昨年、中国の元政府高官から性的関係を持つよう強要されたと告発後、消息不明となった元ダブルス世界ランキング1位のペン・シューアイ(中国)に関し、「全豪オープン」に出場中の女子トップ選手らがもっと情報を開示すべきだと訴えた。英BBCが伝えている。
昨年の11月、自身が受けた性的暴行についてソーシャルメディアに投稿したとされるペン。その後、ペンはその告発を行っていないと否定したが、未だ彼女の安否ははっきりしない。
元世界女王のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は、2回戦に勝利した後、ペンの状況について言及した。WTA(女子テニス協会)の選手協議会の一員でもあるアザレンカは、彼女の無事を確かめるべく全力を尽くしていると語った。
この件に関して「あまり進展が見られていない。いずれ彼女自身から何か聞けると良いけど。それ(彼女の無事を確かめること)が、現在の主な目的だと思ってる。女子の協会として、所属する選手をサポートしていることを誇りに思うし、当然のことだとも思うわ」とアザレンカ。
「今の状態はとても残念。最善の結果になるよう祈っているわ。今後、どう支援していくべきか、状況を見極めたい」とアザレンカは発言した。
ペンは、中国の女子テニス界の中心的存在だ。中国のソーシャルメディア、ウェイボ(微博)に張高麗前副首相から性的関係を持つよう強要されたと投稿した後、世界中から心配の声が上がった。その後、その投稿には「多くの誤解がある」と語ったペンだが、12月19日以降、公の場に姿を現していない。
グランドスラム4勝を誇る大坂なおみ(日本/フリー)も、11月に自身のSNSにペンの消息について心配する投稿をしていた。大坂も「全豪オープン」出場中の先日、ペンの近況についてさらなる情報を求めた。
「もし私が彼女の立場なら、人々に私のことを気にかけてほしいと思う。今の世の中に溢れていることの一つだけど、私が彼女の立場になったらと考えてみると、少し怖い。でも、人々に自分を支持して欲しいし、疑問をぶつけてほしいと思う」
これまでも、WTAはペンの無事を明らかにするよう中国側にプレッシャーを掛けてきた。その一部として、昨年12月にWTAは中国で開催される大会をすべて中止すると発表した。
世界女王アシュリー・バーティ(オーストラリア)は以下のように話した。「テニス界のみんなが一致団結するようになったわ。言うまでもなく、私たち全員が彼女の状況を注視している。彼女に何も問題が起きていないことを願ってる。無事であってほしい。彼女がまた公の場に出てくるまで、あまり時間がかからないことを願っているわ」
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2020年「深センオープン」でのペン
(Photo by Zhong Zhi/Getty Images)
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