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コロナ対策を疑問視される全豪運営側が検査体制を説明。チチパスも擁護

2019年「全豪オープン」でのチチパス(右)

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)の新型コロナウイルスの検査体制について、大会側に加えて複数の選手がコメントした。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが伝えている。

第3シードとして出場するアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)や予選で敗退した世界ランキング262位のバーナード・トミック(オーストラリア)が大会でのPCR検査は行われていないと発言し、出場選手たちの感染も伝えられたことで注目を浴びることとなった「全豪オープン」での感染対策について、大会運営側とほかの選手もコメントしている。

オーストラリアテニス協会(TA)の大会ディレクターであるクレイグ・タイリー氏は現地20日、今年の「全豪オープン」で取り組んでいるプログラムはほかの大会よりも厳しいもので、選手はオーストラリアに入国および出国の際に検査を受け、さらには入国後5日目から7日目にかけての間にも検査を受けることになっていると主張。また、大会期間中は「症状に応じた検査が義務づけられており、選手は毎日ホテルやここ(“全豪オープン”の会場)で抗原検査キットを受け取ることができる」と述べている。

しかしながら、選手の多くは「全豪オープン」の前にオーストラリアで開催されたほかの大会にも参加しているため、仮に入国後7日目以降にPCR検査を受けていなければ、最後の検査からだいぶ時間が経っていることになる。「全豪オープン」では検査を受けられる環境が整えられているだけで、結果の提示は義務づけられていないため、感染状況は把握できていないに等しい。実際、トミックは感染の自覚がありながらも予選に出場し、のちにPCR検査で陽性反応を示していた。2回戦で敗退した第3シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)も検査は必須ではなく、会場に入る際にも検査結果の提示は求められていないと話す。

ズベレフが感染のリスクを極力減らすために自主的にバブル生活を送っていると話しているほか、ムグルッサと元世界王者のアンディ・マレー(イギリス)をはじめとする複数の選手は、自身やチームのために自ら進んで検査を行っているという。第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)は検査についてこう話す。「陽性であるかどうかを確認するために定期的に検査することは選手一人ひとりの責任であり、僕もそうしている。それは自分に課せられた責任であって、自分が100%の状態であるかを確認しているんだ」

一方で、世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の入国ビザ取消騒動の裏では、第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が新型コロナに感染した状態でオーストラリアに入国していたことが、本人によって明かされた。2回戦の後にどれくらいの頻度で検査を行っているかと聞かれたルブレフは、「最近かかったばかりだから検査はしていない」と返答。ワクチン接種を終えている彼は、「入国した時の僕はまだ陽性だったけど、重症度を表す数値がすごく低かったから、害はないと判断されて入国を許可されたんだ。それに、隔離生活も10日以上送っている」と説明した。

プロトコルは「機能している」とタイリー氏は言うが、トミックのほかにも1回戦で世界81位のリシャール・ガスケ(フランス)に敗れた第29シードのユーゴ・アンベール(フランス)が試合後に空港で陽性反応を示している。ズベレフが指摘しているように、PCR検査の結果を求めれば、実際にはもっと多くの選手や関係者が感染しているかもしれない。だが、オミクロン株によって感染が拡大しているメルボルンではPCR検査を受けることが困難な状況にあり、抗原検査キットも不足していると一部では報じられている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2019年「全豪オープン」でのチチパス(右)
(Photo by TPN/Getty Images)

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