昨年、「東京オリンピック」のテニス男子シングルスで金メダルを獲得したアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、そのメダルが5ヶ月前から行方不明だと語った。
第3シードとして「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)に出場していたズベレフ。1回戦では世界ランキング87位のダニエル・アルトマイヤー(ドイツ)を7-6(3)、 6-1、 7-6(1)のストレートで下し、6年連続で2回戦へ進出したが、「正直言って、勝ったこと以外はあまりプラン通りではなかった」と満足いく試合内容ではなかったことを明かした。
続く2回戦では、世界89位のジョン・ミルマン(オーストラリア)に6-4、6-4、6-0のストレート勝ち。試合後のインタビューではオーストラリアスポーツ界の国民的スター、車いすテニス選手のディラン・オルコット(オーストラリア)がインタビュアーとして登場。対戦相手のミルマンがオーストラリア人ということで、オルコットから「ほとんどの観客がミルマンを応援している環境下で、どのように試合に臨んだの?」と質問されたズベレフは、以下のように答えた。
「試合後、みんなから嫌われると準備していた。ただ、うまくいけばみんなが応援し、後押ししてくれると考えていたよ」と冗談交じりに答えた後、「コロナが始まってから、スポーツは人々や人々の作り出す雰囲気を必要としている。だから、観客が僕のために来ていても、そうじゃなくても関係ない。この雰囲気や歓声を楽しんでいたよ。観客は感情を呼び起こす。観客無しのスポーツは、感情のないスポーツのようなものだ。だから少しずつ日常生活が戻ってきたことは素晴らしいし、みんなの前でプレーできて嬉しい」と語り、観客から大きな声援を受けた。
オルコットが昨年の「東京オリンピック」に話を移し、「オリンピックでは金メダルを獲得したね。金メダルクラブへようこそ」と言うと、「あなたは4つも獲っているけどね」と返すズベレフ。オルコットは「これからあと3つ獲得できるよ」と励ますが、ズベレフはそんなに長くプレーしないよと笑った。
オルコットから、自身や自国ドイツにとっての金メダルの重要性を尋ねられると、「オリンピックの金メダルに匹敵するものはない。金メダルはスポーツやバックグラウンドに関係なく、全てのアスリートが夢見るもの。すごく特別なものなんだ。世界中のどんなものとも比べられないほどにね」とメダルの価値について語った。
オルコットが「自分もこの質問はよくされるんだけど、金メダルをどこに保管してるの?」と尋ねると、ズベレフは、同じくテニス選手の兄ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)が、メディアに出演するために持って行ってしまって以来、見ていないことを明かした。
「まだ返してもらってない。5ヶ月前から行方不明なんだ。兄がeBayで売ってないことを祈ってる(笑)」と言うと、オルコットは「実は俺、金メダル5つ持っているんだ。最近eBayで買ったからね」とユーモアたっぷりに返答。終始笑いに包まれたインタビューとなった。
その後、ズベレフは4回戦で第14シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に3-6、6-7(5)、3-6で敗れている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「東京オリンピック」でのズベレフ
(Photo by Marijan Murat/picture alliance via Getty Images)
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