ニュース News

ATPが「スポーツマンらしからぬ行為」に厳罰処分

「全豪オープン」4回戦でラケットを破壊するズベレフ

ATP(男子プロテニス協会)が、スポーツマンらしからぬ行為を働いた選手に対する処分をより厳しくすることを発表した。英BBCなど複数のメディアが報じている。

2020年の「全米オープン」ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)が腹立ちまぎれに打ったボールが線審の喉に当たったことで失格処分となったことが大きな話題となったが、今年はシーズン開幕からの3ヶ月で男子選手による危険な行為が相次ぎ、問題視されている。

2月下旬に開催された「ATP500 アカプルコ」では、ダブルスの試合で判定に納得のいかなかった当時世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が暴言を繰り返した上に主審が座っていた椅子を4回もラケットで叩いている。この行為によってズベレフは失格となり、合計で4万ドル(約492万円)の罰金を科された。今後一年間で同様の行為を行った場合はさらに出場停止と追加の罰金が科されることになるが、ラファエル・ナダル(スペイン)や女子テニス界のレジェンド、クリス・エバート(アメリカ)がズベレフへの処分は軽すぎると発言。元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、行動規範の違反に関しては女子の方が男子よりも厳しく罰せられる傾向にあると述べていた。

3月の「ATP1000 インディアンウェルズ」では元世界13位のニック・キリオス(オーストラリア)が主審に暴言を吐き、叩きつけたラケットが近くにいたボールボーイに当たりそうになるという事件があった。これに対して2万5000ドル(約308万円)の罰金を科せられたにもかかわらず、キリオスは続く「ATP1000 マイアミ」でもスポーツマンシップに反する行為や暴言により合計3万5000ドル(約430万円)の支払いを命じられている。「ATP1000 マイアミ」では当時世界39位のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)も投げたラケットがボールボーイに当たりかけ、1万5000万ドル(約185万円)の罰金を科せられた。

自身も元選手であるATPのアンドレア・ガウデンツィ会長は、さらなる事件の発生を防ぐために今後はルールを破った者により厳しい処分を下すと述べた。さらに、行動規範も見直されるとのことだが、具体的なスケジュールや変更内容は明かされていない。BBCなどによれば、ガウデンツィ会長は次のように述べているという。

「選手による攻撃的な、または無礼な行為によって、審判員やボールパーソンが巻き込まれるといった危険な場面があまりにも多く見られてきた。このような行為によりテニスは悪い意味で注目されることになり、ファン、特に子どもたちに対して間違ったメッセージを発してしまう。クレーシーズンを迎えるにあたって、ATPの審判団は行動規範の違反をより厳しい姿勢で裁くよう既に指示されている。我々はさらに、行動規範と罰を与えるプロセスの見直しも行っており、深刻な違反行為を犯したり違反を繰り返す者に対してはそれ相応のペナルティが下されることになるだろう」

2018年に米New York Times紙に掲載された記事では、グランドスラムにおける男子の行動規範に反する行動が女子よりも圧倒的に多い点が指摘されている。1998年から2018年までの間にグランドスラムでラケット破壊によって男子選手が罰金を科された事例は646件、女子は99件と、男子の件数が女子の6倍以上に上っている。不適切な発言は男子が344件、女子が140件、スポーツマンシップに反する行為は男子の287件に対して女子が67件、暴言は男子が62件、女子が16件という結果だ。これだけ男子の罰金の件数が多いにもかかわらず今も違反が相次いでいるということは、大金を稼いでいる選手に対して罰金という罰がそもそも効果的ではないのかもしれない。

2008年の「ウィンブルドン」決勝でナダルとロジャー・フェデラー(スイス)が見せた非の打ちどころのない熱戦のように、選手にはプレーだけで試合を盛り上げてくれることを願いたい。

※為替レートは2022年4月7日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」4回戦でラケットを破壊するズベレフ
(Photo by Mackenzie Sweetnam/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. ATPが「スポーツマンらしからぬ行為」に厳罰処分