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ウィンブルドンで1セットも落とさずに優勝した選手とは?

写真は2014年「全米オープン」でのナブラチロワ(左)セレナ(中)エバート(右)

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月27日~7月10日/グラスコート)がまもなく始まる。女子シングルス本戦の目玉は、1年近く試合から離れていた元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が出場するということだろう。

前回大会のチャンピオンであるアシュリー・バーティ(オーストラリア)は、引退をしたため今回の大会には出場しない。現在35連勝中の世界女王、イガ・シフィオンテク(ポーランド)は、今年すでに「全仏オープン」を含む6冠を達成しており、「ウィンブルドン」でも揺るぎない優勝候補に挙げられる。しかしながら、世界3位のオンス・ジャバー(チュニジア)や世界4位のパウラ・バドーサ(スぺイン)、「全仏オープン」準優勝者のココ・ガウフ(アメリカ)、世界5位のマリア・サカーリ(ギリシャ)のような選手たちも、タイトルへの挑戦に期待を寄せているだろう。

長年にわたり素晴らしい女子選手たちが「ウィンブルドン」を制してきたが、1セットも落とさずに優勝にたどり着いた選手はわずか6人しかいない。この6人の選手たちを、スポーツウェブメディアSportskeedaが紹介している。

1.クリス・エバート(アメリカ) 1981年

エバートはキャリアの中で3度「ウィンブルドン」を制覇したが、そのうち最後の優勝は1981年大会でのことであった。エバートは第1シードで出場しており、この大会では初戦で「全豪オープン」優勝経験者のChris O'Neil(オーストラリア)を6-3、6-0で下し、その勢いのままベスト8入り。準々決勝ではミマ・ヤウソベッツ(スロベニア)を6-2、6-2で、そして準決勝では同胞のパム・シュライバー(アメリカ)を6-3、6-1で下し、通算6度目の「ウィンブルドン」決勝進出を果たした。

 

実はそれまでに、グランドスラム3大会連続で決勝へ駒を進めていたが、全敗を喫していた。しかし、この日は第2シードのHana Mandlikova(チェコ)を6-2、6-2で退け、12個目となるグランドスラムのタイトルを獲得した。

2.マルチナ・ナブラチロワ(アメリカ) 1983年、1984年、1986年、および1990年

「ウィンブルドン」においてナブラチロワよりも成功した選手は今のところいない。元世界女王のナブラチロワは、この大会の最多記録である9度の優勝を果たしており、そのうち4度で1セットも落とすことなく栄冠を掴んでいる。

この4度のうち1度目は1983年大会であり、この大会でナブラチロワは合計で25ゲームしか失わなかった。ナブラチロワは大会を通してほとんどシードなしの選手を下していたが、決勝では第3シードのアンドレア・イエガー(アメリカ)を6-0、6-3で破った。ナブラチロワは1984年にタイトル防衛に成功したが、この時も1セットも落とすことはなかった。この年の決勝でナブラチロワはエバートを7-6(5)、6-2で打ち破った。

ナブラチロワは「ウィンブルドン」を支配し続け、1985年にもタイトルを獲得。そして翌年も1セットも落とすことなく優勝した。失セット0での優勝3度目となったこの大会では、決勝でMandlikovaを破った。ナブラチロワの9度目かつ最後の「ウィンブルドン」優勝は、彼女が33歳の時の1990年大会でのことだ。第2シードで出場したナブラチロワは、わずか29ゲームしか失わず、決勝ではZina Garrison(アメリカ)を6-4、6-1で下してタイトルを手にした。

3.リンゼイ・ダベンポート(アメリカ) 1999年

ダベンポートは3つのグランドスラムのタイトルを獲得しているが、この全てを1セットも落とすことなく手にしている。ダベンポートが持つ唯一の「ウィンブルドン」の栄冠は、第3シードで出場した1999年大会でのものだ。

