフィオンテクは、世界ランキングの頂点にすぐにでも手が届く状態となった。マイアミでの非の打ち所がない勝ち上がりによって、シフィオンテクは20歳にしてポーランド人選手初の世界ランキング1位の座に上り詰めた。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は1988年「ソウルオリンピック」でのグラフ
(Photo by Rzepka/ullstein bild via Getty Images)

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