23日、現役の世界女王である25歳のアシュリー・バーティ(オーストラリア)が、突如プロテニスからの引退を発表したことは当サイトでもお伝えした通り。それに対する反響をお伝えしよう。
2019年の「全仏オープン」、2021年の「ウィンブルドン」に続いて、今年1月には「全豪オープン」で44年ぶりに自国選手として優勝を果たしていたバーティ。彼女は「テニスという素晴らしいスポーツのためにやりきった。テニスを愛することをやめることはないけれど、これからは他の夢を叶えていくわ」として現役引退を表明していた。
2014年にバーティが一度テニスから離れた際、彼女にメッセージを送って復帰を促した元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、「あなたの決断を知って悲しかったことは否定できないけど、あなたが新しい章へと進んだことを喜んでもいるの。どこにいても私はあなたのファンよ」とバーティに宛ててツイート。
バーティの最後の大会となった「全豪オープン」の決勝で対戦したダニエル・コリンズ(アメリカ)は、「WTA1000 マイアミ」の記者会見で以下のように述べた。「25歳で引退できるなんてクールだと思うわ。そういうことができる仕事は多くないもの。それがテニスの凄いところね。アッシュは長い間トップにいた。(引退発表は)ちょっと驚いたけど、彼女がコート外でこれからどんなことを成し遂げるのか楽しみよ」
バーティの引退によって現在の世界2位から世界1位へと繰り上がる可能性が出てきたイガ・シフィオンテク(ポーランド)は、尊敬する選手がいなくなることに混乱するとともに悲しくなり、「長い間泣いてしまった」と明かす。「世界1位になる可能性があると言われて、もう怖くなってきているわ。でもそのことについて考える余地がないの。次の大会に向けて準備して集中していかないといけないから」
元世界女王の大坂なおみ(日本/フリー)は、引退ニュースを見て「悲しくなった」と語る。「私たちは友人というよりも同僚みたいな間柄だけど、すごく努力してきて、みんなに優しかった彼女のことを尊敬していたから。彼女のようになりたい。彼女はコートですべてを尽くしてきたから、何も後悔していないんでしょうね」
ペトラ・クビトバ(チェコ)は「アッシュ、言葉もないわ…あなたは別格の選手であり、テニス界をとても美しい形で去っていくのね。同じコートに立てて幸せだった。あなたなしのテニス界は違ったものになるでしょうね。あなたのことを選手としても人としても尊敬しているわ」とコメント。
元世界女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)はバーティと笑顔で握手している時の写真を投稿。「私が泣いているのはわかるでしょ?友人のあなたにツアーで会えなくなるのは寂しいわ。あなたは誰とも違っていて特別な人。素晴らしい瞬間をともにしたわね。今後のあなたはゴルフ界のグランドスラム女王になるのかしら?!幸せになってね。そして人生を思いっきり楽しんで」というメッセージを添えた。
1月にバーティの「全豪オープン」優勝を祝福したオーストラリアのレジェンドたちも、彼女の門出を祝っている。バーティのメンターであるイボンヌ・グーラゴングは、「自分にとって最善で幸せになれるような決断を下したアッシュのことを応援するわ。彼女がこれからどんな道を歩むのか、テニスの後でどんな夢を達成するのかを目にするのが楽しみよ」とコメント。そして同国のレジェンドであるロッド・レーバーは、「親愛なるアッシュ、君の引退は世界を驚かせた。君は謙虚に晴れやかな笑顔を浮かべながら、自分のドラムに合わせて歩んでいく。あらゆる意味で勝者である君に感服しているよ」と述べている。
そのほかには、アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)、エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、カロリーナ・プリスコバ(チェコ)、オンス・ジャバー(チュニジア)、エマ・ラドゥカヌ(イギリス)、レイラ・フェルナンデス(カナダ)、ジェニファー・ブレイディ(アメリカ)、ココ・ガウフ(アメリカ)、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)、マディソン・キーズ(アメリカ)、アンディ・マレー(イギリス)、タナシ・コキナキス(オーストラリア)、ディラン・オルコット(オーストラリア)、ビリー・ジーン・キング(アメリカ)、マルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)、ジェームズ・ブレイク(アメリカ)、名コーチのダレン・ケーヒルやパトリック・ムラトグルーなどがコメントを寄せている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「ウィンブルドン」でのバーティ
(Photo by Peter Nicholls - Pool/Getty Images)