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グランドスラム中継の裏側を徹底解説!テニス大好きWOWOWアナウンサー川又智菜美がWOWOW辰巳放送センターにいってきました<#ちなみにテニ活>

テニス大好きアナウンサー川又智菜美のちなみにテニ活

普段私たちテレビや配信の画面で観ているテニスの試合、実は多くの方の力が合わさって作り上げられています。今年はWOWOWが全米オープンを放送しはじめて30周年という節目です。それを記念して私WOWOWアナウンサーの川又智菜美がテニスのグランドスラム中継が作られている裏側を取材してきました。

WOWOWテニスの公式キャラクター テニス太郎と川又アナ

やってきたのはWOWOW辰巳放送センター。ロビーに入るとまずWOWOWテニスの公式キャラクターであるテニス太郎が出迎えてくれます。

今回は2018年からテニスを担当している早川敬プロデューサーに中継の裏側を教えてもらいました。

WOWOWテニス担当早川敬プロデューサー

大まかにグランドスラムの番組ができていく流れとしては、

①海外からの映像をうける
②映像に実況・解説、テロップなど手を加える
③放送にのせる
という一見シンプルなものです。しかし、きっと皆さんが想像している以上にこの道のりは簡単ではなく30-40人ほどの作業が合わさってあの画面がつくられています。それでは詳しく見ていきましょう。

まず海外から来た映像は、『回線センター』に送られてきます。この時点で、放送にのせる映像・音声がきちんと来ているのか?ということをチェックした上で、『サブ』と呼ばれる副調整室に送られていきます。

『サブ』と呼ばれる副調整室

サブはこのように機械がたくさん!ここでスタッフの方々がそれぞれの役割を果たし放送に集約されていきます。私自身もちろん何度も訪れたことがある場所ですが、改めて説明をしてもらうともはや芸術の域では?と感じました。放送中は1秒が命取りでミスができない世界、サブではずっとお互い声を掛け合っているのが印象的です。

こちらのサブでは、要となる3人が中央の席に座っています。
右には『TK』と呼ばれるタイムキーパー、真ん中には『PD』プログラム・ディレクター、そして左にはスイッチャーです。
『PD』プログラム・ディレクターが、どういう順番で試合を見せるか、抱えているVTRの取捨選択など、番組の内容を決めて各所に指示を出していきます。放送中はPDが総指揮官といった印象です。そしてその指示を受けて実際に映像をスイッチしていくのが、隣に座っている『スイッチャー』です。
テニスの中継でよくあるケースとしては、他のコートの試合が良い試合だった時に「○○コートから△△コートにあと何秒で切り替えます」といった風にPDが指示をだしてスイッチャーの方がそれを受けて切り替えます。
他にも、このカードはウォークオンからみせたいのでそのタイミングでスタジオを終えて試合映像に変えたいなど、タイミングの判断をPDが行い、スイッチャーに伝えていきます。
それらの決定に従って、『TK』が、タイムキーパーという名の通り番組における時間管理をしていきます。VTRまであと何秒なのか?そしてあと何秒でVTRが終わってまた他のVTR、スタジオまたは現地映像に切り替わるのか?番組終了まであと何分でどのくらい予定より押しているのか?または巻いているのか、など番組に関する時間のあらゆることを把握し、計算していきます。「VTRまで○秒前!」などと常に声を出してサブにいる他のスタッフたちに時間を伝えています。私たちアナウンサーもTKの方が計算してくださり、それがスタジオのスタッフの方に伝わって時間が押しているのか?巻いているのか?把握することができてその秒数を元に調整をしていきます。
PD、スイッチャー、TK、この3人で番組の流れを作っていっているということでした。

