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「お父さんを超えたい」12歳、石井心菜が秘める未完成ゆえの可能性

※写真は女子テニス未来応援プロジェクトの石井心菜

『リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT』の選抜選手において最年少、12歳の石井心菜は、プロジェクトにおいてはムードメーカー的な存在だ。トレーニングでは「やだー、ムリー」と感情を素直に表現し、人にも、環境にもすぐに馴染む。合宿では15、16歳のお姉さんプレーヤーたちの妹的な存在として、皆に可愛がられている。

※写真は女子テニス未来応援プロジェクトの石井心菜

石井は昨年、11歳で全国選抜ジュニア、全国小学生優勝と2冠を実現した。早生まれのため、現在中学校1年生で、12歳以下の部門に出場できる資格を持つ。

しかしあえて今年は14歳以下の部に挑戦している。

これまで負けることがほとんどなかった石井にとっては、敗戦の苦しみを味わいつつも、着実な成長を見せている。

7月の関東ジュニアでは、ベスト4へ進出して全日本ジュニアの切符を手にした。

「簡単に終わる試合が少なくて大変でした」と、勝ちを目の前にして追い上げられた試合を悔やみながらも、「課題がよく見えました。年上の子とやる方が自分の悪いところがめっちゃ出るし、良いとこも出る」と語る。

「決めきれない」それが今一番の課題だ。5ゲームを取った後が石井には遠い。

それでも14歳への挑戦は、「ラリーでは戦えないという差は感じていない」という手応えを得たものとなった。

所属先のグリーンテニスプラザの新谷慎一郎コーチは、「カッと集中が入った時には、すごく長けているものがある。急に人が変わるようなプレーをしてくる」と、彼女のプレーヤーとしての魅力を語る。

「色々できる選手」と新谷コーチも評価するように、石井はショットの弱点があまりない。例えばセンターのボールを返球する際、多くの選手は得意なショットで返すが、時にはフォア、時にはバックと、決まりがなく、打つコースもクロス、逆クロスと広角にコントロールする。

それついて聞くと「何にも考えていないんですよね」と笑うが、テニスの戦略の一つである“相手に読ませない”ことを自然とできてしまう感性を持っている。

※写真は女子テニス未来応援プロジェクトの石井心菜

 父は元プロテニスプレーヤーの石井弥起氏、母はバスケットボールの元国体選手という、アスリートのDNAを受け継ぐ石井だが、父からのアドバイスは試合の前だけ。

「あまりごちゃごちゃ言わないタイプです。足を動かせとか、セットポイントとか大事なポイントで集中しようとか、同じことを言われています」と、内容も至ってシンプルだ。母からの印象的な言葉では「ご飯を食べなさい」が挙がるほど、両親も石井の自主性を大切にしている。

プロというイメージは、まだ霧がかかっている。しかし「お父さんを超えられるくらい強くなって、グランドスラムで上位に行きたい」という夢はある。

感性豊かなプレーは未完成ゆえの可能性だ。そこに意図的な戦略や、フィジカルが積み重なっていけば、その霧も晴れてくることだろう。

(保坂明美)
写真:ヨネックス

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保坂明美

保坂明美

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テニス雑誌「スマッシュ」の編集長を13年間務める。現在は独立し、WEBサイト「Tennis.jp」の管理や、テニスの技術解説企画、選手関連記事の執筆、本の編集、大会の広報業務などを手がけている。

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