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ナダルが新たに導入したハイリスク・ハイリターンなサーブ

「全豪オープン」でのナダル

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)の男子シングルスで準決勝に進んでいる第6シードで元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン)が、ハイリスク・ハイリターンなサーブを導入している。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じた。

準々決勝で第14シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)を3-6、4-6、6-4、6-3、3-6で破ったナダルは、この試合で11回ものダブルフォールトを犯しており、これは彼にとってツアー最多記録だった。だが、ナダルと彼のチームがこの数字に動じている様子はなく、「セカンドサーブを速くする」という2022年の計画を遂行する上でのやむを得ない犠牲と捉えているようだ。

実際、ほかのスタッツを見ればこの取り組みが功を奏していることがわかる。昨年、長引く足の怪我により早目にシーズンを切り上げたナダルが最後に出場したグランドスラムは「全仏オープン」だった。当時の彼のサーブの平均速度はファーストサーブが時速180km、セカンドサーブが時速150km。だが、それ以来のグランドスラムとなる今大会では、ファーストサーブが平均時速187km、セカンドサーブが平均時速162kmを記録している。

<「全豪オープン」ナダルのファースト/セカンドサーブ平均時速>
1回戦 vs マルコス・ギロン(アメリカ)…188km/165km
2回戦 vs ヤニック・ハンフマン(ドイツ)…188km/161km
3回戦 vs カレン・ハチャノフ(ロシア)…185km/158km
4回戦 vs アドリアン・マナリノ(フランス)…187km/165km
準々決勝 vs デニス・シャポバロフ(カナダ)…190km/165km

これらのスタッツによって、ナダルはテニス界における最も強力なサーバーの一人となった。事実、この2週間におけるナダルのセカンドサーブの平均速度は、準決勝で対戦する第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)が記録している平均時速161kmを上回っており、ほかのベスト4と比べても速い。第2シードのダニエル・メドベージェフ(ロシア)は平均時速156km、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)は平均時速155kmだ。

ナダルのコーチの一人であり元世界王者でもあるカルロス・モヤ(スペイン)は、この新たな試みについてこう話す。「ラファはどれだけ簡単にポイントを取れるようになったかに気づき始めている。先日もアドリアン・マナリノ(フランス)との試合の時に、そのことについて彼とちょうど話したよ。あの試合では16本のサービスエースと6本のダブルフォールトを記録したが、サービスエースが3本でダブルフォールトがないよりもそっちの方がずっといいと私は彼に言ったんだ。なぜなら、最終的にはポイントを取るための時間をなるべく短くして、アグレッシブに攻めるべきだからだ。そのための最初のチャンスがサーブなんだよ」

ナダルはなるべく簡単にサービスゲームをモノにし、相手によりプレッシャーをかけ、コート上ではできるだけエネルギーを節約するために、ファースト・セカンドサーブの両方でリスクを取ることにしたのだ。これが、次の準決勝で「全豪オープン」通算90試合目を戦うことになるナダルの現在の哲学と言える。そして、これは実を結んでいる哲学でもある。

今大会ここまでの5試合でナダルは4回しかブレークされておらず、95%(82ゲーム中78ゲーム)という高いサービスキープ率を誇る。

2016年からナダルのコーチを務めるモヤは、準々決勝についても語った。「シャポバロフとの試合では、その意志を明確に示すことができたと思っている。35歳にもなると、だんだんとそういう試合に移行していかなければならない。あの試合は、リスクを取ってもいい、そのリスクとリターンの比率を受け入れてもいいという意思表示だったんだ。これまでのところ、その効果は非常に高いね」

今大会でのナダルはプレッシャーのかかる場面でもリスクを取ることをためらっていない。例えばマナリノとの4回戦、第1セットのタイブレークで相手が得た4度のセットポイントの1つ目は、時速169kmのセカンドサーブでしのいでいる。この局面を迎えるまでにナダルがそれよりも速いセカンドサーブを打ったのは、試合開始時の一度だけだ。

シャポバロフとの試合でも、かなりの数のダブルフォールトを計上しながらも、ナダルはリスクを取り続けた。22歳のシャポバロフを相手に、ブレークポイントを迎えることなく最初の12ゲームをキープしている上に、この試合ではファーストサーブで平均時速190km、セカンドサーブでは平均時速165kmを記録と、ここ2週間で最も速いサーブを放っている。

5年前の「全豪オープン」、モヤをコーチの一人として迎えて初めて臨んだグランドスラムでナダルが目標としていたのは、セカンドサーブの平均速度を時速140kmから時速150kmに上げることだった。そこからの進歩は実に目覚ましい。モヤは2017年当時の目標を振り返り、「それが今では、平均速度が時速160kmを超えている」と口にする。

ナダルは3年前の「全豪オープン」でもテクニックを変えているが、今回の戦略で結果を出していることは、年齢を重ねても勝ち続けたいという彼の気持ちの表れであり、21回目のグランドスラムタイトル獲得の夢はますます現実味を帯びてきた。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」でのナダル
(Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)

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WOWOWテニスワールド編集部

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