ニュース News

懲役刑を免れられるか?元世界王者ベッカーの裁判がスタート

21日、法廷に入るベッカー(右)

2017年に破産した元世界王者のボリス・ベッカー(ドイツ)が、金融資産や不動産を隠し持っていた容疑で懲役7年を求刑されている。その裁判が今月21日に始まり、詳細を英スポーツメディア Sky Sportsなど複数のメディアが報じている。

ベッカーは1985年に17歳の若さで「ウィンブルドン」を制覇したことで一躍スター選手となり、16年間にわたる現役生活の中でグランドスラム優勝6回を含む49個のツアータイトルを獲得。引退後は2013年から2016年にかけてノバク・ジョコビッチ(セルビア)のコーチを務め、ジョコビッチが6回グランドスラムを制するのに貢献した。だが、華々しいキャリアの裏でベッカーは最初の妻との離婚や複数の事業の失敗が原因で膨れ上がった借金を抱えていた。それでもなお、マヨルカ島の不動産を購入するためにプライベートバンクからおよそ350万ポンド(約5億5300万円)を借り入れようとしたところ、2017年6月にイギリスの法廷から破産宣告を受けることになった。

ベッカーは、破産宣告を受ける前後に当たる2017年5月から10月にかけて資産を隠したり引き渡さなかったりなどした24件の罪に問われている。その内訳は以下の通り。

・トロフィーやその他の賞品を引き渡さなかった(9件)
・総額150万ユーロ(約1億9950万円)以上の財産の隠匿(7件)
・ドイツとロンドンの不動産、株式、銀行口座などの財産を開示しなかった(5件)
・約50万ユーロ(約6650万円)にのぼる財産の持ち出し(2件)
・82万5000ユーロ(約1億1000万円)の負債の隠匿(1件)

引き渡さなかったとされる資産には、1985年と1989年の「ウィンブルドン」、および1991年と1996年の「全豪オープン」で獲得したトロフィーと、1992年の「バルセロナオリンピック」男子ダブルスで獲得した金メダルが含まれる。また、財産の隠匿に関してはその手口も公表されており、ベッカーはドイツに所有していたベンツの販売店を売却し、100万ユーロ(約1億3300万円)以上となるその利益を元妻や別居中の妻などが名義人となる複数の口座に移したとされている。

検察側が「ベッカー氏は多くの資産に関して不誠実な行動を取り、様々な方法を使ってそれらを隠したり特定できないようにした」と主張しているのに対し、ベッカーはすべての罪状を否認している。21日にベッカーは紺色のスーツに白いシャツ、えんじ色のスカーフという装いで出廷し、昨年から交際しているグラマラスな年下のガールフレンドも伴っていた。ベッカーは2017年から借金返済のために生活を制限されており、この制約は通常ならば1年で失効するが、ベッカーの場合は隠ぺい行為などによって2031年まで続く予定となっている。

初公判は当初2021年9月に予定されていたが、ベッカー側が直前に弁護士を変更したことで延期されていた。それから半年経ったこの度ようやく始まった裁判は、少なくとも3週間はかかると報じられている。判事は陪審員に対して、被告が有名人であることを考慮せず、名前も聞いたこともないような一般人とまったく同じように扱うよう注意したとのことだ。テニス界のレジェンドにどのような判決が下されるかが注目される。

※為替レートは2022年3月22日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は21日、法廷に入るベッカー(右)
(Photo by Neil Mockford/GC Images)

WOWOWテニスワールド編集部

WOWOWテニスワールド編集部

facebook twitter

速報や最新ニュース、グランドスラム、ATP、WTAなどの大会日程と試合結果情報など、テニスのすべてをお届けします!

WOWOWテニスワールド

  1. Home
  2. ニュース
  3. 懲役刑を免れられるか?元世界王者ベッカーの裁判がスタート