「ここに来られただけで、すごいもうウキウキしていて…」
昨年、初めてグランドスラムジュニアの出場を果たした木下晴結は、その時の心境を振り返った。
あれから1年、再びメルボルンのコートに立ち、「あのときは、まだ気持ちが追いついてないまま試合に入った感があったのですが、今年は本戦に備え練習して、気持ち的にもテニス的にも準備期間がある中で迎えられました」と充実の表情を見せる。
昨年は全てのグランドスラム出場に加え、ITF大会にも積極的に出場し、静岡・牧之原のW25では、準優勝という戦績を残した。WTAランキングを取得し、出場できる大会も増え、目指す世界が一気に近づく1年となった。
オフシーズンにはサービスの強化と3本でポイントを取る練習、球際で負けない身体を作るためのトレーニングと、ステップワークに時間を割く。積み重ねてきたものに自信があったから、今年のグランドスラムジュニアは「上位進出を意識している」と言い、結果を出すことを目指す。
前哨戦のトララルゴンではシングルスベスト8、ダブルス2回戦という成績を収め、メルボルン入りした木下。速いサーフェスへの対応も含め調整した後、1回戦を迎える。
「めちゃめちゃめちゃ緊張しました。どの大会でもそうなのですが、初戦ってすごく難しくて……」と特有の緊張感の中で戦った。その影響か、試合はファイナルセットへもつれ、最初のサービスゲームを落とすという展開に。
しかし「相手も緊張していたのが伝わってきた」と感じた木下は、冷静に試合を運ぶ。第6ゲームでブレークバックを果たすと、そのまま3ゲーム連取で1回戦を突破した。
この試合を乗り越えると、昨年のウィンブルドンに続いて3回戦進出となった。異なるのは、ウィンブルドンの2回戦は、相手が棄権しての勝利だったこと。今回は自分の力で勝ち上がっただけに「自信もあったので、そのぶんもっと強気にいってもよかった」とこのラウンドでの敗退を悔やんだ。
しかし、齋藤咲良とのダブルスで準優勝したことは、彼女にとって大きな自信となった。12月まではお互い別のパートナーで出場する予定だったが、齋藤のパートナーが渡豪しないことになり、島津全日本室内の予選に出場した際に、ペアが決まったという。
何度も組んだことがある2人は、齋藤が後ろで組み立て、ボレーで木下が決めるというパターンを武器として持っていたが、木下が後ろ、齋藤が前という形も機能し、勝利へ結びついた。
それもお互いの技術の向上ゆえ。決勝も含めファイナルマッチタイブレークは5試合中、3試合の接戦だった。
期間中は、『リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT』のメンバーである木下に、コーチを通じて伊達公子よりメッセージが届いた。
「『自分の今日の調子や環境、相手の調子などに早く慣れていいプレーができるように』と言っていただけてうれしかったです」
今年のジュニアの大会は、グランドスラムジュニアとその前哨戦に的を絞り、上位進出を目指す。そしてITFシニア大会に出場して、現在700位台のWTAランキングを400位代に近づけることを目標に戦っていく。
この全豪は「全ての試合が学びにつながったと思います」と振り返り、「(ダブルスは)残るは優勝なので頑張りたいです」と笑った。
(保坂明美)
写真:WOWOW
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