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アキレス腱手術から復帰のサビルがウクライナカラーで活躍

「WTA1000 インディアンウェルズ」でウクライナカラーに身を包んで予選から5試合を勝ち進んだサビル

昨年12月、ルーク・サビル(オーストラリア)と結婚したダリア・サビル(オーストラリア、旧姓ガブリロワ)が、アキレス腱の怪我を乗り越えツアーに復帰した。現在、2020年10月以来となる海外遠征に出ているサビルは、「WTA1000 インディアンウェルズ」で予選を勝ち上がって本戦に出場、4回戦進出を果たした。そんなサビルがWTA(女子テニス協会)のインタビューに答え、療養中の様子や復帰後の心境などについて語った。

サビルは、2015年から2018年まで安定した成績を残し、常に世界ランキングトップ40以内に入っていた。2017年に「WTA500 ニューヘイブン」で初優勝を飾った直後には、自己最高の世界20位まで順位を上げた。足底筋膜炎とアキレス腱負傷による痛みを押してプレーを続けていたが、2020年の「全仏オープン」後に怪我の治療に専念することを選択、ツアーから離脱した。3ヶ月後に復帰しオーストラリア国内で大会に出場したものの、望むような成果が出せず、アキレス腱の手術を決断。

その後、サビルは10ヶ月ほどリハビリに費やし、2021年11月に国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」で実戦復帰。今年1月に「WTA500 アデレード」でツアー復帰を果たした。当時世界421位だったサビルは、予選でキャサリン・マクナリー(アメリカ)とケイティ・ブルター(イギリス)を下し、本戦に出場。1回戦で第5シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)に3-6、3-6で敗れた。

サビルは2月後半になるまでオーストラリア国内の大会にのみ出場していた。アキレス腱の手術を行ってから初の遠征に、不安を感じていたという。

「この遠征の前は少し不安だったわ。(海外に出るのが)2年半ぶりだったから」とサビル。「最初に復帰した時も、オーストラリアでしかプレーしなかったし、その後に手術をしたから、本当に外に出ていないの。全く自信がなかった。オーストラリアでは全然いいプレーができなかった。だから、『私何やってるのかしら?今どこかに行く必要ある?』って思ってた」

だが、アメリカ大陸の大会に出場するというサビルの決断はすぐに良い結果をもたらした。「WTA250 グアダラハラ」では1回戦で第1シードのエマ・ラドゥカヌ(イギリス)を破り、準々決勝に進出。インディアンウェルズ大会では2回戦で世界10位のオンス・ジャバー(チュニジア)を退け、2018年の「WTA1000 北京」以来となるトップ10選手に対する勝利を飾り、4回戦まで進出した。

WTA:ツアーに復帰して、今はどのような心境ですか?
ここにいることをすごく楽しんでいるわ。グアダラハラでも、「うん、楽しいな」って思ってた。すごくいい感じ。大会に出られることがとても嬉しい。今朝も、試合前にウォーミングアップをしていて、楽しい気分だった。最高だわ、私は試合に向けて準備してるんだ、って。

WTA:復帰に向けて練習している間、何かプレースタイルを変更しましたか?
テクニックを色々と変えてみようとしたわ。プレシーズン中に、バックハンドを3回くらい変えてみたけど、あまり長続きしなかった。それから、私の立ち位置、コートでのポジショニングを変えた。

ベースライン近くにつくようにしたけど、気に入らないってコーチに伝えた。なんだか急がされているというか、時間がない感じがした。私には向いてないって。そうした理由は、私のアキレス腱だった。もっと攻撃的になれば、走る距離が少なくなるんじゃないかと思って。でも、うまくいかなかった。気に入らなかったの。

ホークアイのデータを見てみたら、私はベースラインに近すぎた。シモナ・ハレプ(ルーマニア)やアシュリー・バーティ(オーストラリア)と比べると、ずっとベースラインに近かった。それは私には合わないと思ったから、「元の位置に戻る。それでどうなるか見てみましょう」ということになったの、「WTA250 グアダラハラ」の直前に。

