セルビア国営テレビのインタビューに応じた世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、新型コロナワクチン接種をめぐって自身の取った行動や今後について語った。豪スポーツメディア Fox Sports Australiaなど複数のメディアが報じている。
ジョコビッチは先日、英BBCとのインタビューの中で、ワクチンを接種しなければならないのなら今後グランドスラムなどの大きな大会を欠場することも厭わないと発言したことで世間を驚かせたばかりだ。その後、セルビアの国営テレビ RTSの取材に応じたジョコビッチは、オーストラリアへの入国に端を発した一連の騒動を振り返り、昨年12月に自分が新型コロナに感染していることを知りながら、それを明かさずにフランス L'Equipe紙の対面取材を受けたことについてこうコメントした。「自己中心的だったことを認める。このミスは完全に僕の責任だ。すべての人が僕を許してくれるわけではないことや、批判的な意見があることも理解している」
オーストラリアから強制退去となったジョコビッチは3年間の入国禁止処分を科されているが、移民局に特別な許可を申請して入国する道がまだ残されているため、10回目の「全豪オープン」優勝を目指してメルボルンに戻るつもりであることを明かした。「将来的にはまたオーストラリアに行って、ロッド・レーバー アリーナで再びプレーしたい。あそこではテニスでもプライベートでも素晴らしいことをたくさん経験した。いろいろなことがあったけど、僕はオーストラリアと素晴らしい繋がりを持っているんだ」とジョコビッチは言う。
その「全豪オープン」では先月、足の怪我を抱えるラファエル・ナダル(スペイン)が下馬評を覆して優勝を飾り、男子では単独トップとなる21個目のグランドスラムタイトルを獲得した。しかしジョコビッチは、もし自分が出場していたら話は違っていただろうと考えている。「人生に絶対はないけど、今年の“全豪オープン”ではチャンスがかなりあったと思っている。ロッドレーバーアリーナは僕にとって自分の庭のような感じなんだ。優勝したナダルやすべての選手に敬意を表して、優勝していたとは言わないけど、チャンスはあったと思う」
またオーストラリアでの騒動をめぐって多くの仲間からサポートを受けたとも明かしており、ダニール・メドベージェフ(ロシア)は「全豪オープン」の決勝が終わってから1時間と経たないうちに応援メッセージを送ってくれたという。さらに、これまで犬猿の仲として知られていたニック・キリオス(オーストラリア)が公の場で擁護してくれた時には嬉しい驚きを感じたとジョコビッチは語る。これまでジョコビッチを何かと批判してきたキリオスだが、ジョコビッチに対する対応は不当だとして母国を非難していた。「過去にはお互いにいろいろと誤解があったから、キリオスには一番驚かされたよ。彼には感謝しているし、ほかにもアリゼ・コルネ(フランス)など、僕のために声を挙げてくれた人たちに感謝している」
34歳のジョコビッチは同じインタビューの中で2024年の「パリオリンピック」を視野に入れていることも認め、金メダルという、いまだに獲得できていない唯一のビッグタイトルへの意欲を見せた。「パリオリンピックに出場して、セルビアを代表したいと思っているし、そのための準備や計画を進めている」
ジョコビッチは今シーズン初めての大会となる「ATP500 ドバイ」(アラブ首長国連邦・ドバイ/2月21日~2月26日/ハードコート)に出場するため、すでに現地に到着している。現在ドバイでは万博が開催されており、そのうちセルビアのパビリオンではジョコビッチの財団が母国で推進している幼児教育に関するイベントも開かれた。ステージ上でスピーチを行ったジョコビッチには盛大な拍手が送られ、ファンと一緒にセルフィーを撮るなど、温かい歓迎を受けているようだ。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※2021年「全豪オープン」でのジョコビッチ
Photo by Cameron Spencer/Getty Images
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