この3人の周りにも多くのスタッフが構えています。

まずテレビ業界に携わっていない人でもよく聞くであろう役職、『P(プロデューサー)』ってどこにいるの?という疑問が湧くと思います。プロデューサーももちろんサブにいるのですが、席は3人の後ろあたりに位置しています。早川プロデューサー曰く、Pは(理想としては)番組が始まる前に、会社としての方針に基づいた、チームの定めた番組に対する考えや演出・方向性をしっかりと周りに落とし込むのでオンエア中はあまり指示は出さないそうです。ただし生放送なので予想外な出来事やハプニングもつきもの。そのような時はプロデューサーの立場にある人がしっかりと判断を下すということでした。

プロデューサー席に座る川又アナ

(Pの席に座ってみました。この席は監督感がありなんだか偉くなった気分になりました(笑))

また、何気なく聞いている音についても、しっかり調整してくださる方がいて私たちが耳障りに思わず快適に聞けるようにしてくださっています。実況・解説と現地音はもちろん別々のところから来ているのでその音を良いバランスにミックスしたり、現地の映像とVTR、スタジオの音とBGMなどあらゆる音のバランスを調整しています。BGMを流してくれる音効(音響効果)はまた別のポジションにいらっしゃるので音だけに関しても多くの手が加えられています。

他にも、画面がいつもと違う色合いではないか?現地から来た映像が黄色みがかっていたり、青みがかっていたりしないか?色味や明るさをチェックしてバランスをとるVE(ビデオエンジニア)。EVSという簡易編集機を使ってスーパープレーやハプニングが起きた時もう一度後ほど再生できるように編集してとっておく役割の方、要と説明した3人の掛け合いを見て場所や選手の戦績データなどのCGを入れる方などおよそ12-3人がサブにはいます。その全員で合わせたものがマスターやWEB配信センターに送られ、マスターの方が作業して私たちが観ている放送や配信にのせるのです。

字幕作業の席に座る川又アナ

サブから少しはなれた場所には字幕チームも構えています。字幕も手作業です。
WOWOWでは、聴覚障がい者の方やテレビの音が聞こえにくい方々にも番組を楽しんでいただくために、クローズドキャプション字幕を付けております。リモコンの字幕ボタンを押して、是非ご覧ください!

お話を伺うとグランドスラムの時は同時に大体3名が字幕を作る部屋に入り、
放送で聞いた言葉をマイクに向かって喋り直す
→機械がそれを音声認識して文字化する
→間違っているものを手打ちで直す
→完成したものを送信する
という作業を通して作ってくださっています。
放送の音を聞いてからこの作業は開始されるのでオンエアに字幕がのるまでもちろん数秒のラグは生じます。しかし、それをいかに0に近づけるか?ということを日々努力しているということでした。
字幕を作る部屋の前一面のホワイトボードにはこのように間違えやすい言葉たちがずらっと書かれています。タイムラグを少しでも減らすために早くしなくてはいけない中、間違えてはいけない。今回は実際字幕をつけている現場を見ることはできませんでしたが、このホワイトボードとお話から現場を垣間見ることができて尊敬の念でいっぱいになりました。

ホワイトボードの写真

他にも、回線センターに届いた映像を多数のVTRを駆使して収録するスタッフや、テニスワールドのサイトや放送中の合間に流れるスーパープレー集、リピート用の素材、最終日のエンディングの映像を編集するスタッフの方も別の編集部屋やEVS(簡易編集機)の部屋に籠って作業をしています。まさにテニスチーム、総力戦となるのがグランドスラムなのです!

皆さんいかがでしたでしょうか?
それぞれの立場の方が緊張感を持って自身の仕事をすることで放送になっているんだと私自身も改めて感じることができました。
もう間も無く始まる全米オープンテニス2022もお楽しみに!

(川又智菜美)
※文中写真はWOWOW辰巳放送センター取材時の様子
(Photo by WOWOW)
※記事中写真2枚目は早川敬プロデューサー
(Photo by WOWOW)

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川又智菜美

川又智菜美

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WOWOWアナウンサー。慶応大学出身、テニスが大好きなアナウンサーです。
【@w_tennisworld】でテニスについて #ちなみにテニ活 でつぶやきます!

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