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鍋島昭茂アナウンサーが今季ウィンブルドンで実況した3試合を語る<テニス大好きアナウンサー川又智菜美がインタビュー>

「ウィンブルドン」でのマレー

6月27日より本戦開幕した2022年のウィンブルドン。テニス大好きな私、WOWOWアナウンサー川又智菜美が古巣の大先輩であり、テニス実況でおなじみ鍋島昭茂アナウンサーにインタビューしました。今年のウィンブルドンや過去の印象的な試合についてなど、全3回にわたって連載します。

テニスの実況を長くされている鍋島さん。実況中の声だけでも「あ、鍋島さんだ!」とわかるテニスファンの方も多いのではないでしょうか?そんな鍋島さん、もちろん今回のウィンブルドンでもWOWOWで実況を担当されています。鍋島さんが対談当日までに担当された試合はこちら。
初日   アンディ・マレー vs ジェームズ・ダックワース
2日目 イガ・シフィオンテク vs ヤナ・ファット
3日目 カルロス・アルカラス vs タロン・グリークスプア
注目の選手が盛りだくさんな鍋島さんの担当カード、これらの試合での選手の印象や思い出などを語っていただきました。

ー初日はマレー戦だったんですね
マレーは地元の英雄だし、大きい怪我を乗り越えての今回ウィンブルドン本戦ということで、初日のセンターコート第一試合であるということ以上に、マレーが入ってくる時のスタンドの雰囲気をしっかり伝えないといけないなと思って初日は実況に入りました。マレーが入ってきた時のセンターコートの雰囲気ってやっぱり違うよね。

ーどう違いますか?
ジョコビッチ、フェデラー、ナダルに対しても皆さんもちろん敬意を持っているんだけれども、マレーに対しては彼への強い敬意と、大きい怪我からよく戻ってきたねという敬意の両方が感じられるよね。ランキング的にもワイルドカードではなく堂々と自分のランキングでウィンブルドン本戦に入っているわけだしね。あとはまっさらに近い芝の状態でマレーのプレーが見られたことはテニスファンとして嬉しかったかな。

ー大きな怪我をして引退示唆もあった中でのこうしたカムバックは、長らく実況を通してマレーを見てきた鍋島さんにとって感慨深いものがあるんじゃないですか?
そうですね…2019年の全豪で彼が引退を示唆したことがあって、あの時の試合前の練習は当時現地にいて、こうやってマレーの練習をみるのはこれが最後なのかな?と思ってみていたのもあって、こうして今マレーが元気に動いているのをみると嬉しいですね。あとマレーは生でみるとふくらはぎのところに痣があるんですよね。だからそれをみると、あ!本物のマレーだ!ってワクワクするんです、マニアックなんですけど(笑)

ーさすが鍋島さん(笑)マレーには思い入れが強いんですね。
ずっとトップに居続ける選手も偉大だけれども、一回1位になった人がランキング800番台まで落ちて、そこからまた今10番台に戻っているという生き様が素敵だなという風に思ってる。

残念ながらマレーは2回戦でビッグサーバーであるイズナーに負けてしまいましたが、ここまでカムバックするために彼がどれだけフィジカル的にもメンタル的にもパワーを使ったかと思うとぐっとくるものがあります。引き続き注目していきたいですね。
そして話題は2日目に…

ー2日目は女子の試合でしたが…話題のシフィオンテク。鍋島さん視点でいいので芝でのシフィオンテクいかがですか?
全仏オープンから実況を通して連勝を伝えているけれど止まらないね!本当にすごいと思います。専門家じゃないからアナウンサーとして感じることになるけれど、赤土とか芝とか関係なく、シフィオンテクってポイントの早い段階から自分で行くんだなぁという印象。あとは普段のトレーニングの賜物ですごくフットワーク、下半身がしっかりとしているし…素人からみてだけど全く弱点が見当たらないなぁって。完全にシフィオンテクの一強時代だなって思います。

