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「今はキャリア初期のような気分」ティームの現在の目標とは?

写真は2022年「全仏オープン」でのティーム

手首を負傷し9ヶ月ほどツアーから離れていたドミニク・ティーム(オーストリア) が、先週14ヶ月ぶりにツアー大会で勝利した。復帰してからこれまで負けが続き、精神的にも厳しい戦いが続いていた。待ちに待った勝利を手にしたティームが、現在の心境を詳しく語った。ATP(男子プロテニス協会)の公式ホームページが伝えている。

「ゲーム、セット、マッチ、ティーム」。ティームはこの言葉を14ヶ月もの間、待っていた。「ATP250 ボースタッド」の1回戦でエミル・ルースブオリ(フィンランド)に勝利したティームは、やっと息を吐けた。手首の怪我により昨シーズンの半分を欠場することになったティーム。2022年に復帰してからも試合感覚が戻らず苦しい月日を過ごしてきた彼にとって、この勝利は特別なものとなった。

「勝利できてとても嬉しい。すごく必要なものだったんだ。先週のザルツブルクでのチャレンジャー大会も、正しい方向への一歩だった。あそこで勝利できたこと、その次のラウンドでは接戦で負けたこともね。“全仏オープン”や他の大会と比べると、大きく前進したと感じた」

「特に重要なのは、トップ50の対戦相手に2試合連続でいい勝利をつかめたことだ。自信を取り戻すのにすごく良かった。試合に幾つか勝って、勢いと自信をつけられたのはとても楽しかった。今後もその感覚を持って臨みたい」

「ATP250 ボースタッド」の2回戦ではロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)を下し準々決勝進出を果たしたティーム。昨年6月に「ATP250 マヨルカ」でアドリアン・マナリノ(フランス)と対戦中、怪我のため棄権した時は世界ランキング5位だった。

その後9ヶ月間ツアーから離脱していたため、今年3月にマルベーリャのチャレンジャー大会に復帰した時には、ランキングは50位まで落ちていた。

これまで17大会で優勝してきた実力の持ち主だが、ヨーロッパのクレーシーズンは全く調子が上がらず、0勝6敗と散々な戦績だった。2020年の全米王者にとって、試練の時だった。

「春は、次々と試合に負けていたからポジティブでいることが難しかった。自分のプレーが他の選手たちのレベルに達していないと感じた。きっと勝てないと知りながら試合に出場していた、すごく苦しかったよ」

「精神的にきつかった。“全仏オープン”の後でチームの皆に基本に立ち戻るトレーニングが必要だと言った。昔の水準に近いところまで到達できるようにね。今は良くなりつつあるよ。春はこんなに良くなかった。試合に負けて、4、5日練習コートに戻って、そして次の試合でまた負けるのはとても辛かった。すごく苦しかったよ」

テニスに怪我はつきものだ。選手たちは困難と向き合いながら競技を行っている。ここ1年ほど努力と苦労を続けてきたティームは、ツアーでプレーすることに対する考え方が変化したと語る。

「今は、キャリア初期のような気分で、一つ一つの勝利がすごく特別なんだ。ボーステッドの大会で準々決勝に進出したことは、僕にとってすごく大きなことに感じる。キャリア初期も同じような感覚だった。連勝することに慣れると、一つの試合の勝利はそこまで特別じゃなくなる。でも、そうあるべきではないんだ。レベルがすごく高くて、全ての選手がとてもいいプレーをしている。だから、全ての勝利が特別であるべきで、僕は再びそう感じるようになっている」

2011年にツアーデビューして以来、ファンたちはティームの完璧なタイミングや、精確なフットワークに慣れてしまっていた。だが9ヶ月も試合に出られなかったことが、試合感覚を狂わせ、テニスのレベルに影響を与えたとティームは考えている。

「問題は、十分に打っていなかったということ。時間が足りなかった。試合に出られなかったことと並んで、それが一番大きな問題だった。僕は、長い休養の後に少し時間が必要なタイプの選手なんだ。オフシーズンの後でも、数試合こなさないと感覚やフットワークを取り戻せない。1年も離脱していたから、それらが大きく影響を受けた。それに、1週間に1試合以上プレーすることができなかった。だから改善するのも無理だった。すごく苦しい時間だったけれど、そこから出られて嬉しいよ」

昨年ツアー離脱を決断したティームは、リハビリに入る前にベルリンへ旅行に行ったり、ヨーロッパで行われたスポーツイベントに顔を出したりして、つかの間のオフを楽しんだ。そして療養中はツアーで活躍する他の選手の様子をよくチェックしていたという。

「“全米オープン”からまた見るようになった。少し距離がある状態で見るのはちょっと違うね。10年間、ほとんど全ての大会に出ていたから、テレビで見るのは違った体験だった。でもそうすることで多くのことが見えた。それに、『みんなうまいプレーをするな!』って思った。たった1年前にあの場所にいたなんて信じられない。この高いレベルをより深く認識することになった」

中でも、2人の選手が特に印象に残ったと語る。「ヤニク・シナー(イタリア)とはエキシビションでプレーしたり、多くの大会で一緒に練習したことがある。だから彼がトップに上ってくるだろうと、彼がうまいということは分かっていた。すぐもっと上に来るだろう」

「カルロス・アルカラス(スペイン)のことは知っていた。でも僕が不在の間に実力を伸ばしてきたね。“ATP250 ウマグ”で優勝して、その次に“ATP250 キッツビューエル”でオーストリア人選手(Alexander Erler)に負けた。1試合丸々観戦したから、彼が実力を発揮するまでさほど時間がかからないことは見て取れたよ。トップ10に行くだろうなと思った」

「彼らと近いうちに対戦できたらいいなと思ってる。新しい選手と顔を合わせるのはいつもワクワクする。ほとんどの選手と対戦したことがあって、彼らのことはよく知っているからね。でもアルカラスと対戦するのは楽しくないだろうな。きっとすごく辛いと思うよ!」

上り調子のティームなら、世界ランキングを駆け戻ろうと勢いをつける中で、アルカラスやシナーと対戦することもあるだろう。ティームの次の目標は明確だ。「主な目標は、今シーズンの終わりまでにベストな状態まで調子を戻すこと。コートに入って、以前のようなプレーができること。どんな相手でも勝てると思えること。それは今すぐに起こるわけじゃないし、“全米オープン”までにも無理かもしれない。でも年末までには、それが目標だ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2022年「全仏オープン」でのティーム
(Photo by Adam Pretty/Getty Images  )

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