「ATP500 ドバイ」(アラブ首長国連邦・ドバイ/2月21日~2月26日/ハードコート)の決勝で、第2シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が予選勝者の世界ランキング123位イリ・ベセリ(チェコ)に6-3、6-4で勝利。2冠を達成した先週の「ATP250 マルセイユ」に続いて連続優勝を果たした。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。
この大会中、ルブレフは試合とは関係ないことで注目を集めた。準々決勝の後、ロシア人のルブレフは自国のウクライナ侵攻について「恐ろしいこと」と発言。さらに自身が国籍を理由にネット上で標的にされているがそれにやり返すつもりはないとして、「たとえ石を投げられても、僕は平和を求めていること、決して攻撃的なことをするつもりはないことを示すつもりだ」と自身の立場を表明していた。また、準決勝後には、テレビカメラに向かって「戦争は止めよう」というメッセージを綴って戦争反対を訴えている。
そんなルブレフは、決勝では28本のウィナーを決めた一方で、アンフォーストエラーはわずか8回。第1セットではサービスゲームでほぼ相手にポイントを与えないパフォーマンスを披露。第4ゲームで迎えたチャンスをモノにし、わずか29分で第1セットを取る。第2セットでは4-1とリードを広げる機会を逃した直後にブレークされてしまったが、すぐさま再度のリードを奪い、1回戦以来のストレート勝利を飾った。
試合終了直後、コートにうずくまったルブレフ。その後に自身のSNSであらためて平和を呼びかけた。「今はテニス、スポーツの話をしている時じゃない。世界のあらゆる場所が平和であることが重要なんだ。僕たちはお互いに支え合わなければならない」
ルブレフはマルセイユのシングルス、ダブルスで優勝した後でドバイへ向かい、同地に着いたのは大会初戦が行われる日の午前2時だった。「ここに来た時は何も期待していなかった。1勝できたら奇跡だと思っていたんだ」という状態だったにもかかわらず、シーズン2冠目を獲得。ここ2週間の間に13試合でプレーし、そのうち10試合がフルセットだった。
とはいえ、疲弊しているのは決勝の相手も同じだった模様。予選から勝ち上がり、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)をはじめ強敵を次々と破ったベセリも疲労の度合いは似たようなものだったとルブレフは語る。「イリも同じように疲れていたみたいだね。彼は予選の時からタフな試合が続いていたから。マリン・チリッチ(クロアチア)、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)、ノバク、そして昨日はデニス・シャポバロフ(カナダ)とフルセットを戦っていた。そんな選手たちと戦ったら、本来立って歩くのも難しいくらいなんだ。それなのに彼は今日プレーすることができた。素晴らしいね」
「僕も疲れているけど、すごく嬉しいよ。今日はツイてたね。だからこそチャンピオンになれたと思う」
ルブレフにとって、これがシングルスではツアー通算10冠目。そのうち半分の5タイトルを500大会で獲得した。マスターズ1000大会、グランドスラムでいまだ優勝したことがないことについては以下のように述べている。
「マスターズとグランドスラムでいいところまで勝ち上がるチャンスはいつか来ると思う。去年はマスターズで2回決勝まで行ったし、グランドスラムでもベスト8まで勝ち進んだ。ただ、メンタル的をうまくマネジメントできなくて、その先で勝てていないんだ。僕の課題がメンタル面であることはわかってる。要は自分次第なんだ」
今後のルブレフは、3月10日開幕の「ATP1000 インディアンウェルズ」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月10日~3月20日/ハードコート)に出場予定となっている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP500 ドバイ」でのルブレフ
(Photo by David Gray/Getty Images)
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