現地30日、「ATP1000 マイアミ」(アメリカ・マイアミ/3月23日~4月3日/ハードコート)シングルス準々決勝の2試合が行われた。また、ダブルスのベスト4が決定している。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えた。
第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、第6シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)に3-6、6-1、3-6で敗戦。過去2度の対戦も同じくマスターズ大会でどちらもズベレフが勝利していたが、今回は第1・第3セットで「集中を切らさず、とてもいいサーブが打てた」ルードを相手に一度もブレークチャンスを作れなかった。昨シーズンは6大会で優勝したズベレフだが、今季はまだタイトルを獲得しておらず、ベスト8に進出したのは「ATP250 モンペリエ」と今大会のみと苦戦している。
3度目の対戦にしてズベレフから初勝利を挙げたルードは、マスターズ大会4度目のベスト4。なお、過去3度はいずれもクレーコートの大会(ローマ、モンテカルロ、マドリード)だったため、ハードコートではこれが初の準決勝進出となる。
「いい気分だよ。ハードコートのマスターズ大会では初のベスト4だからね。ここ数週間、練習でも試合でもとてもいい感触なんだ。この調子で続けていきたい。今日はこれまでで最も厳しいチャレンジだったけど、金曜にも大きな挑戦(準決勝)が待っている。過去3度のマスターズ大会準決勝で学んだことを生かしたいね」
そう語るルードは、準決勝で世界ランキング103位のフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)と対戦する。23歳のセルンドロは2021年にクレーコートの「ATP250 ブエノスアイレス」で準優勝しているものの、ハードコートで行われたツアー本戦では今大会前まで白星がなかった(0勝2敗)。しかしマイアミでは第22シードのガエル・モンフィス(フランス)や第28シードのフランシス・ティアフォー(アメリカ)を撃破。そして準々決勝では、第9シードのヤニク・シナー(イタリア)が第1セット1-4の時点で足の水ぶくれにより棄権した。シナーはニック・キリオス(オーストラリア)との準々決勝の時から水ぶくれがあり、準決勝では「動くことができなかった」という。
これによりセルンドロはマイアミ大会史上、ベスト4まで勝ち進んだ最もランキングが低い選手に。マスターズ大会本戦デビューで準決勝に進出したのは、2012年パリ大会のジャージー・ヤノビッチ(ポーランド)以来となる。
セルンドロはシナーの棄権について、「僕が3-1とリードしている第5ゲームで、彼がかがみ込むのが見えた。何が起きているのかわからなかったけど、彼が大丈夫ならいいね。素晴らしい選手だから」と語り、相手を気遣った。また、ベスト4進出には「夢が叶った」と喜んでいる。
一方のダブルスでは一足先にベスト4が出揃った。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場する2組、キリオス/タナシ・コキナキス(オーストラリア)ペアとフベルト・フルカチュ(ポーランド)/ジョン・イズナー(アメリカ)ペアのほか、シモーネ・ボレッリ(イタリア)/ファビオ・フォニーニ(イタリア)ペアとノーシード勢が3組勝ち残る中、唯一のシード選手として第6シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペアが名を連ねている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP1000 マイアミ」でのズベレフ
(Photo by Megan Briggs/Getty Images)