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審判の最高ランクを持つ主審、権力の乱用を訴えられて謹慎処分に

2020年「全米オープン」で線審にボールをぶつけた直後のジョコビッチ

2020年の「全米オープン」で世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を失格にした主審が、行動規範に反する行為を行ったとして謹慎処分を科されていることがわかった。英Telegraph紙など複数のメディアが報じている。

2020年の「全米オープン」4回戦で当時世界ランキング27位だったパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦したジョコビッチは、試合の展開に苛立つ中、壁の方へ向けて強めに打ったボールが近くにいた線審の喉元を直撃。ジョコビッチは大会の規定に従って、「意図して危険なボールを打つ、あるいは他の安全を考慮せずにボールを打った」ことで失格処分となった。この処分を下した当時の主審、Soren Friemel氏は、ジョコビッチが優勝した2021年「ウィンブルドン」の直前から「個人的な理由」で大会を離れている。その理由について英Telegraph紙が報じたところによれば、同氏は非倫理的な行為と権力の乱用によって12ヶ月間の謹慎止処分を受けているという。

50代前半のFriemel氏は、審判の最高ランクであるゴールド・バッジを持つ国際レフェリーで、「リオデジャネイロオリンピック」や「デビスカップ」でも審判を担当。グランドスラムのスーパーバイザーや国際テニス連盟(ITF)の審判長も務めており、どの審判員が昇進や任命を受けるかに関して大きな影響力を持つ。

そんなFriemel氏に対する疑惑が持ち上がったのは2021年5月のこと。同氏の不適切な行為を年下の男性審判員がITFに訴えた。5ヶ月間にわたる調査の結果、2011年から2015年にかけて同氏が4回にわたりこの男性審判員に対して規定に反する行為を行っていたということで、昨年末に12ヶ月間の謹慎処分が下された。2021年の6月19日から暫定的な謹慎処分に入っていたFriemel氏は、今年の6月18日に処分明けとなる。

Friemel氏への処分について、ITFの広報担当は「その審判の訴えは、Friemel氏が彼に対して不適切な発言や誘いをしたというものです。調査委員会は彼の行為が権力の乱用に当たり、規範に違反していると判断しました」と説明。また、この判断が同氏のITFでの立場に影響を与えるかどうかに関しては、「彼は依然として謹慎中であり、我々は今後の方針について検討中です」と述べている。

同氏が違反したとする行動規範の条項は以下の通り。
・審判は公正さやプロとしての意識に欠けたり、犯罪と見なされたり、非倫理的となるような行為を行ってはならない
・審判は権威や支配的な立場を乱用してはならず、ほかの審判や選手、大会関係者の心理的、肉体的、精神的な健康を損なってはならない

Friemel氏は昨年8月の「全米オープン」の予選期間中には謹慎処分を受けていたにもかかわらず会場に足を運んでおり、その姿を目撃した関係者によれば、「何事もなかったかのように審判室をうろうろしていた」という。本戦が始まる頃には姿を見せなくなったが、時を同じくして米Washington Post紙には、同氏が「個人的な理由で現場を離れることになった」という内容の記事が掲載されていた。謹慎処分は6月18日に終了するため、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)には間に合うタイミングではあるが、同大会で起用されることはないと見られている。

なお、審判が処分されることは珍しくないようで、ITFは2021年12月上旬時点で、のちに処分を科されるFriemel氏以外に14人の審判が処分を受けたことを公表。国内外で活動するこれらの審判の中には、生涯活動禁止に処された人もいるという。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2020年「全米オープン」で線審にボールをぶつけた直後のジョコビッチ
(Photo by Al Bello/Getty Images)

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