「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)の男子ダブルスで、地元のニック・キリオス(オーストラリア)とタナシ・コキナキス(オーストラリア)のペアが快進撃を続けている。準々決勝では思わぬハプニングもあったが、最後はハッピーエンドだったようだ。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じた。
キリオス/コキナキス組は第6シードのティム・プッツ(ドイツ)/マイケル・ビーナス(ニュージーランド)ペアと対戦中だった。コキナキスのサーブはネットをかすめていたので「レット」、つまりそのポイントはやり直しだったが、ビーナスが打ち返したボールをキリオスは反射的に強打。大きく弾んだボールが客席に飛び込んで小さな男の子に当たってしまい、男の子は泣き出した。観客も選手も皆が心配そうに男の子を見守る中、キリオスは新しいラケットを取り出してその子に届けた。試合後にキリオスは、そのラケットにサインもしてあげたそうだ。
試合に勝利して準決勝進出を決めた後で、キリオスとコキナキスはファンの大切さを語った。「人々は(コロナ禍で)たくさんのことをくぐり抜けてきた。だからこの“全豪オープン”で、オーストラリア人選手が活躍するのを見て、とても喜んでいるのだと思う。アレックス・デミノーは4回戦に進出したし、俺たちはダブルスで頑張っている。いわばオーストラリアの旗を掲げてね。この大会は、人々のためのものだと思っている。彼らのためにプレーすることが、俺らがダブルスで成功することより大切なんだ」
「もともと、今年のダブルスでの目標は特に決めていなかった。ただプレーして、オーストラリアの人々やこの大会に楽しめるものをあげて、テニスをもっと広めたい。タナシも楽しんでる。俺らはコート上で、これまでで最高に楽しんでるよ」とキリオス。
前哨戦の「ATP250 アデレード2」でキャリア初優勝を遂げたコキナキスも同意する。「正直に言うと、最高のスリルはコートに登場する時なんだ。馬鹿みたいに聞こえるかもしれないけど、試合のことはその後で考えてる。でも観客が示してくれるものすごいサポートを見るだけで、僕らが出ていくたびにお客さんが熱狂して、本当に楽しんでいるのを見るだけで、彼らのためにやってやろうって気持ちになるよ」
キリオスとコキナキスは準決勝で、第3シードのマルセル・グラノイェルス(スペイン)/ホレイショ・ゼバロス(アルゼンチン)ペアと対戦する。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのキリオス(左)とコキナキス
(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)
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