WTA:バックハンドを変えたというのは?
今は、ラケットを持つ手の間にギャップがあるの。長めのラケットを使うようになった。ラケットが長いと、左手でコントロールするのは難しくなる。でも、今は左手が前より少し高い位置にあるから、ラケットヘッドの場所がわかるようになった。それに、ダブルフォールトもぐっと少なくなったわ。オーストラリアではダブルフォールトだらけだったんだけど、サーブの不調ではなかった。技術的には、私のサーブは結構良いんだけれど、対戦相手やリターンでどれくらい強く返されるかについて考えてしまって、自分のパターンを守ることができなかった。パニック状態になってたの。

それから、アキレス腱。元通りになることはないし、素晴らしくなることもない。まあまあな状態になるだけ。でも、みんな何かしらを抱えている。ラファエル・ナダル(スペイン)だって怪我を抱えているわ。

WTA:そうやってやり繰りしなければいけないことに疲れることはありますか?
2016年からもう6年もこの怪我と付き合っているわ。疲れたこともあった。でも、今はもうすべてやった、手術もしたし。だからこれで終わり。怪我と付き合いながらやるだけやるか、「可哀想な私」って悲観するか、どちらかよ。

(この怪我に)名前もつけたの、女の子よ。彼女は私に語りかけてくるの、「オーケー、わかった、優しくしてあげる」ってね。彼女は気分が変わりやすいけれど、最近は調子がいいわ。

WTA:名前はなんというのですか?
キアリアよ(笑)。適当だけどね。

WTA:ツアー離脱中は、テニスをよく見たり、友人と連絡を取って近況を聞いたりしていましたか?
テニスはちょっと見てたわ。アッシュ(・バーティ)が「ウィンブルドン」で優勝した時は複雑な気分だった。すごく嬉しかったけれど、同時に嫉妬したわ。でも良い嫉妬よ。つまり、私もそこに立ちたかったという意味。「ウィンブルドン」に出場できたら良かったな。

新人が多いのもワクワクするわね。エマ(・ラドゥカヌ)が「全米オープン」で優勝した時、「ええ?!」ってびっくりした。すごくかっこいいと思ったわ。でも同時に、ツアーのみんなが「私もできる」って思っていると思う。多くの選手が、不必要なプレッシャーを自分にかけていると思うわ。「彼女ができるなら、私もやってやる」ってね。でも違う。ただプレーすればいいの。

WTA:今年の目標は?
スケジュールをすべてプレーしたい、それだけ。もちろんランキングも上げたいけど、最新のランキングは見ないようにしているの。見ると余計なプレッシャーがかかるから。今は、1試合ずつ進むことにしている。

グランドスラムでももちろんプレーしたいけど、グランドスラムには私のプロテクトランキングは使えない。「全仏オープン」の予選に出場することは目標ではなかったけれど、心の中では出たいと思っている。でも、それは頑張りすぎって感じがするわ。ここに来る前、「よし、ランキングを半分にしよう」とみんなで言い合っていたの。600位から300位にね。だから、「全仏オープン」に出られれば素晴らしいけど、頑張りすぎかもね。

現在はオーストラリア市民権を持つサビルだが、出身はロシアのモスクワで、2015年までロシア代表として活躍していた。そしてロシアのウクライナ侵攻を受け、「WTA1000 インディアンウェルズ」出場前には他の選手らに対しウクライナの国旗色である青と黄色のウェアを着て、ウクライナへの支持を表明するよう呼びかけていた。

青と黄色の鮮やかなウェアを着用し、インディアンウェルズで素晴らしい戦いを見せたサビル。4回戦のマリア・サカーリ(ギリシャ)戦で左太ももを痛めて途中棄権となったが、今後の大会での活躍を期待しよう。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「WTA1000 インディアンウェルズ」でウクライナカラーに身を包んで予選から5試合を勝ち進んだサビル
(Photo by Robert Prange/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

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