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GS欠場も辞さないと語ったジョコビッチに対する反響は?

2021年「全豪オープン」でのジョコビッチ

先日、世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、新型コロナワクチンを接種しなければならないのなら今後「全仏オープン」や「ウィンブルドン」のような大きな大会を欠場することも厭わないと発言したことは当サイトでも報じた通り。そんな彼のコメントに対する反響をお伝えしよう。

先月、ワクチン接種をめぐりオーストラリアから強制退去、「全豪オープン」を欠場することになったジョコビッチ。5月下旬に開幕する「全仏オープン」も現在のルールではワクチンを接種していなければ参戦することができないが、英BBCの取材に応じたジョコビッチは、「身体に対する自分の決断を大事にすることの方が、タイトルを含めたほかのものよりも重要」だとして「それ(欠場)が代償なら払うのも厭わない」と語った。

そんな彼の発言を受けて、テニス界や政界からは戸惑いや批判、賛同など様々なリアクションが起きている。

1980年代から1990年代にかけて活躍し、女子ダブルスで21回のグランドスラム優勝を成し遂げたパム・シュライバー(アメリカ)は、ジョコビッチがワクチン接種を拒否し続けることは「テニス界にとっての災難」だと表現した。彼にはワクチン接種が安全であることを自国の専門家から教わってほしいと言い、「これはテニス界にとっての災難で、彼にとっても良くないこと」「テニスの歴史が変わってしまうかもしれない」と危惧。

また、ジョコビッチは前述のインタビューの中で「僕は一度もワクチンに反対したことはない」と繰り返し、オーストラリアの反ワクチン感情を駆り立てる存在だとして強制出国となったことについて「そんなものとは僕はまったく相容れない」と主張したが、シュライバーも彼の言動を不安視。「彼がワクチンを信じていないことは、自国のセルビアをはじめ、世界中の多くの人に影響を与えてしまう」と話している。

イギリスの保健相を務めるサジド・ジャヴィド氏はジョコビッチを批判。「彼は観客、ファンの全員がワクチンを打ったおかげで大会に戻ることができ、彼らの前でプレーすることで再び大金を稼げるようになった。なのに、彼らがワクチンを受けたのに、自分は打たなくていいのだと考えている。彼は自分の考えを顧みた方がいい」

伝染病予防のコンサルタントであるピーター・イングリッシュ博士も、ジョコビッチの言動には矛盾があると指摘する。反ワクチンではなくワクチンに対してオープンだというジョコビッチの主張は「信じがたい」と博士。「(ワクチン未接種で)感染するよりもワクチンを打った方が安全であることはすでに十分証明されている。感染者がいる限り、感染拡大は避けられない。ワクチンを打たない姿勢を強く打ち出しながら、ワクチンに対してオープンだと語るのはばかげている」

オックスフォード大学で実践倫理学を教えるジュリアン・サヴレスク教授は否定派の一人。「他者に対して大きな脅威となる可能性がある場合、我々は自分の意思で行動することはできない。そのため、コロナ禍における彼の行きすぎたリバタリアニズム(自由意志論者)は擁護しがたい」とその理由を説明した。

一方、ジョコビッチに賛同したのが、彼と同じようにワクチン未接種でプレーを続けているピエール ユーグ・エルベール(フランス)。ダブルス世界9位のエルベールは5つのグランドスラムタイトルを獲得しているが、ワクチンを打たない姿勢を貫いており、現在はフランス国内でのみプレー。そのため、先月の「全豪オープン」も欠場していた。そんなエルベールは「自由はテニスよりも何よりも大事なもの。彼のインタビューには多くの点で共感した。信念を持つ彼のことを尊敬するよ」と称賛の言葉を送った。

同じくジョコビッチを称賛するのが、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)やステファノス・チチパス(ギリシャ)を指導する名コーチのパトリック・ムラトグルー(フランス)。ジョコビッチの発言に驚いたことを認めながらも、「彼はGOAT争いよりも自分の信念を貫くことを選んだ。それはとても力強いメッセージだ。彼がどういうタイプの人間であるかを示している。いい意味でね」とコメント。「大多数の人と異なる意見であっても自分の信念に従う人間は尊敬に価する」とInstagramの動画で述べている。

1999年に世界2位に到達したアレックス・コレチャ(スペイン)は、ジョコビッチを擁護。「彼はテニスに多くのものをもたらしてくれた。彼のコート上での振る舞いやそのキャラクターが気に入らないことがあるかもしれない。だが、テニス界にとってとても特別な存在であることは忘れてはならない。彼への批判が多すぎる。我々は尊敬の念を示すべきだ」と語り、「もしも彼が今後2年間、ワクチンを打っていないことでプレーできなかったらショックだ」と心配している。

なお、「全仏オープン」を運営するフランステニス連盟の広報は、ジョコビッチが今大会に出られるか否かについて答えるのは「時期尚早」と返答。「我々はできるだけ早く、感染状況に基づき、決断を下すつもりだ」と言うにとどめた。

一方、「ウィンブルドン」の役員の一人であり現役中にジョコビッチと対戦したこともある元世界4位のティム・ヘンマン(イギリス)は、入国に対するイギリス政府の方針が変わらなければジョコビッチも出場できるだろうと話している。グランドスラムの優勝回数争いから外れることも厭わないというジョコビッチの発言は「元選手として、そして一人のテニスファンとして聞きたくなかったものだけど、内心予想もしていた」としつつ、その姿勢は「勇気がある」と評価。そして「ワクチンを打つかどうかは彼自身が決めること」と理解を示した。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2021年「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Matt King/Getty Images)

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