テニスの元世界ランキング7位、38歳で世界125位となってしまった今も現役を続けるフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)が、ビッグ3について思うことや、現役を続ける理由などを語った。スポーツウェブメディアSportskeedaが報じた。
ベルダスコは男子テニス界のビッグ3、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)について、フェデラーは「史上最も才能ある選手」と言いながらも、彼らがあそこまでの高みに上り詰めたのはたゆまぬ努力があったからだ、と語った。グランドスラムの優勝数ではナダルが22回でトップ、ジョコビッチが21回で続き、20回で長年トップだったフェデラーは今では3位となってしまったが、彼の美しいプレースタイルを最上のものとするファンは多い。
ベルダスコはスペインのスポーツメディアMundo Deportivoのインタビューで、ハードワークを何かで代替することはできない、だからナダルやジョコビッチはもちろん、あれほど才能にあふれたフェデラーでさえ、ハードワークなしでああはならなかったと話した。
「すべての選手たちが努力、努力に努力を重ねなければならない。才能だけではだめだ。あんなに美しいプレーをするフェデラーは誰よりも才能があるように見えるけれど、彼だってものすごい努力をしたと僕は確信してる。ナダルやジョコビッチは言わずもがなだ」
引退について尋ねられたベルダスコは、フェデラーの言葉を引用して次のように答えた。「どんなものよりもテニスが大好きな選手たちがいる。僕もその一人だ。以前フェデラーが言った言葉が好きだ。テニスが大好きで上手なら、なぜ辞めるのか、って」
フェデラーは何度も、近年は立て続けに怪我に見舞われながらも復帰してプレーしたくなるテニスへの愛を語っている。
ベルダスコは、ナダルから3度勝利を挙げている。2016年の「全豪オープン」では、1回戦でフルセットの末にナダルを退けた。だが二人のテニス史に残る名勝負と言われているのは、ナダルが世界1位だった2009年の同じ大会での準決勝だ。同じように左打ちで、同じように闘志に溢れた二人は、5時間を超える熱戦を戦った。ベルダスコは今も、街を歩いていて知らない人から「あの試合はすごかった」と言われることがあること、自身のキャリアの中で「最も記憶に残る試合」だと考えていることを明かした。
「時々思い出す。人々が僕に思い出させてくれることもある。僕のキャリアの中で一番忘れられない試合だ。“全豪オープン”準決勝、世界王者との戦い、スペイン人選手同士の対戦、5時間を超える試合。レベルの高い試合だったよ。こんなに何年も経っても、人が僕を道端で呼び止めて言うんだ。あれは自分が人生で見た最高の試合だった、って」
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATP250ロス・カボス」でのベルダスコ
(Photo by Manuel Velasquez/Getty Images)