ダベンポートはアレクサンドラ・フサイ(フランス)、カリーナ・ハブスドバ(スロバキア)、ラウラ・ゴラルサ(イタリア)、そして第14シードのバルバラ・シェット(オーストリア)を下して準々決勝に進出した。そこで前年度覇者のヤナ・ノボトナ(チェコ)を6-3、6-4で破り、同胞のアレクサンドラ・スティーブンソン(アメリカ)との準決勝に駒を進めた。

ダベンポートは予選から勝ち上がったスティーブンソンを6-1、6-1で打ち負かし、2度目のグランドスラム決勝進出を果たすと、頂上決戦でシュテフィ・グラフ(ドイツ)と対戦。ダベンポートはグラフを6-4、7-5で破り、自身にとって2つ目のグランドスラムのタイトル、かつ唯一の「ウィンブルドン」の栄冠を手にした。

4.セレナ・ウイリアムズ(アメリカ) 2002年および2010年

セレナはこれまでの華やかなキャリアの中で、「ウィンブルドン」のタイトルを7度手にしている。1セットも落とすことなく最後まで勝ち抜いたのはそのうち2度だ。

2002年にセレナは「全仏オープン」で優勝して「ウィンブルドン」に乗り込んだ。第2シードで出場したセレナは決勝まで快勝を続けると、最後の舞台で姉であり2度の優勝経験を持つビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と顔を合わせた。2大会連続でグランドスラムの決勝まで駒を進めたセレナは、姉を破り「ウィンブルドン」でキャリア初の優勝を飾った。

セレナは2010年の「ウィンブルドン」に第1シードで出場し、序盤では力強い勝ち上がりを見せた。最初の3人の対戦相手から、それぞれ1度はベーグルでセットを奪ったのだ。その後セレナはマリア・シャラポワ(ロシア)を7-6(9)、6-4で破り、準々決勝に進出。続いてセレナはリー・ナ(中国)を7-5、6-3で、そしてペトラ・クビトバ(チェコ)を7-5、6-2で下して、決勝へ辿り着いた。べラ・ズボナレワ(ロシア)との頂上決戦は6-3、6-2で勝利し、タイトル防衛に成功した。

5.ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ) 2008年

ビーナスは「ウィンブルドン」を5度制しているが、最後に優勝した2008年大会では1セットも落とすことなくタイトルを獲得した。第7シードで出場したビーナスは、1回戦でナオミ・キャバディ(イギリス)を7-6(5)、6-1で下すと、アン・ケタボンヌ(イギリス)、マリア ホセ・マルチネス サンチェス(スぺイン)、アリサ・クレイバノワ(ロシア)を破って準々決勝に進出した。

準々決勝ではタマリーン・タナスガーン(タイ)に6-4、6-3で、そして準決勝ではエレナ・デメンティエワ(ロシア)に6-1、7-6(3)で勝利した。決勝では妹で第6シードのセレナと対戦し、7-5、6-4で勝ってタイトル防衛に成功した。

6.マリオン・バルトリ(フランス) 2013年

バルトリは2013年の「ウィンブルドン」で自身唯一のグランドスラムのタイトルを獲得したが、その様は堂々たるものだった。第15シードで出場したバルトリは、エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、クリスティーナ・マクヘイル(アメリカ)、カミラ・ジョルジ(イタリア)、そしてカリン・クナップ(イタリア)を破って準々決勝に進出。

準々決勝で第17シードのスローン・スティーブンス(アメリカ)を7-5、6-4で下し、続く準決勝では第20シードのキルステン・フリプケンス(ベルギー)に圧勝し、2度目のグランドスラム決勝進出を果たした。2007年の「ウィンブルドン」決勝でビーナスに敗れてから6年後、この大会の頂上決戦に再び戻ってきたバルトリはサビーネ・リシツキ(ドイツ)と対峙。バルトリは終始試合を支配し、最後はエースを決め6-1、6-4で勝利。初めてグランドスラムのタイトルを獲得した。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2014年「全米オープン」でのナブラチロワ(左)セレナ(中)エバート(右)
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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