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シフィオンテクが語る「サンシャイン・ダブル」達成のカギとは?

2022年「全豪オープン」でのシフィオンテク

イガ・シフィオンテク(ポーランド)が、前代未聞の偉業を達成した。先日行われた「WTA1000 マイアミ」の決勝で連勝を17まで伸ばして優勝を掴んだシフィオンテクが、成功のカギについて語った。WTA(女子テニス協会)の公式ホームページが伝えている。

現在20歳のシフィオンテクは、同じ年に「WTA1000 インディアンウェルズ」と「WTA1000 マイアミ」の両大会を制した最年少選手となった。「サンシャイン・ダブル」と呼ばれるこの偉業は、これまでシュテフィ・グラフ(ドイツ)、キム・クライシュテルス(ベルギー)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)の3人が達成しており、シフィオンテクは史上4人目となる。加えて、シフィオンテクは「WTA1000 ドーハ」でも優勝し、シーズン初めから3大会連続でWTA1000大会で優勝した初の選手となった。

アシュリー・バーティ(オーストラリア)の突然の引退もあったが、シフィオンテクはココ・ガウフ(アメリカ)、ペトラ・クビトバ(チェコ)、ジェシカ・ペグラ(アメリカ)、そして大坂なおみ(日本/フリー)らを次々と退けた。初戦でビクトリヤ・ゴルビッチ(スイス)に勝利したシフィオンテクは、バーティの引退により空席となった世界ランキング1位の座につくことが確定。4月4日に更新されたランキングで、ポーランド選手初の世界女王となった。

1月末の女子テニス界の問いは「どうやったらアシュリー・バーティに勝てるのだろう?」だった。その2ヶ月後、皆はシフィオンテクについて全く同じことを考えている。

シフィオンテクと彼女のチームのスポーツ心理学者ダリア・アブラモビッチさんがWTAのインタビューに応じ、成功の秘訣について語った。

WTA:ここ6週間ほどを振り返って、3大会で優勝できたカギは何だったのですか?
シフィオンテク:難しい質問ね。頑張ってルーティンを続けるのは、身体的に厳しかった。健康的な食事を摂ることや、その他のテニスに関わる細々としたことに集中するんだけれど、何週間かするとちょっと嫌になるの。辛かったわ。

大きな違いをもたらしたのは、私の姿勢、それと精神面だと思う。今は、もっと怖いもの知らずなテニスができると感じるし、練習で取り組んできたすべてのことを試合に活かせると思う。テニスでベストを出さなければならないのだから、それはすごく重要なことなの。最後の方には、コートに出る時に優位な展開でプレーできるとかなり自信を持っていたわ。

WTA:マイアミでは、ずっと同じプレースタイルを貫いたのではなく、様々なスタイルを駆使しながら試合に勝っていました。異なるプレースタイルを使いこなす自信を身につけるのにどれくらい時間がかかりましたか?
シフィオンテク:[コーチの]トマシュがもっとバラエティを持つ努力をするよう私を説得してくれてよかった。すごく助かっていると思う。だって、選択肢がなければ、選ぶものも何もないでしょう?だから、それができることをすごく嬉しく思うわ。

でも実際のところ、今年は相手のプレーに合わせることがあまりないの。そうすると、自分のこと、自分のスキル、自分のパワーショットに集中し続けることができて、今まで練習してきた技術を使えるの。昨シーズンは、相手のプレーを分析しようとしすぎて、もっと混乱していた気がする。だから、合わせないほうが上手くいっていると思う。なぜかはわからないけれど。

WTA:試合中に合わせないということですが、明確なプランを持って望んでいるのですか?
シフィオンテク:もちろん、プランを持っているし、戦略的に相手がどういう所でミスをしやすいか理解している。ただ、結局は相手にミスをさせるのは私のプレーなのだから、自分のことにより集中するようにしているわ。

WTA:あなたはリターンゲーム取得数でツアートップに立っています。今年のリターンゲームのカギとなっているのはなんですか?
シフィオンテク:リターンでは、反応と動きがすべてよ。動きのほうは、私がずっと自信をもってきたことなの。今年はもしかしたらより速く動けているかもしれない。そのおかげで、リターンゲームでただ押し返すだけじゃなくて、時には主導権を握れていると感じているわ。言えることはそれだけ、あとは(秘密)。

WTA:あなたはポーランド人初の世界No.1になります。大会の最初の頃は自分にその資格があるのかわからなかった、と決勝の後で仰っていました。そう感じた理由はなんですか?優勝したことでそのギャップを埋められましたか?
シフィオンテク:もちろん、そうね。マイアミの後、アッシュ[・バーティ]が引退していなくても、こういう結果になったかもしれないと思ったわ。

でも最初は、こういうふうに起こってしまったことに100%満足していなかった。アッシュが誰よりも最高のテニスをすることを知っていたから。彼女とプレーしていると、私はまだまだ成長すべきところがあると感じた。私にとって、彼女こそ、こういう時に世界一になるべき人だった。努力するモチベーションを与えてくれたし、もしかしたらあと数年で私もできるようになるかもって感じていた。

でも、ああいう形で起こったことは、私がその地位にふさわしいと思わせてくれなかった。それに、私はまだ若い。ツアーに10年以上いても、世界一になるチャンスが無かった選手がたくさんいることを知っているわ。

WTA:これまでの戦績は26勝3敗、そして今後はあなたの最も好きなサーフェスに移ります。クレーに戻ることをどのように捉えていますか?今回の成功が今後のシーズンにどのように影響を及ぼすでしょうか?
シフィオンテク:すごく楽しみよ。例え結果が同じだったとしても、私にはクレーでプレーするほうが心地いいの。実は、ハードコートよりもずっとバラエティに飛んだショットを打てる気がする。

基本的には、あまり結果にはこだわっていない。大きなプレッシャーがかかるのはわかっているし、それを上手く対処できると約束はできない、こんな状況になったことがないから。だから、対処できるようにベストをつくすわ。

シフィオンテクのメンタル面のコーチングを行っているのは、スポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチさんだ。シフィオンテクの躍進の原動力となった精神面での成長について、アブラモビッチさんは次のように語っている。

「No.1になること、大会で優勝すること、これが目標です。現実になる可能性があるか考えることもできないような夢の話ではありません。現在進行形で取り組んでいる目標です。私は、成功が訪れた時に対処する方法について、みんなに、特にイガに心構えをさせるよう注力し、努力しています。スポーツのトップクラスにいる人達にとって、自信を育むという意味でもとても助けになるアプローチだと思っています」

「ここ数週間やってきたのは、永遠に続く連続記録はないということを受け入れる考え方を養うということでした。どこかで、彼女は負けるでしょう。まず、1セットを失い、そしていつかは試合に負けます。何かが起こり、思ったようなパフォーマンスができないかもしれない。もしくは彼女や私たちが何かミスをしてしまう状況もあり得るでしょう。でもそれでいいのです。それが人生ですし、それがスポーツ、その美しさなのです。それが現実です」

「ですが、そういうことが起こる可能性があると受け入れたとしても、それを望んでやるということではありません。こういう考え方は、自分を高い水準に近いところで保つことができ、最高の資質を引き出し、コントロールできることに集中することができます。彼女が身に着けたような考え方を培うのに、これが一番大きな要素となります」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2022年「全豪オープン」でのシフィオンテク
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

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