元ダブルス世界ランキング26位のジョン・イズナー(アメリカ)が、珍しい記録を作った。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。
イズナーはフベルト・フルカチュ(ポーランド)とペアを組んでワイルドカード(主催者推薦枠)として「ATP1000 マイアミ」のダブルスに出場。現地4月2日に行われた決勝で第6シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペアを7-6(5)、6-4で破り、優勝した。
なお、イズナーはその前に行われた「ATP1000 インディアンウェルズ」でもジャック・ソック(アメリカ)と組んでダブルス優勝を果たしている。そのため、イズナーはこの「サンシャイン・ダブル」と呼ばれる2大会を同じ年に異なるパートナーと制覇した2人目の選手となった。一人目は、1989年のヤコブ・ラセク(スイス)で、インディアンウェルズ大会をボリス・ベッカー(ドイツ)とともに、マイアミ(キービスケーン)大会をアンダース・ヤリード(スウェーデン)とともに制している。
2019年の「ATP1000 モントリオール」で初めてペアを組み、今回が3回目のタッグだったイズナーとフルカチュ。過去2回では合わせて1勝2敗だったが、今回は5試合中4試合でストレート勝ちという強さを見せてタイトルを手にした。決勝までに3組のグランドスラム王者を倒し、最後は今季すでに3大会で優勝していたクールホフ/スクプスキー組を下している。
偉業を達成したイズナーは「いい気分だけど、パートナーに恵まれたね。決勝での最後のゲームもそれを示していると思う。相手ペアが40-30とリードしていたところから、僕自身は一度もボールを打つことなく勝ったんだから」として、パートナーのフルカチュを称賛。
「フビ(フルカチュ)と一緒にプレーするのは喜びだよ。彼はいろんなことができるけど、ダブルスのスキルも凄いんだ。組むことができてとても楽しかった」
現在36歳のイズナーはシングルスでのキャリアハイが世界8位、2018年の「ATP1000 マイアミ」を含む16タイトルを獲得している実力者だが、ダブルスでも昨年までに3つのマスターズ大会など6大会で優勝。今回のサンシャイン・ダブル達成でダブルスのタイトルを8つとした。
25歳のフルカチュも、イズナーと同じようにシングルス、ダブルスの両方で実績を積み上げ始めている。シングルスでは昨年の「ATP1000 マイアミ」をはじめ4大会で優勝し、2021年終盤には世界9位に到達。ダブルスにもコンスタントに出場し、2020年から3年続けて栄冠を手にした。イズナー同様、フルカチュも相棒に感謝している。
「ジョンは今、ツアーで最もホットなダブルスプレーヤーだよ。一緒にプレーするのがすごく楽しくて、いい時間を過ごすことができた。マイアミが大好きだよ。去年はシングルスで優勝したし、今年はジョンと一緒にダブルスを制することができた。僕にとってとても特別な場所だね」
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 マイアミ」でのイズナー(右)とフルカチュ
(Photo by Michael Reaves/Getty Images)