第3シードとして「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)に出場しているアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、今大会では新型コロナウイルスのPCR検査が行われていないと発言した。英スポーツメディア EUROSPORTなど複数のメディアが報じている。
1回戦で世界ランキング81位のリシャール・ガスケ(フランス)に敗れた第29シードのユーゴ・アンベール(フランス)が、試合の数時間後に向かった空港で新型コロナの陽性反応を示し、オーストラリアに留まって1週間の隔離生活を送ることになった。「彼が感染していたなんて知らなかった」というズベレフは、「今年の“全豪オープン”は昨年よりも感染者が多いだろうね」と続ける。
昨年の「全豪オープン」では、選手や関係者が厳しいバブル生活を強いられたことが話題になった。今年はワクチン接種が義務づけられているものの、それをクリアした選手の行動範囲は制限されておらず、さらにPCR検査も行われていないとズベレフは説明する。2回戦で世界89位のジョン・ミルマン(オーストラリア)にストレート勝ちを収めた大会3日目、試合後の記者会見で彼は次のように話した。
「選手たちは外に出て食事をしたり、自由に行動することが許されているから、新型コロナに感染する人が増えてもおかしくない。ここに到着した時や今、感染している選手は少ないはずだ。ただ、それは今検査が行われていないからであって、実際に検査したら陽性反応を示す人はもっと増えるだろう」
初のグランドスラムタイトルを狙うズベレフは自主的に隔離生活を送り、極力感染のリスクを避けるようにしているという。「僕は大会でプレーするために来ている。メルボルンやオーストラリア全土で多くの人が感染しているから、僕はレストランにも行かず、なるべく出歩かないようにしているんだ。今のところホテルの部屋とコート以外の場所には行っていないから、自らバブル生活を送っているようなものだね。単純にリスクを冒したくないし、ここで良い結果を出せるように最善を尽くしたいと思っている。コロナに感染したらそれを実現することができないからね」
オーストラリアに到着した際にチームの一員である兄ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)の感染が判明したため、ミーシャはシドニーで隔離生活を送っていたともズベレフは明かす。
今大会予選で敗退した世界262位のバーナード・トミック(オーストラリア)は、その試合中に「誰も検査を受けていないなんて信じられない」と大会のプロトコルを批判し、「選手は自分の部屋で簡易的な検査をすればコートに入ることが許される。公式のPCR検査は行われていない」と発言。2日後にトミック自身が陽性反応を示していた。
一方、「全豪オープン」初優勝を狙う世界女王のアシュリー・バーティ(オーストラリア)は、パンデミックが始まって以来、長らくオーストラリアの厳しい規制に対応してきたためか、今の新型コロナのプロトコルについて聞かれた際には、「私は仙人みたいなタイプだからあまり影響ないわ。私たちにとっては控えめなくらいね」と余裕を見せる。「ここでは練習して、やるべきことをやる。あとは面白い本とコーヒーがあれば十分よ」とも口にしており、ズベレフ同様、大会中に出歩くことを警戒しているようだ。
感染によって試合を棄権しなければならない選手がなるべく出ることなく、大会が無事に終わることを願いたい。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「全仏オープン」でのズベレフ
(Photo by Tnani Badreddine/Quality Sport Images/Getty Images)
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