ーもうすっかり女王ですよね。
うん、女王。それで気になるのは、この連勝がどこまで続くのか?っていうところと、誰がシフィオンテクをとめるのか?っていうところ。記録マニアとして大型連勝が止まる時ってどういう時なのか?色々と調べたのね。2000年以降でいうと、ウィリアムズシスターズ(セレナ・ウィリアムズとビーナス・ウィリアムズ)の連勝を止めた相手っていうのがビッグサーバーなんですよ!セレナの時はサビーネ・リシツキで、女子で210キロ近く出したビッグサーバーだったし、ヴィーナスの連勝を止めたのは、もう辞めてだいぶ経つんだけどリンゼイ・ダベンポート。やっぱりビッグサーバーが止めてるんですね。だからシフィオンテクの勝ち上がりの中でサーブがいい選手はどの選手かな?と思いながらみています。一発をもっている選手のほうが連勝している選手にとってはこわいのかな?と。

ーたしかにサーブが良くて崩せなかったらどうしようもないですよね…ビッグサーバーに調子良くサーブ入れられると厳しい。
そうそう。芝だからポイントも早いし。特に女子はベスト・オブ・スリー(3セットマッチ)だからなんか気がついたら試合が終わってるみたいに持っていくのが、シフィオンテクに対する選手が勝つ方法の一つなんじゃないかな?ってテニスファンとして勝手に思っています。

鍋島さんがおっしゃった通り、シフィオンテクの連勝がどこまで続くのか?そして誰が止めるのか?というところに注目が集まります。勝ち続ける姿を見ていたいですが、個人的な思いとしては、もし負けてしまってもそこからしっかりと切り替えてまた強さを発揮して君臨してくれたら女子テニス界面白いんじゃないかな?と思いました。女子では最近、どのグランドスラムでも安定的にこの選手が勝ち上がる、といった選手が少なかったのでそういう存在になってほしいなぁと一テニスファンとして願っています。

ーさて続いては3日目、アルカラス。またしても注目の選手のカードですね。
そう、19歳ですよ!19歳で芝に合わせてきて持ち直すところがやっぱりすごい。たしかに10代の頃のナダル、ジョコビッチ、マレーみたいな感じですよ!

ーどういうところが10代の彼らを彷彿とさせます?
男子ってベスト・オブ・ファイブ(5セットマッチ)だから実況してても解説者の方がよくおっしゃるんだけど、どこかで気持ちが緩む時間帯がでてくるんですよね。例えばグリークスプアとの2回戦目でいうと2セットアップになって、第3セットの冒頭で自分のサーブが崩れた時間帯があったんだよね。そこで普通だったらブレイクされたりとか崩れるはずなんですよ。でもアルカラスはゲームの中で気持ちを立て直して結局ストレートで勝っちゃった。こういう勝ち方が彷彿とさせるね。あ、でも10代の頃のジョコビッチはよく途中棄権してたのでそれを考えると体力的にはアルカラスのほうが上かもしれない(笑)

ーアルカラスがすごいのは技術的だったり体力的だったりプレーの面もそうですけど、メンタル的にもものすごく強いってことですよね。
そうだね、メンタルの部分がしっかりとしているから10代とは思えないくらいしっかりと立て直すことができると思う。あとは、見ていても試合中しっかりと芝に合わせてきている感じがある。アルカラスの心配って芝に対する経験のなさだから、そこがなくなれば無敵の王者になっちゃう感じがありますけどね。

ーどうしてもアルカラス=クレーな印象あります。
たしかに、クレーコートでの活躍が多いもんね。でも、解説者の方に伺うとどうしても芝のシーズンが短いから、どの選手も芝の経験は少ないんだってね。だからアルカラスが芝の試合数を重ねていけば全然そのあたりはクリアできるのかなって皆さんおっしゃるので、心配はないのかなって感じはしますね。

期待のアルカラス、芝の聖地ウィンブルドンではどこまで勝ち進んでいくのでしょうか?全仏からウィンブルドンは他に比べて期間も短く、サーフェスの違いもかなりあるので選手の切り替えが大変だと聞きます。そんな中、芝への経験が浅くてもしっかり合わせて勝利を重ねているのは本当にすごい19歳です…!

さて、ウィンブルドンまだまだ熱戦が続きます。残りの期間を一緒に楽しんでいきましょう!
次回の連載でも、鍋島さんとウィンブルドンについてとことん語ります!お楽しみに。

(川又智菜美)

(Photo by Getty Images)

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川又智菜美

川又智菜美

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WOWOWアナウンサー。慶応大学出身、テニスが大好きなアナウンサーです。
【@chinami_k0204】で毎日ウィンブルドンについてを #ちなみにテニ活 でつぶやきます!

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