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世界王者から引退まで…第1回ネクストジェン出場選手たちは今どうしている?

写真は2017年「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ  」出場した選手たち

シーズン末に開催される21歳以下の選手たちの王者決定戦、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」は、ツアーで活躍する選手を数多く輩出している。ダニール・メドベージェフ(ロシア)やカルロス・アルカラス(スペイン)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)ら、今のテニス界で光輝く若手たちは、イタリアのミラノで行われるこの大会に出場した経験を持つ。今回は、第1回大会に出場した選手たちと、彼らの今を紹介する。スポーツウェブメディアSportskeedaが伝えている。

昨年は、アルカラスが決勝でセバスチャン・コルダ(アメリカ)を下して大会を制した。今年に入りアルカラスは素晴らしいシーズンを送っており、現在自己最高の世界4位にランクインしている。

準優勝のコルダは、今シーズン自己最高の30位まで浮上したものの、現在は54位に後退している。その他には、先日「ATP500 ハンブルク」でアルカラスを下しツアー初優勝を飾ったロレンツォ・ムゼッティ (イタリア)や、「ATP250 ミュンヘン」を制したオルガ・ルーネ(デンマーク)などが昨年の「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」に出場していた。

「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」の第1回大会は、2017年に開催された。出場した8人の選手のうち、2人は現在トップ10としてツアーを率いる存在となっているが、中には既に引退してしまった者もいる。それでは、第1回大会に出場した8選手の現在を、当時のシード順に紹介しよう。

1. アンドレイ・ルブレフ(ロシア)

その年、19歳で自身初のツアー大会優勝を飾り、「全米オープン」では準々決勝に進出したルブレフは、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」の第1回大会にトップシードとして出場。決勝に進出したが、チョン・ヒョン(韓国)に敗れ準優勝に終わった。しかし、その後は世界トップクラスの選手として活躍を続けている。

2020年は特に素晴らしい活躍を見せ、ATP500大会を含む5大会で優勝。さらに「全仏オープン」と「全米オープン」でベスト8に進出し、世界ランキングトップ10入りを達成。2021年も、ルブレフは実り多きシーズンを送った。「ATP500 ロッテルダム」で優勝し、「ATP1000 モンテカルロ」と「ATP1000 シンシナティ」でマスターズ大会の決勝に進出。この年初めてトップ5入りし、世界5位でシーズンを終えた。

今シーズンも好調を保っており、43試合のうち32試合で勝利している。「ATP250 マルセイユ」、「ATP500 ドバイ」、そして「ATP250 ベオグラード」で優勝。「ATP1000 インディアンウェルズ」では準決勝に進出した。現在24歳のルブレフは世界8位に位置している。

2. カレン・ハチャノフ(ロシア)

第2シードとして出場した21歳のハチャノフだったが、グループステージではジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)に1勝を挙げたのみ。メドベージェフとボルナ・チョリッチ(クロアチア)に敗れ、準決勝に進出することなく大会を後にした。

ハチャノフがこれまでで最も良い成績を残したシーズンは2018年だった。「ATP1000 パリ」で自身初のマスターズ大会優勝を飾り、「ATP1000 トロント」では準決勝に進出した他、「ATP250 マルセイユ」と「ATP250 モスクワ」でも優勝。2018年を世界11位で終えたハチャノフは、翌年トップ10入りを果たした。

2019年には、「全仏オープン」で自身初のグランドスラム準々決勝に進出。2021年にも「東京オリンピック」で銀メダルを獲得し、「ウィンブルドン」では準々決勝に進出した。ハチャノフは現在世界24位にランクインしている。

3. デニス・シャポバロフ(カナダ)

2017年、18歳だったシャポバロフは「ATP1000 モントリオール」3回戦でラファエル・ナダル(スペイン)を下したことで一躍注目を浴び、その後ベスト4まで進出した。だが「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」では1勝しかできずに、グループ中3位で大会を終えた。

サウスポーのシャポバロフはその後も活躍を続け、2019年の「ATP1000 パリ」で初めてマスターズ大会の決勝の舞台に立った。2020年には「ATP1000 ローマ」で準決勝に進出、「全米オープン」で準々決勝進出と好成績を残し、トップ10入りを果たした。昨年の「ウィンブルドン」で、シャポバロフは自身初のグランドスラム準決勝に進出。

今シーズンは「ATPカップ」にカナダ代表として出場し、優勝に貢献した。「全豪オープン」では準々決勝進出と健闘したがまだ優勝はなく、現在世界22位だ。

4. ボルナ・チョリッチ(クロアチア)

「ATP1000 マドリード」で20歳にして準々決勝に進出したチョリッチは、2017年に最も勢いのある若手選手の一人だった。「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」ではグループステージですべての試合に勝利したが、準決勝でルブレフに敗退した。

2018年も良い成績を残し、「ATP1000 上海」決勝や「ATP1000 インディアンウェルズ」準決勝に進出。自己最高の世界ランキング12位に到達した。だがチョリッチは2019年以降は度重なる怪我に見舞われ、昨年は肩の手術のためツアーから離れる決断をした。

今年の「ATP1000 インディアンウェルズ」から復帰したチョリッチだが、ツアーレベルでは11試合のうち4試合しか勝利できておらず、苦しい状態が続いている。だが6月のチャレンジャー大会で優勝、先日の「ATP500 ハンブルク」では準々決勝に進出しており、調子は上向いているようだ。長期の離脱のせいでランキングは現在世界150位である。

5. ジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)

20歳で2017年「ATP1000 シンシナティ」の準々決勝に進出したドナルドソンは、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」に出場することになった。だがグループステージでメドベージェフ、チョリッチ、ハチャノフの3人に敗れ、準決勝に進むことはできなかった。

2018年には世界ランキングトップ50入りを果たすが、その後は辛い状態が続いている。怪我にも悩まされており、2019年の「ATP1000 マイアミ」の予選でルブレフに敗れて以来、大会に出場できていない。

6. チョン・ヒョン(韓国)

第6シードとして「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」に出場した21歳のチョンは、準決勝でメドベージェフを、決勝でルブレフを退けて、輝かしい第1回大会王者となった。

翌2018年はチョンにとって素晴らしい1年だった。「全豪オープン」ではアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)を下して準決勝の舞台に立った。さらに、2つのマスターズ1000大会で準々決勝に進出し、世界ランキングトップ20入りを果たした。

だが2019年以降、チョンは怪我に苦しみ、現在は世界ランキング917位となっている。

7. ダニール・メドベージェフ(ロシア)

「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」の第1回大会では下から2番目のシードだった21歳のメドベージェフだが、8人の出場者の中で最高のキャリアを築いている。

「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」では準決勝に勝ち上がったものの、フルセットの末チョンに敗退。だが2018年に入ってランキングを上り始め、年末にはトップ20入りを果たした。2019年、2つのマスターズ大会で優勝し、「全米オープン」のファイナリストとなったメドベージェフはトッププレーヤーとしての地位を確立。翌2020年、「Nitto ATPファイナルズ」決勝でドミニク・ティーム(オーストリア) を破り、最終戦を制した。2021年はメドベージェフにとって特別な年となった。「全米オープン」決勝でジョコビッチを退け、自身初のグランドスラム優勝を飾ったからだ。

今シーズン、「全豪オープン」決勝に進出したメドベージェフは、2セット先取しながらナダルに逆転勝ちを許し、2度目のグランドスラム優勝は先送りとなった。メドベージェフは2月に世界ランキング1位に輝いている。

8. ジャンルイジ・クインツィ(イタリア)

当時21歳で世界306位だったジャンルイジ・クインツィ(イタリア)は、ワイルドカード(主催者推薦枠)で「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」に第8シードとして出場。ルブレフ、シャポバロフ、チョンを相手にいずれの試合でも2度のタイブレークを含むフルセット、4セット、フルセットという激闘の末に敗れ、グループ最下位という成績に終わった。

ジュニアの頃には「ウィンブルドン」ジュニア優勝など大活躍を見せたクインツィだったが、2019年4月にキャリアハイの世界142位に到達した後、それ以上の成功は難しいと感じて2021年に25歳の若さで引退を発表。

「トップ100に入れないことを実感した瞬間、じっくり考えて何をしなければいけないか理解する必要があると自分に言い聞かせた。情熱を持って、再びスタートをきってやり直すことができなかった。若い時に勝利することに慣れてしまうと、負けることは悲劇になってしまう。僕にとってはそうだった。20年を捧げてきて、僕はゴールを諦めた」

「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」に出場できても、トップ選手への道が約束されたわけではない。第1回大会から約5年、出場者の現在の姿はテニス界で繰り広げられる激しい競争を物語っている。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2017年「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ  」出場した選手たち
(Photo by Emilio Andreoli/Getty Images)

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